2018年06月23日

デュアルリスニング・イヤホン「STH40DJP」SONY




 イヤホンでありつつも周囲の音が聞こえる「Xperia Ear Duo」(もちろんSONY)の簡易・有線版。そちらのスタパ齋藤さんのレビュー↓
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/stapa/1121511.html



 ウチでBGM聞いて作業してますと、スピーカーで聞くと真っ昼間からプリキュアの曲がエンドレスでいつまでも流れてるファニーハウスになり、イヤホンで聞くと嫁さんが駆け込んできて叫ぶ「ハルカスで北海道展やで!」が聞こえません。
 これなら音漏れもしない上に外の音もちゃんと聞こえるそうで、いいな、と思ったのですが3万円。高い。
 と、思ってたら、有線版が7000円前後で出る、というので人柱。

 肝心の「デュアルリスニング」はいいかんじです。
 楽しめる音量で音楽聞いてても呼びかけが十分わかりますし、逆にちょっと大きめの音量にすれば、環境音は以外に音楽の邪魔しません。考えてみればスピーカーで聞いてる時だってそうですよね。
 使ってみれば「あ、なるほど〜」という感じです。

 ただし、まず迷うのが、「いつ・どこで使うか」です。

 前提として僕は普段「AirPods」(Apple)を使ってて無線独立型に慣れ切ってしまっており、もう有線には戻れない身体であることを再確認。(その話↓)
http://rakken.sblo.jp/article/178176249.html
 しかも耳への装着が、耳たぶを引っ張ってくびれに通す、みたいな、ヘッドホンはもちろん、普通のカナル型イヤホンよりもちょっとひと手間。なので据え置きの音源に挿して使うのも若干使いづらい。(装着してしまえば装着感はなかなかいいです。耳の穴塞がないっていうのは快適なんですね)
 では、ということでスマホに挿すと(最近イヤホンジャック無い機種も増えてますが、挿せたとして)結局離席するときにはスマホの方を電源から抜き差ししたりせねばならず(だいたい無線充電持ちでもないかぎり)それも面倒。
 いちばんいいのは往年のiPod nanoのような小さなポータブル音源に挿し、耳にも入れっぱなし、だと思うのですが……そうすると一日中そんな姿か?
 やっぱり時代は基本無線ですねえ。

 ということで、ピンポイントで「ここで使うと良さそう」というイメージが湧かない方にはおすすめしずらいかなあ。
 たとえば長時間の電車通勤・通学があって、でも今までは外で耳塞ぐのが怖くてイヤホンを使えなかった方、とか。
 あとはお若い方ならオナニー用(笑)
 艷やかな音声を堪能しようとイヤホン・ヘッドホン掛けてますと、おかんの襲来にビクビクますでしょう?
 これなら大丈夫。階段上がってくる足音が聞こえます。
 部屋に鍵かけなさいよ。

 ま、シーンはご自身でお考えください。
 この商品のキモは「音は集中して聞くもの」というイヤホン・ヘッドホンの常識いや先入観に真っ向から異を唱えたコペ転(コペルニクス的転回)っぷりであり、そういう場合、人間の想像力の方が追いつかないものです。
 むしろ今までイヤホンを使ってなかった人の方が、いい使いみちを思いつくかもしれませんね。

 音質は意外に良いですよ、言うてもSONYの5000円オーバーなので、安物のBluetoothイヤホンなど歯牙にもかけない。
 下は出ませんが中音はクリアーで、まあ「鑑賞」に耐えるかと言われれば厳しいですが、BGM用途としては十分です。
 耳のリングのハマり心地は人によると思います。僕3サイズともパッとしないので、形がフィットしてないっぽいです。

 多少強引かもしれませんが、「デュアルリスニング」がやりたいだけならこの形状じゃなくても、普通の形で耳に突っ込むことにして、どこかにマイクつけて環境音拾って本来の出力に混ぜて出力すればいいだけですよね。というかノイズキャンセリング系って今でもそういう演算を散々やってるはずなので、技術的には簡単ではないかな。原理上どうしても遅延出ますが、おそらく今の技術ならごく僅かだろうし。

 ともあれおもしろい商品です。
 無線型が安くなれば、一大勢力を築きそうな気もします。
posted by 犀角 at 14:05| ガジェット