2017年09月11日

すべてのポイントカードを法律で禁止しろ


というtweetが回ってきて、「おお同志」とばかりに反射的にRTしました。
 まさにここに日本経済が立ち直らない理由が垣間見れます。
 それは大学の文系学部の軽視。

 ポイントカードの(発行者における)メリットは、通貨発行益です。
 通貨というのは、原価20数円の1万円札を1万円で流通させることによって、9900円以上の差益を発行者が得るシステムです。発行者がお国の場合はこれを国家運営に使うわけですね。
 ポイントも通貨と同じで、「1000ポイントプレゼント!」を原価なしで実施できる。もちろん使用されると損が出ますが、もし自社の売るものなら1000円ではなく原価分しか損をしない。この差が美味しいわけです。
 それが最大かつ唯一のメリットで、あとの囲い込み効果とか再来店効果とかはただの気のせい。それは直近同業のライバルが同じポイントシステムを導入した瞬間、意味がなくなることでおわかりいただけましょう。

 というようなことは、まともな大学の経済学部に入ると、1年生で習う基礎です。貨幣論とか、マーケティング系の講座で。

 だからヨドバシカメラみたいな家電量販店が10%ポイントをやる、のは店・客Win-Winなのです。店は現金値引きをしなくていい(薄利多売が基本の小売で10%もだ!)=現金フローが楽になるし、客は昔なら怪しいバッタ屋、今なら聞いたこともないネットショップ、から買わなくても(実質)安値で手に入る。
 ところが、その出したポイントを他所のお店で使われたらどうでしょう。そこのお店からポイントを現金に替えてくれ、と請求が来ます。満額現金で出します。
 あれ? 差(通貨発行益)が発生しない?
 もちろん第三者の発行したポイントシステムに参加するのも原理的には同じことです。
 これなんの意味もない。

 ポイントカードのデメリットはいちいちあげんでええでしょう、
・コスト増
・レジオペレーションの効率悪化
の二つぐらいで十分ですね。

 CCCの増田さん(T)や楽天の三木谷さん(R)がどういう口車をマニ車のように回してるのかわかりませんが、こんなもの上述のような経済学部出が一人居れば
「社長、それウチにはメリットなんもないですよ」
と解説して終わりだと思うんですが。
 実際、遅まきながらT推しだったドトールが自社チャージカード推しに鞍替えしたり、ファミマがTから離脱するという噂もありますね。
 ようやく気づいたか、というか、えっ、御社にはまともな経済学部出がひとりもいらっしゃらないんですか、というか、そういう社員を虐げていらっしゃる?というか、つまり会社全体でそういう人材を
「どうせ遊んで暮らして一夜漬けで単位獲ったような連中だろう」
と侮っていらっしゃったんではないですか。
 いやあまり否定はしませんけど、それと能力とは別の話。
「実益のある実学がうんぬんかんぬん」
などと言いますが、大学で経済学をちゃんとやってりゃMBA持ってなくてもTOEICが900点無くても今をときめくIT企業でのインターン経験が無くても、知ってる(はずの)話です。
 それが日本の小売揃いも揃って誰も得しない地獄道を突き進み、虚空に金を手間を時間を浪費し続けている現状を見るにつけ、つまり、
「まともな文系の学生がまったく足りてない」イーコール
「まともな文系高等教育が足りてない」
という結論に至りましょう? 違います?

 また、経済活動で儲かる(搾取できる)のは「関所」を握る者だけで((c)安冨歩)、このシステムは露骨に発行者が関所です。ですから自分の領地に関所を作れば自分にリターンが還ってきますが(これとて通行が煩雑になるのでよく損益を見極めてやる必要がある)、他人に関所を握られてはどこをどうやっても儲かりません。

 レジオペレーションは煩雑に非効率にコスト高になり、バイト・パートは複雑なポイント制度に混乱し、客は毎回「ポイントカードはお餅ですか?」と聞かれ辟易し、持つ者持たざる者の差別を見せつけられて気分を害する。
 とにかく「やらなくていいこと」ばっかり必死でやって、「やるべきこと」は基本放置。
 人間のリソース有限ですからね?(これも声を大にして言いたい)やらんでええことやってたら、やらなあかんことできんようになるんです。ポイントカードに投入する金が人が労力が時間があったら、ぜんぶ本業のイノベーションに突っ込め。
 バブル以降の日本経済を象徴する存在だと思います。ポイントカード。
posted by ながたさん at 02:27| 雑記