2015年04月15日

読書記録(4月前半)


4月前半の記録です。
ようやくあったかくなってきた……かな?

●CD「Yours」藤村麻紀



 まきをちゃんの新作だよー。
 今回は何から何まで自分でやったそうです。CDのプレスまで(嘘
 ストレスな一日が終わったら、大きめの音でこれを掛けて癒やされて。

 ジャケットは「もう一歩で小林幸子コース」な危険な香りを漂わせていますが、中身はたいへんな乙女ですのでジャズ・ヴォーカルがお好きな方はもちろんのこと、女性ヴォーカル好き・ポップス好きにもおすすめです。
 特にライヴは彼女のざっくばらんなキャラクターでいつも大盛り上がり。いやこれ提灯ではなくホントに。日本中飛び回ってるのでお近くにも出現するかも(ライヴ・スケジュールはこちらで↓

http://www.maki.tv/index.html


●本「世界史の極意」佐藤優



「アナロジーで観ること」「新帝国主義」「民族」「宗教」の基本を根本のところから詳説。
 めっちゃおもしろいんですけど、ただちょっと理屈の部分は部分部分でそこに当てはまる理論を切り貼りした感じになってて、僕は消化不良でした。そこも「へーこんな理屈あるんだ」的な読み方をしてればおもしろいというか、役立つんですが。

 佐藤さんの議論はwebなんかでもたまに拝読するのですが、この癖はずっとあって、みんなが「ああ!」と納得できるような理論が一本ピューッと通るわけでも、下記遠藤先生の分析のようにファクトをゴリゴリ「これはこうこれはこう」と整理して見通しが良くなるわけでもなく、「たくさんの知識と情報を手に入れてますますわからない」という感じがします。
 外交とか歴史てのはそういうものだ、といえば全くそのとおりなのでしょうが、やっぱり「なるほど」てのがすくなくとも書籍読む時には欲しいかな、と思いました。


●本「日米〈核〉同盟 ―原爆、核の傘、フクシマ」太田昌克



 矢部宏治さんの御本で↓
http://rakken.sblo.jp/article/106057277.html
「核の話は要するにアメリカとの話」
というのを学んだのですが、その詳細が明らかに。いわゆる「核密約」が中心ですが、さすがの調査力です。

 わかっていないのか、わかっててわからないふりをしてるのか、はわからないのですが、誰も「密約するな」と言ってるわけではなくて、何十年後かに全てがオープンにならないと後の人間が検証できない、ので残せ、と言ってるわけでですね。
 それとも歴史に耐え難そうな決定しかできないぐらいの自信しか無いんでしょうか。だったら政治家とか官僚とか辞めるべきだと思いますよ、そこで腹くくるから、つまり「歴史に汚名残すかもしれないけどここはこうだと信ずる」と行動する覚悟を持つから、その覚悟に対していいお金貰える仕事なのであって……


●本「香港バリケード ─若者はなぜ立ち上がったのか」著 遠藤誉 共著 深尾葉子,安冨歩



 中国関係の動きはとにかく遠藤先生の解説聞かないと始まらない。内部の深慮遠謀と権謀術数が複雑に絡みすぎてて……中国人ほんと政治好きねぇ。
 雨傘革命が変質して崩壊してく様子が、政治側の企みと、現地で参加していた(あるいは見ていた)人、トップ&ボトム両方向から描かれています。
 我々が日曜のドブに捨てている普通選挙権がいかに大切なものか。

 上述のように政治劇の面もありますので、そっち方面お好きな方にも。


●ムック「小屋の力」ワールドフォトプレス



「ちっちゃい空間」が流行り気味ですので、そっち方面を期待して覗きましたら若干違って、マジ「小屋マニア」向けでした(笑)
 すごいの、日本中の道端に立って朽ちかけてる小屋の写真が乱舞する。お好きな人にはたまらない、のかな。
「小空間とはなんぞや」のアプローチも無いわけじゃないのでそういう方にも。

 小屋いいですね、僕も小さい頃は当時商売してましたもんですから家にいっぱい大きなダンボールがありまして、それで小空間を作っては潜り込んでました。
 ネコか。

 余談。01年の本ですが「いかにもワールドフォトプレス」な何から何まで過剰気味のレイアウトや構成で、時代は変わるというかこういう書物の居場所はだいぶ無くなった(webに剥ぎ取られた)なあ、という感じです。


●本「京都・大阪・神戸の喫茶店」川口葉子



 名店の歴史・マスター・そして珈琲を繊細に丁寧に描き出す。
 三都の珈琲好きなら知ってる(行った)お店も多かろうと思いますが、もちろんそうでないお店も多々ありましょうから、この御本で「喫茶店」に対する情熱をまた高めていただければ。
 サードウェーブもいいですが。

 変わらない伝統と、微妙に変えて世の中にフィットしていく伝統と、新しく伝統になろうとする者や引き継ごうとする者と。


●本「馬の世界史」本村凌二



 馬が(多くの)人にとって身近なものでなくなったのはつい最近で、それまでは犬にも劣らぬ「仲間」でした。
 先日機会あって物心ついてから初めてお馬さんの背に乗ってカポカポ引き歩いてもらったのですが、たいへんいい気分でした。そりゃ信長も天下を狙いテムジンもユーラシアを駆けようというもの。

 馬と人との関わりが世界史の上に点描されますので、歴史好きにも。


●アニメ「ユリ熊嵐」#1〜#12(完)監督:幾原邦彦



http://www.yurikuma.jp/

 かなりおもしろかったです。
 ご存知かもしれませんが僕こういう「ガッチリ組み上げ」タイプの作品があんまり好きではないのですが、ここまでされると「はいすいません」と頭を垂れるのみ。
 監督を中心とした少数のメインスタッフが手の届く範囲でしっかり作ってる感じは、好きです。ちょっと『痕』を思い出した。

「どのような読み方もできる」
というのが傑作のバロメータですが、これもそう。読む人によって当たるフォーカス、それによってその人のフォーカスが丸裸になる感じがして語るのが恥ずかしい。
 締め方なんてぐうの音も出ないほど悲劇でありハッピーエンドであり。これどっちで観るかが「そのひと」ですよ。

 ま僕は普通に愛の物語として読みました。
 どんな障害をも気にせず、そして「自分が変わる」(≠犠牲にする)ことによってそれは成立し、そこにあり続ける。
 あたりまえ過ぎる真実ですが、だからこそ人はそれをすぐ・いつも忘れます。

 機会があればぜひ。1クール分ですし。ただ一週間ごとに「ああ次どうなるんだ」が味わいのひとつだった気もしますので、わざわざレンタル屋へ行ったりするのがいいかもしれませんね。


●画集「高橋 晃 東映アニメーションプリキュアワークス」



 プリキュアのお義母さんのお一人、Su/DD担当の高橋さんです。
 ちなみに僕と同い年('71)

 華やかで等身の高い「美しい」デザインが両作品ともとてもマッチしていました。先日のオールスター映画でも、おそらく過去のプリキュアを知らない小さな女の子たちがメロディやリズム(書影の上2人)に心惹かれてたご様子なので、普遍性があるんでしょうね。
 僕もビートは歴代で一、二を争うカッコイイデザインだと思います。

 2回もやった方に「また」っていうと新しい上手の登板を阻害せんかと思って難しいところですが、また観たいものです。

posted by 犀角 at 23:30|