2017年09月22日

小豆島旅行 2日め


 さて朝。といえば風呂。
 ざんぶと入るとここはもうパラダイス。
 爽やかな風に心地よく吹かれながらの露天風呂。
 たまりませんなあ。

 朝食バイキングでは「おにぎり握ります」おばさんがおられたのですが、小豆島名物「ひしお丼」などご飯っ気は足りており人気がなくて手持ち無沙汰のご様子。あとパンが弱い。しょうがないかも。しょうゆの島ダシ。
 とはいっても味は良く、二人でもりもりいただきました。

 9時すぎにチェックアウトして一路、草壁港へ。10分ほど。
「……あれ? 船が無いぞ?」
 港が全体的にのんびりしている。
 確認すると出港時間間違えてて、9時発でした。
 しかし慌てず騒がず『るるぶ』をひっくり返して池田港から9:50が出ると知る。フルスロットルをくれると猛然と40km/hでダッシュするぼくらのオデッセイ……前のおっちゃんがそのぐらいのスピードで……
 しかし大きくない島なので、余裕で間に合うタイミングで乗り場に辿り着き、切符を買う。ターミナルの賑わいが本州側とぜんぜん違う。特に印象的なのはトラックなどの生活・業務関連車両の多いこと。
 船は国際フェリー。
http://www.kokusai-ferry.co.jp/
0IMG_2407.jpg

 小豆島は四国文化圏でした。岡山より高松。

 という感じで高松ゆきジャスト1時間。
 2日めはあいにく曇りから小雨。
 しかし水蒸気に煙る瀬戸内もまた日本的。
 太平洋戦争前、つまり空路が極めて特別な時代は、海路外国から日本に帰ってきた人々は一様にこの「煙る海」に「ああわが故郷」と郷愁を感じたそうです。

 さて、高松は都会。
「四国一の大都会」の気概横溢、訪れたことある地方都市では岐阜とか山口とかよりだんぜん都会。
 それって要はどんだけ「エエカッコするか」なので、気合さえあれば他特段何も要りません。人間気合がだいじ。
 まあ都会だからっていいことは特に無いんですけども。
 特に都会から来た者にとっては……

 まずは栗林公園へ。
https://www.my-kagawa.jp/ritsuringarden

 わたしも若きみぎりには地理歴史研究部などという(要はブラタモリ部です)偉そうな部活に所属していた不良部員の割には(これ偽悪的にカッコつけてるんじゃなくてホントに不良だったの。詳細は上山全自動先生に聞いてください)チリに疎く、「サ・サコンビ?」とか言い出す始末で、とどのつまりは初耳だったんですけど、なぜこんなに知名度が低いのか、というぐらい、なかなか素敵な庭園でした。
 僕が行ったところでは、兼六園(金沢)や後楽園(岡山)よりもスケールが大きいと思います。
 ちょっと整いすぎてるからかな?
 ヴェルサイユ宮殿の庭って、ものすごい手入れされてピシーッと造り込まれてるんですけど、「すごい」と思うのですがあんまり心に染み入る感動みたいなのは少ないんです。
 ちょっとそんな感じもした。
 だからむしろ外国人観光客向けかもしれない。
 と言うまでもなく、ミシュラン・ガイドで3つ星貰ってるそうです。
 庭園好みが無い方でもうどん腹こなしに最適、高松行くならここはおすすめ。

 庭内には古典的な茶屋式おみやげ&軽食売店もあるのですが、(もちろんそういうところの方が懐かしい昭和的観光旅行気分が満喫できます)こちらにはその名も「Garden Cafe RITSURIN」というオサレカフェがあり、そちらでお茶いただきました。
0IMG_2421.jpg

 ドリングもスイーツもなかなかしっかりしてて、こういうところによくある「カッコだけ」店舗とは一線を画す。プリンと心太をいただきました。
 各施設の詳細は上記栗林公園のwebをご覧あれ。
 ちなみに北口と東口があるのですが、見回り易いのは東口だと思います。クルマもしくはレンタサイクルなどで行かれる際はそちらからアプローチされるとよし。わたしら北口から行ったもので割と歩きました。まあそれほど致命的な差でもないですが。

 さてうどんか、と思ったのですが、『るるぶ』眺めてた奥方が「ここへ行こう」というのが「まちのシューレ963」というお店。
http://www.schule.jp/
「暮らしをテーマにしたショップ」
とのことで、女子はこういう雑貨&こだわり食品のお店好きですなあ。
 こんなとこまで来てそういう大阪はもちろん神戸にも京都にもありそうなお店に行かんでも……

