2016年08月29日

本「話すだけで書ける究極の文章法 人工知能が助けてくれる!」野口悠紀雄




 我らが「超」野口先生が、「話すだけで何でも書ける」とおっしゃるので、僕も試してみました。

 驚く&期待はずれなネタは何もなく、タイトル通り、スマホ等の音声入力を使って文章を書く、ことについて詳述した本です。

 7章立て補論2、と盛りだくさんなのですが、主役の「音声入力で文章を書く」ということそのものについてのパートは実はそんなにありません。それ以外は、アイディアの出し方ですとか、「見える化」ですとか、スケジュールの取り方ですとか、あるいは人工知能のお話など。音声入力を手段として使う実践例、という感じ。
 ですから、純粋に音声入力による文章作成のノウハウが知りたいと思われる方にとっては、ちょっと冗長に思われる書物かもしれません。
 逆に言うと、そういう最近の知的生産に関わるトピックが少しずつではありますが一覧できるので、お得かも?

 このブログを見ておられるような方でしたら、スマホについている音声認識システム、使ってみたことがある方がほとんどだと思います。で、その結果、ミスが多くてこれじゃぁなかなか、手でボタン押したり入力したりする方が早いなぁ……と思われたのではないでしょうか。
 ここが逆説的なのですが、長文作成という重いタスクだからこそ、そうしたミスが発生してその修正にコストが掛かっても、キー叩くよりはトータルコストとして楽、という考え方なんですね。
 普通「簡単なことから音声でやらせよう」と思うわけですが、(現在の技術水準における)実態は逆、「文脈を明示されている方がAIは理解しやすい」という点を突いたわけです。さすが野口先生、目の付け所が「超」。

 もちろん、僕も早速やってみました。
 もうお忘れかもしれませんがぼかぁその昔作文屋だった男、キーボード叩いて文章書くのはお手の物というか仕事、毎日毎日来る日も来る日も叩きに叩いて幾星霜、もはやキーボードが体の一部となっており、毎晩一緒に寝ているぐらいです。
 まさかキー入力より簡単になるはずは……と思いきや、意外にイケました。ちょっと練習してコツを掴むと、そこそこ実用になりそうです。
 もうすっかり慣れてるつもりでしたが、キーを叩いて入力、というのはわりと高コストな作業なんですねえ。
 そうだそういやキー入力に慣れようとした大学生の頃、大変だったわ。
 また、キーボードを叩くのとは全く違う「頭のどこか」を使っている感じがします。これ一本というよりも併用したりするとおもしろいかも。
 また今度、長編とまではいかないまでも、短編の、エッセイよりも小説を音声入力で書いてみたいかな、と思いました。独白のところとか、漫才的掛け合いのところとか。

 と、入力してて「ああ」と気付いたのですが、普通の人は「文章をたくさん入力する」ということがあまりないですね。だから「音声入力で文章を作成するのが超楽ちん」ではアピールが弱いので、「音声入力で文章を作成すると、こんなに素晴らしい」という本書の構成になった、ようです。
 いささか目的と手段が逆転気味な気もせんでもないですが、それはそれで楽しいからよろしかろう。

 本書にもいくつか紹介はされてますが、音声メモのいいアプリ欲しいですね。役物(句読点やかぎかっこなど)は音声で入れるよりキーで入れる方がリズムが出そうです。

 ちなみに、もちろんのことですがこのエントリは音声入力したものを後ほどキーボードでいじくりまわして入力したものです。どうでしょう、テイスト普段と違います? 同じ?

「意外とイケる」が感想です。
 本書にもありますが、まっちろなところに一から書くより、粗々でも下書きがあってそれを修正していく方が、「書く」ことへの心理的障壁が段違いに低い。
 今度また何か書いてみます。

posted by ながたさん at 08:15|