2016年11月01日

10/31


 鼻風邪だ。ひさかたぶりに垂れ流し。


●ちょっとした記念日だったので
https://www.letao.jp/
 共に季節限定、「アップルクランブルベイクドチーズ 余市産りんご」と「安納芋モンブラン」をお取り寄せ。
 まずはりんごの方をいただきましたが、安定のうまさ。
 しあわせです。

●所用で西田辺の方へ行ったのですが
地下鉄駅の南東側がえらい寂れててちょいと哀しかった。
 諸行無常。
 ニトリさんが来てまた一部が田辺ビルに帰ってきたら、多少一杯飲み屋も復活するのかな。

●本「職業としての小説家」村上春樹



 表紙の60代中盤とはとても思えぬマッチョな写真を見てご想像のとおり(撮影はアラーキー)、超人ハルキが言いたい放題やりたい放題で作家生活35年、積年の鬱憤を晴らしまくる痛快コメディ。
 ぼくが読んだ中では村上春樹の最高傑作です。

 ──ノーベル賞今年ももらえませんでしたね

「芥川賞の候補に2回なって2回落ちたんやけどおかげさまで変な冠つかずにせいせいしてる。別に賞なんざ貰うても貰わんでもどっちでもええねんけど、マスコミが騒ぐのがウザい特にNHK」

 ──オリジナリティ

「ワシ自分の文体作るのに一回わざわざ英語で書いてみてそこから訳してみたりしたんやで。君、自分の文体、真面目に創ってるか?」

 ──小説書くのって神様が降りてくるんでしょうね

「ううん。5時起きで午前中に10枚書くの。これ一月コツコツ続けたら300枚、1本」

 ──じゃ簡単なんですか

「それをその後100回ぐらい書き直す。嫁はんの意見聞いて1ヶ月寝かしたりしながら100回ぐらい書き直す」

 ──海外では大物エージェントと組んで巧く売りましたね

「あんな。『ニューヨーカー』に掲載してもらうところ、そのエージェント探すところ、そのために拠点をNYに構えるところ、ぜんぶ自分でやったんやで。グダグダ言うてんと君もやりぃな」

 ──国内ではマスコミ嫌いで通してるのに外国行くと講演とか出やがるダブスタ野郎だ、という批判がありますが

「国外で他に誰が『日本の作家』としてそんなことに応えられんのん。ホンマしゃーないからワシが年1ぐらいでやったってんねんで。海外でもちゃんと『出てこない作家』扱いやわい」

 ──物語とは

「文学者とか評論家とか全部なんにもわかってない。わかってくれてたのは河合隼雄先生ぐらい」

 ……とまあこんな感じ、の内容を、こうではない書き方、つまりいつものあの文体で、綿棒で小麦粉の塊を延ばすように書いてある。ゲラゲラ笑いながら読みました。読み終えて上述の表紙を見直すと
「ほんとは殴ってもいいんだけどね、YAH YAH YAH」
て感じ。

 まあさあ、世界戦戦えてるのは現役ではこの人ぐらいなんだから、もうちょいリスペクトしていいと思いますね確かに。
 機序がわかんないとか理屈がわかんないとか置いといて、「効いてるクスリ」だってことは確かなので。

 それはともかく、ファンなら普段彼がどれだけ抑制して、かつ、できたものを捏ね回すことで棘を練り込んでいるか(抜いているわけではない、のがミソ)、が肌で体感できるのでマスト・リード。私みたいなニュートラル/ノンポリにとっては、ダルビッシュが大谷翔平にごはんの食べ方やメジャー生活のリズムを教えてるのを間近で見るような、ドキドキ。
 文筆系はもちろんですが創作一般に触れているあるいは触れようとする方ならば、読んで損なし。

 わたしこの系の「プロが自分の仕事に対してどのように取り組んでいるか」を書いた文章大好物なので、そのプロのジャンル問わずたくさん読みましたが、さすが、というか当然、というか、いっちばんおもしろかったし、参考に(できるかどうかは別にして)したい、と思わせるものでした。

posted by ながたさん at 17:20| 雑記