2017年09月21日

小豆島旅行 1日め


 小豆島に行ってきました。

 事の発端は毎回楽しみにしているTV番組、通称『ベニシアさん』すなわちNHK『猫のしっぽカエルの手』の新作で、小豆島がフィーチャー。
http://www4.nhk.or.jp/venetia/x/2017-09-10/31/25366/2482243/
これを夫婦でお昼ごはんをいただきながら観てますと、「こまめ食堂」の棚田米定食が美味そうなのなんのって。景色ものんびり里山で。

「……行くか」
「行こう」

ということですぐ宿を取って連休の敬老の日と秋分の日に挟まれた平日に行ってきました。

 旅のお供は『るるぶ せとうち島旅』



 しかしこれが迷いを誘う。
「せっかくならしまなみ海道まで。鞆の浦・倉敷・尾道・道後温泉」
「いやこの直島・豊島のアート巡りも捨てがたい」
「もうめんどくさいから定宿・淡路島で」
etc。なんとか誘惑を振り切って初志貫徹、小豆島。

 朝は6時半起床7時出発、愛車RBオデッセイです。11年めの車検明けすこぶる快調、ロングツーリングでは2400もの環境破壊排気量VTECが火を噴いて楽なのなんのって。

 目指すは岡山・日生(ひなせ)港、大阪から西行は阪神高速の手もありますが(こちらの方が景色はいい・ただし渋滞が頻発)無難に中国道>山陽道。あの宝塚のあたりってなんであんなにいつまでも混んでるんでしょうね。どうにかならんのですか。

 事前にSAグルメで当たりをつけておいた三木SAで朝食。
 ロッテリアのポテトとサンドイッチ、それにスタバのラテとカフェモカ。
 なんでや!
 渋滞で思ったより時間食って余裕15分ぐらいだったので……

 あとは日生まで一直線です。赤穂ICから下道少し。
 瀬戸内観光汽船、10:05発。
http://setouchi-kankokisen.co.jp/
0DSC02601.jpg
 小豆島へ本州から渡るには東から神戸・姫路・日生・新岡山・宇野とあって、どうも一番マイナーな航路だった模様。
 でもおかげでのんびりした船旅65分。

 瀬戸内航路はいい。
 波が穏やかであまり揺れないし、島影が変化するので観てて飽きない。どこかしらに陸地が見えるので安心感もある。
 もちろん船内でうどんも食べられる。

 小豆島上陸は大部(おおべ)港。
 あとで知ったのですが、小豆島は北側(本州側)はわりと静かで、南側(四国側)の方が賑わっています。ですので「島へ来たな!」という印象が強いのは北側。

 海沿いの道を走ると、すぐ「大坂城残石記念公園」という小さな公園があります。大坂城を建てる時に石垣用に各地から巨石が切り出されたそうですが、小豆島も重要な産地。(石材産業は伝統だそうです)
 なんらかの理由で置き去りにされた石を「残念石」というとか。こちらは熊本・細川家の担当、護煕さんもお越しになった写真があります。大名もたいへんですね、400年からのおつきあい……
 海が見えて、昔の石の切り出し作業の道具なども展示されており、小粒ながらなかなかおもしろいところです。

 さらに海沿いから山道へ入り、勾配を登っていきますとキッカケの地、「こまめ食堂」がある。
http://www.dreamisland.cc/cafe/komame-cafe.html
0DSC02611.jpg

 ある、のですが混んでる(笑)
 そりゃまあ「るるぶ」でもトップで紹介されるお店だしNHKの破壊力は日本の津々浦々まで……近くの元・小学校の校庭が臨時駐車場に開放されているので、そちらに停めてお昼ごはん。
 建物がまず昭和レトロで、内装も小学校の机椅子などを使い……は、いいですね、ごはんの話。
 もちろん「棚田のおにぎり定食」。
0DSC02613.jpg

 おにぎり2個、おかずは日替わりで、この日は舌平目のフライ+エビと野菜のかき揚げが主。小鉢は大根膾、なすとパプリカなどの煮物、汁はふし麺(そうめんの棒に掛けるU字になった部分、最近流行り)のお味噌汁。デザートにイチゴソース入りヨーグルト。
 それらに小豆島特産のお醤油(ヤマロクの「鶴醤」)とポン酢(やまひら醤油の「柚子ぽんず」)を掛けていただきます。

 美味いのなんの。

 コメがとにかくヤケクソに美味い。都会で食うスター品種、ゆめぴりかとかミルキークイーンみたいな派手な旨さではなくて、なんといいますかスッスッと食堂へ胃へ流れ込んでいくツルツルつやつやした感じ。使い古された表現ですが、コメは飲み物。
 なにがいいんでしょうねえ、水ですかねえ。
 このへんのお水は「湯船の銘水」という銘水百選にも選ばれたもので、おもわずお冷だけ何杯もおかわりしてしまうほど。
 そこへもってきてテラス席からの棚田の眺望もよし。空気よし、青空よし、バスから降りる地元中学生のクラシック・セーラー服もよし。
 これだけでも来た甲斐があった。
 しかし、そうめんもオリーブ牛バーガーも食べてみたかった。マフィンなども売ってて買いたかった。しかし、お腹は一杯すぎる。
 また行きたい。
0IMG_2391.jpg

