2017年09月14日

マンガ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」1-24 安彦良和




 遅ればせながら読み終えました。
 ファースト偉大ですよね。

 あと富野監督。言うまでもないですが。
 ア・バオア・クー戦を理屈で詰めるとこうなるはず、というのが、
「あの時点で連邦の宇宙兵力は(ソーラ・レイの被害もあって)たいしたことないはず」
「補給もままならないので博打」
「艦隊を普通に並べていても要塞には太刀打ちできないので、MSを突っ込ませて内部から破壊」
 つまり二〇三項地みたいなもんだと。
 でもアニメ本編ではDデイか硫黄島の戦いのような印象ではありませんでしたか。圧倒的な物量で押し潰す感じの。
 ここがドラマツルギーというか、苦労に苦労を重ねたホワイトベースが最後の戦いには圧倒的軍勢の旗頭になっている、というのが視聴者のカタルシスを得る。エンタティナーならばそう演出してしまう。
 でもその熱狂が醒めてしまうとふと、
「あれ、じゃあのソーラ・レイって結局そんなに実害はなかったの?」
みたいなことになるではないですか。「1/3沈めた」と劇中で説明されてるのに、それで押し込めるんだから。

 というようなファーストが勢いと富野ケレンで良くも悪くもごまかしてたところが丁寧に均されていて、ただただすごいなあ、と思いました。
 やっぱりちゃんとした絵を描く人だからちゃんとしてないと気持ち悪いんでしょうね。

 というその御真筆ももちろん堪能できます。
 ワタクシゴトですがわたしブロンドコンプレックス持ちで自分の作品にはだいたい金髪が配備されるのですが、どこで培われたかと言えばおそらくメーテル(『999』)とアルフィン(『クラッシャージョウ』)とセイラさん(『機動戦士ガンダム』)であり、つまり後二者は安彦キャラであり、どう責任取ってくれるんだ!ありがとうございます!
 いまだに好きなプリキュア挙げろと言われたらピーチ(金髪)とフローラ(金髪)で悩む有様やからな……
 もちろんシャアとガルマのBLもあるよ。
 あとザビ家全員大活躍なのでザビ家ファンにはたまらない。
 マ・クベも超カッコイイ。ランバ・ラルは言うまでもない。
 でも、こんな風にジオン側が魅力的に描かれすぎると、今も
「あれはいいものだ」
「ザクとは違うのだよザクとは」
という言葉が流通してたかどうか疑わしい。
 だいたい名セリフというのは「この人ならばこう言うだろう」ではなく、唐突に何言ってんだこの人、みたいな方が印象に残るものです。

 まあ偉大な作品ですよファーストは。
 エポックなアニメと言えばその前に『ヤマト』その後に『エヴァ』がありますが、両者がその作品世界から離れられなかったのに比し、『ガンダム』は今もなお、多種多様な世界を創造し続けています。世界のガンダムが闘ったり。プラモで闘ったり。
 お台場に実物大が立った時、みんな拝みに行きましたでしょう?
 僕も行きました。
 なかなかね、そういうことを起こせる作品て、無いです。
posted by 犀角 at 00:00|