2016年12月01日

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 また鼻がズルズルして……


 寝てるところに空清機置きました。
 やれやれ。

●本「ぼくのおじさん」北杜夫



 北先生らしい「ぐうたらキャラ」の描写が、いまこそヤケにリアル。
 というより、やっと時代が北先生に追いついたと言うべきか、いや、ああいう人昔から居たんだけど、そういう人を「居ないこと」あるいは「見なかったこと」としてやり過ごしてきた日本人が、「そういう人も居るよね」と認めざるを得なくなってきた、というべきか。
 それは絶対数あるいは割合が多くなってきた、ということの裏返しでもあるでしょうから、喜んでばかりはいられないかとも思うのですが、なにごとでも隠蔽されてるよりはマシかなあ、とも思います。

 ぼくもほんの一歩間違えて、弟が先に結婚してお嫁さんがウチに来てたりして息子娘つまり甥姪ができてればまさしくこう、だったと思うと、なんだか笑うより前に鏡を見せられているような、ちょっと恥ずかしい感じでした。

 映画ではこれを松田龍平さんみたいなイケメンにやらせるのがまたイヤラシイですな(笑)
 商業主義最高。

●トヨタ、豊田章男社長が「EV事業企画室」統括に就任など新役員人事
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1032560.html

 これはビッグニュースっすよ。
 端的に言えば「燃料電池車諦めた」ってことですから大事です。
 も最初からスジが悪い話やなあ、と思ってたんですよ水素みたいな扱いづらいもん流通させようなんざ。
 唯一のヒキが「水素はタダでなんぼでも出る(工業の副産物として)」という点なんですけど、「ほならその場にFCスタック積んで発電して売電するなり自家消費するなりすりゃええやんか」と。それより引き取ってもらった方がなんぼかまし、っていうんだったらそれは利用価値無いもんでしょう。
 水素は天然ガスにも半分混ぜて燃やせるらしいんですが、カロリーが半減するそうで、つまりタダだったとすると「コスト50%で出力75%」。それでも割に合わない(装置の方が高いのかな)んだったらそもそも利用価値無いんでしょうよ。
 で水素ステーション1基2億でしょう? 2000万の古いタンク交換代が出なくて都市部ですらスタンドがバッコンバッコン閉まってるご時世にそれ誰が負担すんですか。
 じゃあ、ってんで天然ガスから改質して水素作る、とか言い出したらもう本末転倒もいいとこ、なにをやってるのか全く意味がわからない。
 ガソリン/軽油の値段はご存知のように政治的なもので、地政学的な話で始終変わるし──OPECの減産が久しぶりに決まりましたが、あんなもんトランプさんが就任してシェールをガスガスやりだしたら吹っ飛びますよただでさえ中東諸国困ってんのに──そも半分が税金なんで、最悪税金を下げると値段は下がる。
 ほんでこれ毎回言ってますがたぶんエネルギーってこれから余りはじめるので、ますますその新規インフラをまるごと整えて、というのはスジが悪い。リニアの採算性の悪さと似てます。
 客は増えへんでしょう。だったら「まるごと新規投資」っていうのはどう考えても無理よね。

 それでもFCVになぜトヨタ(とホンダ)がご執心かといえば、純粋なEVだと電池屋に主導権とられそうという恐怖心じゃないかと思うんです、極端に言えば電池とモーターを繋げばEVってのは走るんで。
 FCスタックを内製すればそれは避けられる。
 でもまあテスラが狂ったように売れてむしろ電池の生産が追っつかない、とか、ディーゼルで味噌つけたVW帝国がダイエットのリバウンドのように電動化に舵を切ったりとか、周囲の状況を見てると「そんな悠長なこと言ってられない」という焦りが上記の恐怖心を上回ったんじゃないですかね。
 あるいはプリウスも4代目まで来て、HV(というかTHS)の限界も見えてきた。もうこれ以上は内燃機関噛ませるのは無理だ。
 電池確保するだけでもたいへんですよ、あのパナが必死で投資してアップアップ、という感じなので、良質な電池を大量に確保するの、これからものすご大変。
 か、あるいは社内でこっそりやってた研究で電池系でなにかブレイクスルーみたいなの見つけてて、それをブチ込んでくるか、かな? アイシンの人も入ってるのがくさいですねえ。
 トヨタがお金ぶっこんでる豊田工業大学ってめちゃくちゃ頑張ってるんですよ。論文の数とかでも日本で何位とかですよ、地方国公立大なんか比較にならない。
 しかも豊島さんて現行プリウスの人ですから、まあ開発のエース格。電気も知ってるし新プラットフォームもよくわかってる。社長直轄でその人を突っ込む、ということは本気も本気、ド本気です。

「水素循環社会」みたいなファンタジーは国の方も乗り気だったので、そこからポイと極めて重要なパーツである自動車(メーカー)が降りるのはたいへんだと思うのですが、モリゾウさんの偉いところは、こういう決定をポンとしてパッと方向転換できるところ。東京五輪のなんとかかんとかからスッと降りたように。
 こういうの見てると経営者は、世襲が悪いんじゃなくて本当に能力、特に決断力だけの問題だなあ、と思ったりもします。ジェフ・ベゾス、ラリー・ペイジ、イーロン・マスク、そしてティム・クック……と「そちら側」を出すまでもなく、ご存知ゴーンさん(ルノー日産アライアンス)やマルキオンネ(フィアットクライスラー)もほとんど独裁者ですしね。強力なリーダーシップで引っ張る、というか風向きが変わった時に「それ!」と言わないと、この「昨日と今日で状況が逆」という時代は、乗り切れないんだろうと思います。

 トヨタのEV期待しましょう。

posted by ながたさん at 18:05| 雑記