 少し歩いて駐車場に戻ると、近くのeKワゴンのお姉さま方がコラムシフトが動かないようで四苦八苦されている。コラムシフトとスティック式サイドブレーキなら任せとけ、初代CR-Vオーナーの熟練の技をお見せしよう、と颯爽とわたし登場、
「どうなされましたお嬢様方」
 もうわたしもいい年ですのでいつまでも17歳気分で「お姉さま方」などと問いかけると往復ビンタ(体罰とはギリギリ言えない)を食いかねません。
 いや、ハンドルロック(ハンドルを変にこじるとシフトレバーが動かせなくなることがある)かなー、と思ったのですが、普通に軽くカタカタカタと動きます。どうもレンタカーで、お嬢様方、コラムシフト(型ATセレクトレバー)の動かし方、「手前に引いて下へおろす」をちゃんとレクチャーされてないらしい。

 わたしコラムシフトわりと好きで、というよりMTのシフトレバーと違ってATのシフトレバーって特に(ブレーキの性能が上がりパドルなど他の手段もある)現代ではPとD以外の意味は無い、つまり二択なのでそれこそ押しボタンでもよく、あんな大仰なシフトレバーが狭いコクピット周りのあんないい位置にズドーンと突っ立ってるのはおかしい、と思うのですが、こういう件を目の当たりにすると「いや古典的なATレバーがベターなのかな」と思ったりもします。

 ともあれ次に向かうは「エンジェルロード」。
0IMG_2394.jpg

 干潮時に道が現れ、そこをふたりで手を繋いで渡ると幸せになれるとか結ばれるとかなんとかかんとか……わたしらもう要らんといえば要らんのですが、まあ幸せになるというのなら損はなし。
 着くと、まだ潮引ききってなくて渡れやしない。
 時刻は日によって違いますので、どうしても渡りたい方はwebでチェックを。
http://www.town.tonosho.kagawa.jp/kanko/
 一応その近くの「約束の岡展望台」も登ってみました。
 桂由美先生の寄贈された鐘があったので、コーンと一発。
 そして他人様の奉納された絵馬を冷やかす悪趣味。
 だいたい女子が書いているのですが、なかには切実な男子も。
 内容はちょっと書けない。
 もちろん絵馬ならばいい、というものでもなくヘタすると通報案件かもしれない。
 南無阿弥陀仏。
 すべての恋人たちに幸あれ。

 駐車場に戻ると、ここものすごく停めやすい駐車スペースにも関わらず黄色いミラが車庫入れに四苦八苦。
 やはりというか「わ」ナンバー。
 あとで知ったのですが島では「ホテルがレンタカーを貸す」パターンが多いようで、本来そのつもり無かったけど来てから借りた、というペーパードライバーの方も多いようです。交通量もそんなに無いし、イケる!と思われるのでしょう。現地の軽トラとかものんびり走ってるので、ここは郷に入り、でゆっくり走る。

 さて小豆島といえばオリーブ、オリーブと言えば

「『オリーブ公園』と『オリーブ園』がある。どっち行こう」
「むう」

 実はすぐ近くに並んでいるので両方行けます。
 オリーブ園は日本最古のオリーブ栽培園から発展したもので、基本売店とレストラン。
http://www.1st-olive.com/guide/index.html
 オリーブ公園は道の駅で、売店はもちろん温泉やカフェ、フォトジェニックな風車から宿泊施設まである大型施設。
http://www.olive-pk.jp/
 どちらもおしゃれで、見て回るとおもしろいですよ。
 お土産でお醤油を3本3種3メーカー買いました。あとオリーブ石鹸とか、オリーブ青汁とか。
 オリーブオイルは?
 実は純粋な小豆島100%というとめちゃめちゃ高いんです。100mlで3000円とかする。で、一般的な275mlの2000円以内ぐらいに収めるために、スペイン産ギリシャ産なんかとブレンドしてあるのが主流。
 それだったらなぁ……
 ということで、今回は買いませんでした。もう季節が秋へ向かうので、生野菜にいい掛けオリーブオイル、というのも機会が減るし……

 さあ移動、と思ったら駐車場で右往左往する黄色いクルマ……
 あのミラだ。
 がんばってください。

 そのまま近くの「Dutch Cafe Cupid & Cotton」(ダッチカフェキューピッドアンドコットン)
http://shodoshima.or.jp/?p=563
へ行きたかったのですがあいにくの定休日。なかなか細道を上がっていくので、ちょっと困惑するかもしれません。

