2016年09月11日
本「鬼谷子」高橋健太郎
副題が
「100%安全圏から、自分より強い者を言葉で動かす技術」。
口先三寸で大物を動かして世界を変える。
「ネットで炎上」な今こそ必要な技術?
諸子百家の一。いまはマイナーですが、この術を学んだ縦横家(蘇秦、張儀)は『史記』にも出てくるそうです。
討論術というよりは説得術、あるいは会話術。
ポイント箇条書きしますと、
・「話す」と「黙る」は同じ力を持つ。
・働きかけ(反)とフィードバック(復)で物事の動きを捉える。会話は反復。
・見えないところで十分に準備して(観察・課題策定・策略・決定)
動かす瞬間に表に出て
すぐ去る。
・危険からは逃げる。潮目を観る。
・動かせる相手を動かす。
本心を把握できない人からは去る。
・動かし方は……
共感と同調
相手の本心を引き出す
いろんな「つながり」で説得
心のツボを押す
・自分に軸がないと相手のことはわからない。
・「説く」とは助けること。
・心が静まればやることは見えてくる。
・集中したほうが勝つ。相手の気を散らせ。
と、ひとつひとつはなるほどと思い、また普段、無意識にやってることだったりします。
でもまとめて見ると、自分の中に「ああそういうのは弱いな」という点もたくさん見いだせるわけで、それがこういう書のいいところ。
誠心誠意相手のことを思ってまっとうなことを言っても、伝わらない時は伝わりません。
「アホは死ね」で済む場合なら放置して去ればいいのですが、対象がだいじな人だったりだいじな事だったりすると、そうも言ってられない。
むしろ普段から篤実・正直で鳴らしてる人ほど、企みを用いた時の破壊力は大きいわけで、知識として頭の片隅に置いておきたいもんです。
それでもダメなときはダメなんですけども、まあそれは運命。
新国立競技場問題に続いて豊洲新市場問題にも鋭く斬り込む建築エコノミスト・森山高至さんのtwitterで知りました。実践されてます。
posted by ながた at 10:43| 本