2014年07月17日

イベント「漢方今昔物語」生薬国産化のキーテクノロジー (大阪大学総合学術博物館 第7回特別展)


http://eventguide.hellodoctor.jp/e1835.html
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/seminar/2014/04/6004

 漢方の世界も進んでます。


 体調を崩した祖母がせん妄状態に陥って手が付けられなくなった時、病院の先生が「これ使ってみますか」と処方してくださったのがツムラの『抑肝散』という漢方でした。
 これが効くのなんの。
 手足振り回して絶叫してた人が5分経たないうちにすやすや眠りました。
 あまりの効き目に母と
「これ僕らも飲もか」
と顔を見合わせたぐらいです。あるタイプの認知症にも効くようです。

 漢方・生薬といってももちろん魔術的な力でもオカルトでもなく、化学的分析をすると「あこれだわたぶん」という既知の薬効成分が入ってたり入ってなかったりするわけで、ハマればちゃんと効きます。
 だからもちろん逆に「漢方だから効き目が優しい」という先入観もあぶない。
 以前中医の呉澤森先生の御本を読んで感銘を受けたのですが
http://rakken.sblo.jp/article/77684751.html
 中医学のキモは「証」つまりその人がどこがどう滞っているのかを見極める能力であり、落語のように「風邪だから葛根湯」というわけにはいかない、ここが難しいところです。

「漢」方と言いますが徳川8代吉宗が薬代で金銀が流出するのに頭を痛め、「国産化だ!」と意気込んでこの森野旧薬園を立ち上げたそうで、あの人えらいですねえ、ホントに。
 インチキ高血圧薬でノバルティスにゴブゴブ1兆ほどお金吸い取られた我々ボンクラ子孫見たら、どう思われることやら。
 完全に余談ですがTPPの狙いは米や肉や軽自動車なんかじゃねッスよ。それ全部めくらまし。本丸は知財権。動くお金の桁が何桁も違います。

 ご先祖様たちの奮闘のおかげで、今やある種の生薬では国産品の方が本家中国や韓国よりも優秀だったりして、でもお馴染みの後継者難や「薬事法のせいで薬価が決まってるからコストが合わない」という地獄のような愚かさ加減で生産がなかなか思うにまかせない。もういい生薬できたら中国・香港の富裕層に売ろか、とかそんな話が出るぐらい。(向こうの方は贈答品にしたりするので、洋酒・煙草同様、薬も「高価なほどいい」という市場があるそうです)
 情けないというかなんというか。
 そんな悪条件下でも農家や製薬会社と連携してよりよいものを生み出そうと奮闘する数少ない日本の生薬関係者……というような展示でした。
 森野家秘伝書「松山本草」の写真(現物は本当に門外不出らしいです)をiPadでたっぷり観られますので、植物好きの方にも。
 牧野富太郎先生の超巧い自筆スケッチもたんと観られますよ。

 といっても19日までなんですけども……

 この博物館には阪大がマスコットキャラとして売り出し中の「マチカネワニ」の実物!化石も展示してあります。
 迫力ありますよー。
 昔居たんです、ワニが。日本にも。
 この個体は40万年前のものだそうですが、中国ではほぼ同じ種が歴史時代まで生きていたそうで、ということは日本でも同様に4000年ぐらい前まで居たかもしれない。
 豊玉姫命伝説や『因幡の白兎』で「ワニ」という言葉が出てきて我々は「サメのことだ」と習うわけですが、実は本当にワニだったかも、しれませんよー。

 阪大(豊中)は梅田から30分で辿り着きますので、意外に近いです。博物館併設のカフェ坂で一服もできますよ。
posted by 犀角 at 01:55| 日記