2016年10月04日

本「ここまで変わった日本史教科書」高橋英樹・三谷芳幸・村瀬信一




「あの肖像画は頼朝かどうか怪しいらしい」
とか

「いま北条早雲って言わないらしいよ」
などなど、「日本史がすごい勢いで書き換わっている」と風の噂に聞くわけですが、「そういうのまとめてくれてる本無いかなあ」と思ってたら、出てました。
 教科書検定に携わるお三方が(もちろんちゃんとした学者さんでもある)、教科書記述の変遷を示すことで日本史研究の進展を紹介。もちろん古代から現代まで網羅です。

 僕ら80年代後半に日本史を習ったきりの人間にとっては、発掘調査の進展著しい(神の手事件などもありましたが)古代史もですが、中世史が相当印象が変わってます。鎌倉→室町の幕府政権、「武士の世の中」と教わったものですが、いまは武家、公家、寺社の権力が鼎立していて、おたがいに適当に調整しつつ世の中が進んでいたそうです。
 近世でも「士農工商」とか「鎖国」というおなじみの言葉も、実はいま僕らがイメージしているような使われ方ではなかった、とか。江戸幕府の三改革、覚えましたけど重要度低下してるとか。逆に田沼意次や徳川家斉が再評価されている。
 確かに、商品経済・貨幣経済が急拡大している時期に逆に農本主義・米本位制に戻すようなコンセプトだったり、お金に困ってるからって緊縮財政一辺倒、はいまの目で見ればあからさまに間違いですからねえ。
 まあ経済政策ばかりは「やってみんとわからん」もんなんで(浜口・井上の金解禁とか)、やる前の議論も大切なんですが、やる時に「どうなったらどう動くか」有り体に言えば撤退ラインと追撃ラインを決めとなかいといけませんね。それは余談。

 惜しむらくはもともと新聞連載だそうで、「もうちょっと詳しい話が知りたい」というところで各単元終わってしまって食い足りない。それでも「へー ほー」言いながら楽しく読みました。
 同じこと考えてる人多いらしくてジュンク堂書店大阪で平積み、いまAmazonみたら欠品中。すぐ重版かかるんじゃないでしょうか。

posted by ながたさん at 02:14|