「せやけどここの人はオシャレやで。
 オシャレは気合いやで。
 きっとええ店に違いない」

 奥方は元美術部、わりとこういう勘は鋭めなので(ご承知の通り僕はもちろん鈍めで、いやむしろスカ引いた方が話のネタになるとワクワクする方です)
 ということでなんとか高松市内をくるくる回って駐車場を見つけねじ込み、ちょっと歩いて目抜き通りらしきアーケードの一角にあるそのお店に。

 おっ。いいじゃないですか。

 カフェ、食品、衣服、小物、特設展示スペース、がこじんまりながらまとまって楽しめるようになっており、それもしっかりハイセンス。都会によくあるチェーン系の、まあたとえばMUJIとかだ、ああいう既製品と違ってちゃんと担当の方が知恵と工夫でひとつひとつ、という感覚が伝わってくるのが好ましい。

 小豆島から思ってるんですけど、やっぱり田舎でなんかこういうことをする、となると結局自分(たち)でやらざるをえないので、必然的にそのひとの「手の感じ」が出て、それが顔となり体温となり空気となり、居心地を良くしますね。
 なんぼ小綺麗でも誰か遠くのプロがやった賃仕事のハコで、バイトの子がPOS打ってたらそれだけでつまりトポロジカルに言えばローソンとまったく一緒ですからね。
 いやローソンが悪いわけじゃなくてコンビニはその方がいいわけなんですけど、それをセレクトショップでやらかすのは本来異常。都会の人は麻痺しちゃっててわかんなくなってますけど。

 また売ってるものもどれも魅力的。
 もちろんここ(らへん)にしか無い。
 いりこ買ったり(これが手で頭とワタとって炙ってあってとても美味い)、ジャム買ったり。もちろんどれも瀬戸内製だ。

 意外なお店を楽しんでるともう2時、ということで遂にうどん。
 せっかく来たからには、とスマホ睨んでいろんなお店を検討したのですが、ここはクルマでのリーチの良さを取ってオーソドックスに「うどん本陣 山田家」。
http://www.yamada-ya.com/
0IMG_2428.jpg

『水曜どうでしょう』ファンの方なら四国八十八ヶ所巡り、もう最後高松に来てあと飛行機の時間が云々言ってるのに行くの行かないのと悩む、あのお店です。一般的に舌が肥え果ててて滅多によその地で「うまい」と言わない北海道人・大泉洋さんの「うまい!」が聞けるお店。
 緑いっぱいのお庭を観ながらお座敷で。
 わたしが釜ぶっかけとざるぶっかけの冷温ぶっかけコンビ、奥方が肉うどんに阿波尾鶏とハモ天。
0IMG_1066.jpg

 うまい。

 今年の夏、我が家ではぶっかけうどんをよく作りました。乾麺が腰がいいのがあるんですよ最近は。それを茹でて、これまた最近種類の豊富なぶっかけつゆを掛け、トッピングはゆで卵、わかめ、キムチ、みょうが、ごま、大葉、もちろんネギに生姜をお好みで。何杯食べたかわからないぐらい食べてるのですが、

「なにが違うんだろう」
「ぜんぶ違うんだろう」

 粉、水、製法、ぜんぶ違うと思う。
 しっかり腰があるけど別に固くは無く、他所の地方で「讃岐うどん」を名乗ってる大抵のアレはウソ。
『ブラタモリ』の香川の回で本場の讃岐うどんを食べたタモさんが、彼は福岡出身なので我々大阪人同様、「うどんはやわらかいもの」という意識でいわゆる「讃岐うどん」には懐疑的だったのに、「あれ? うまい」と。
 讃岐人もっと怒ったほうがいいよ。ブランドを毀損している。シャンパンみたいに讃岐製以外は讃岐うどんと名乗れないようにした方がいい。

 こんだけうまけりゃ一日何軒も巡る「うどんツアー」を企画する気持ちもよくわかる。もちろんお土産にかけ・かまセット4食分を買う。

 さてあとは向かうは淡路島。
 この旅はずっとiPhoneの「Yahoo!カーナビ」にナビを任せています。
 ドライブ旅行でスマホナビのメリットと言えば、クルマから持ち出して次の目的地を決めて検索、クルマに帰って即スタート、という利便性。車載ナビだと毎回検索し直してから、ですからね。
 もちろん時折自車位置間違えたりするのが懐かしいのですが(いまの車載ナビはクルマからデータ貰うのでまずそれは起きない)、それもたまにですし、なにより地図が最新なのが心強い。Yahoo!の場合はメジャーチェーンの駐車場の満・空もわかるので、これも非常に便利です。
 そして今は期間限定・きせかえボイスでアイドルマスターシンデレラガールズの3人が交互にしゃべってくれたりもするよ。
 走ってる時は基本的に凛ちゃんなので(声が落ち着いてるからかな)しぶりんファンはぜひ。

