2017年09月08日

老人が中学生を殴る つづき


 区長が「体罰ではない」と話を収めようとしたのでブーイングが聞こえますが、あれしょうがないかなと思います。
 日本でこの場合、老人を責めて彼に何らかのダメージを負わせると、まず間違いなく中学生にヘイトが行く。
 そうすると受けなくていい追加の精神的ダメージを得たり、あるいは最悪の事態も考えねばならない。

 ヘイトを放つのは老人擁護者(権力に憧れる人・権力に組み伏されたい人)と、なんでもいいから日頃の鬱屈を叩きつけることができる落ちた犬を探している人たち。
 こういう理屈の通じない人たちから中学生を守ってやる術は理屈ではなく「ヘイトすらし」しかありません。
 で、区長のような立場の人ができるのは、
「いまの無し!」
とヘイト発生案件自体を無かったことにするぐらいしかないんじゃないかなあ、と思います。
 もちろん初動で飛び出していって老人を告発し(中学生を人目から隠し)、ヘイトを自身に集めることで中学生を庇う手もあるわけですが、これは今回すでにできてなかったわけで言っても詮無い話です。

 区長的にも普段言ってること(体罰反対)との整合性が取れないことは百も承知、そりゃ忸怩たる思いでしょうが、今現在の日本のメンタル風土の上で「中学生を守る」を最優先すれば、こうかなあ、と。
 僕が同じ立場に立たされてもたぶん……これじゃないかな。

 原理原則というものが基本的に(原則的に)存在しない日本の場合、なにかトラブルやスキャンダルが起きた時の第一選択肢は「逃げる」です。
 特にマスメディアに露呈してしまった場合はそうで、彼らは数字が獲れる=話題になっている以上、話を蒸し返し続け、逆に言うとそうならなくなれば離れていく。だから「存在しない」もしくは「存在しないことにする」が最も有効なトラブル「潰し」です(もちろん「解決」ではない)。
 このこと自体問題があるとは思うのですが、そうだ、というのはそう、なのでそこは動かしようがない。
 で、今回の話の優先順位は
 1.中学生のケア
 2.老人の懲罰
の順だと思いますので、1.から行くなら現実に行われた対応がベターではないでしょうか。

「じゃ殴ったもん勝ちかよ」
という話には心配せずともなりませんて。こんな人にもう同じようなこと頼む自治体は……あるか。あるな。それがさらに問題やな。
 それはともかく、ご本人が非常に評判を下げたことはもとより、こういう悪目立ちをすると、化けの皮が剥がれます。
 僕もCMで見てたしきっと大物なんだろうと想像していたのですが、ジャズ方面のみならず音楽関係から一斉に
「別にw」
みたいな反応が噴き出したもんですからへーっと思いました。
(一般的にはプロはプロに厳しいので、ちょっと割り引いて見た方がいいですが)
 あと金のある老人の欲しいものは名誉ぐらいなので、これだけ毀損されれば罰としては十二分でしょう。これから死ぬまで
「あああの中学生殴って謝らなかった人な」
ですからねい。
 嫌やなあ。
 人生のまとめタイムでねえ。

「過ちては改むるに憚ること勿れ」ですね。
 謝りさえすりゃなんとでもなったのに。

 というように思いました。
「世間への影響」という要素は当事者にとっては「いま目の前にあるトラブル」に比して極めて小さいので、それを持ち出して「こうすべきだ」論はちょっと厳しすぎると思います。
posted by 犀角 at 00:00| 雑記