 オリーブの次はそうめん。
 ベニシアさんも美味しそうに食べていた!
 そこではないのですが、どこのガイドでもオススメの小豆島手延べそうめん「作兵衛」さん。
http://sakube.co.jp/
イートインもありますが私たちはお土産で。ちょうどお土産にいいかんじのラインナップなんです。スタンダードとオリーブ入りのセットだったり、ふし麺とセットだったり。
 お店の人も親切で、楽しく買いまくりました。

 徐々に陽も落ちてきますがまだ行きます。
 お次は「マルキン醤油記念館」。
http://moritakk.com/know_enjoy/shoyukan/
0IMG_2404.jpg

このあたりはお醤油メーカーが軒を連ねるその名も「醤ロード」。
 ひときわ大きく黒い構えがカッコイイこちら、駐車場を降りますとお醤油のこうばしい香りがふんわり漂ってきます。
 売店ではこれでもかと種類のある各種お醤油が試食付きで選べ、しょうゆソフトクリームも大人気。(ウチは食べ過ぎでスルー)
 さっき買ったのにまたお醤油買っちゃった。
 そして記念館を一巡り。ここでも昔のお醤油づくりの模様を識ることができます。
 外には昭和天皇が皇太子の頃、また香淳皇后が姫殿下だった頃にこちらにお越しになった記念碑がズドーンと建っています。
 もちろん現役の工場でもありますから、ヘッドキャップにツナギ姿の従業員の方が忙しく働きまわっているのもまた悦ばしからずや。

 さてもうひと踏ん張りすればさらにその先にある「二十四の瞳映画村」にも足を伸ばせた時間でしたが、奥さんなどはそもそも『二十四の瞳』に思い入れがない。

「ヒロミ・Go!の『ジャパーン』の元ネタやで」
「知らんなあ」

 わたしは田中裕子版は観たことがありますが高峰秀子版は未見です。いま調べるとあの『七人の侍』を差し置いてキネマ旬報年間1位をもぎ取ったそうで、いつか観てみたい。
 でもこれも調べて知ったんですが、原作では舞台を小豆島だとは明言してないそうです。ただし壺井栄先生のご出身はここ。
 やっぱり行っといた方がよかったかなあ。

 きょうのお宿はその近く、「ベイリゾートホテル小豆島」。
http://bayresort-shodoshima.jp/
もちろん全室オーシャンビュー、最上階にガラス張り展望大浴場&露天風呂。
 瀬戸内に沈む夕陽が本当に美しい。
 この眺望だけで大満足。
0DSC02623.jpg

 夕食は料理長おすすめの島厳選素材13品和懐石、朝はバイキングつき、一泊二食ツイン大人2人で31320円。
 昨今のこのクラスらしく削れるところは削っていますが(たとえばタオルは部屋から持っていく、ロビーの珈琲はセルフ、など)、部屋・施設とも整備は行き届いており土産物コーナーも充実。女子風呂ではシャンプー・バーにドライヤーが全機ナノケアつき、風呂上がり待合にはアイスキャンディーのプレゼント、と「がんばってる感」が好印象。

 料理も美味しかったです。本格的すぎてサーブに時間が掛かり、2時間ぐらい掛かったのはご愛嬌。
 味付けは、「こまめ食堂」から思ってたのですがちょいと甘みがある。お醤油でもなにかのタレでも、トロッとして甘い。そもそも「香川県」なので当然といえば当然なのですが、お隣の淡路島がモロに関西でダシ文化が強いのと好対照です。
0DSC02632.jpg

 そうそう、企画してて知ったのですが、淡路島−小豆島の航路というのは無いんです。本州か四国に一度渡らないと行けない。確かに生活用としては意味合いが薄そうで観光専用ではペイしないのかもしれませんが、この2島かなりキャラが違うので、遠方からなら1泊ずつとかぜんぜんアリだと思います。

 ご当地ドリンク、「空海ビール」と「オリーブハイボール」もなかなかでした。

 ちょっとレストランで冷えたから、と二度目の風呂を浴びた奥さんが帰ってきて、

「身体の芯までめっちゃあったまる!」
「そりゃそうだよ温泉だから」
「わたし温泉にこんな効能があるとは知らなかった!」
「……」

 ただ大きいお風呂だと思っていたそうです。
 マジか。

「効能はお湯ごとに違うよ。病気平癒から美人の湯まで、だから温泉マニアは日本中の温泉を巡ってだな」
「行こう! 温泉!」
「いま来てる」

 わずかにピリッとしますが、そんなにキツくなく入りよいお風呂です。オリーブ入りのシャンプーやボディソープも完備で、お肌スベスベ。

 さて明日。
 さまざまなルートを比較検討の結果、高松へ渡ってうどん食べて淡路島に渡って寿司食べて橋渡って帰ろう、と粗計画。
 わたしの旅には珍しく動き回ったので(これでも)、アンド運転疲れも出てバタンQです。

 そういえば夜半にも波の音はあまり聞こえませんでした。
 瀬戸内はおだやかですねえ。
posted by 犀角 at 23:42| 日記