 さてナビの言うこと聞いてますと割と変な方向へけっこう細い道走らされたので、ちょっとドキドキしたのですが方向音痴二段のわたしがナビ様に楯突くなど100年早い、いつの間にか高松道に乗って快走・快走・また快走。小雨の水しぶきをワイパーで跳ね除けつつ突き進んでいきます。
 あっという間に大鳴門橋を渡り、淡路島を縦断して目的地は心のふるさと・淡路ハイウェイオアシス……
http://www.awajishimahighwayoasis.com/

 ここまでクルマ的にはオール順調、珍しくルートミスも無く走ってきたのですがここでミス。それも大ミス。
 出口スルー。
 次の出口は明石海峡大橋渡って垂水。

「ああああああああああ……」

 車内に虚しく木霊するわたし(方向音痴二段)の絶叫。
 いやちょっと言い訳さしてもらいますと、「淡路ハイウェイオアシス」と「淡路SA(サービスエリア)」は別物なんです。場所も別で、徒歩だと15分ぐらい掛かります。(ちなみに山あり谷ありでおもしろいコースなので昼間なら歩いてみられるのも楽しいかも。夜は怖いです)
 で、正解から言うと一旦「淡路SA」へのランプへ入って、淡路SAの駐車場の端っこの方をくるっと回って、「ハイウェイオアシス淡路」への誘導路を走る、という段取りなんです。
 それを、「淡路SA」用と「ハイウェイオアシス淡路」用、別のランプがあるもんだとばっかり(なぜか)思い込んでて、それで「淡路SA」ランプをスルーしてしまいました。
 ほんで橋渡って垂水。

 もう神戸で夕食食べるか、とも思いましたが、せっかくの旅だし、ということで、垂水で降りて、ぐるーっと回って、も一回乗って、も一回明石海峡大橋渡って、淡路ハイウェイオアシスに辿り着きました。
 ホントはこの場合(乗り過ごし)、係員さんの居るブースで事情を説明すると料金を精算してくれたりするそうなのですが、説明がめんどくさそうなのと気持ちと時間の余裕がなくそのまま走りました。ご参考まで。

 気を取り直して(ヤケクソになって)お土産いろいろ。
 完熟タマネギを筆頭にタマネギスープにタマネギドレッシング、玉ねぎラーメン、島レモン、炙り蒲鉾、牛乳スティックケーキ、約5000円。
 諸々通販で買えます。我が家もよく利用します。
「島と暮らす」
http://www.shima-life.jp/

 でもちょっとお腹まだいっぱいだねー、ということでしょうゆソフトと普通のソフトだけお腹に放り込んで、帰路につきました。
 凝りたので帰りはナビ(の凛ちゃん)の声に素直に耳を傾けます。
 時間的に、阪神高速も中国道も真っ赤に渋滞。
 でも最近のナビの渋滞対応リルートは凄いですね。
 こんどもまた橋渡ったら「すぐ降りろ」って言うんです。えーっ、こんなところから下道大丈夫ッスか、と思ったら、ちょちょいと走ると山麓バイパスがある。あー、そうか、と乗るとぴゅーと布引。あとは上からちょっと走ってR2へ、ちょっと走ってR43へ、とジグザグに降りてって海沿いいつの間にか弁天町。
 ノー高速で少し重複高速代取り戻せました。
 ナビ様ありがとう。
 もちろん空いてさえいれば、阪神高速ずーっと走れば1hで家のドアですが。都市高速は渋滞が敵。

 夕食家でなにか食べるのも面倒だし、さすがにちょっとは腹も減ったし、で辿り着いたのは近所の、よく行くロイヤルホスト。
 サンドイッチとトンカツ御膳。
 若干変な締めではありますが、まあ無事帰ってくることができました。

 丸2日ほったらかしたメッちゃん(猫)は今回はさほどブスッとしておらず一安心。前回夏コミの時は2泊3日だったもんで帰ってからしばらくムスッとしたままでした。

 翌日お土産を並べて見るとこんな感じ。これ自家消費用で、母用と義父母用と鍼の先生用の抜きです。食い物ばかりよー買いました。
0DSC02638.jpg

 以上です。
 美味いもの、いい景色、温泉に名勝、そしてなにより、のんびり。
 せとうちよいとこ、一度はおいで。

 わたしら夫婦、結婚してからこれが初めての宿泊旅で、つまりこれが新婚旅行か、と笑いました。
posted by 犀角 at 00:00| 日記