2018年09月21日

鍋炊飯



 最近、ずっとお鍋でお米炊いてるんです。

 というと「出た!意識高い炊事!」と回れ右されそうですが、さにあらず。いやホントに、いろいろやってみると、
「……鍋炊飯の方がええんちゃうかな」
ぐらいの感じで。

 これ何度もお伝えしてますが、僕がおすすめする「買うべきもの」(家電など)の見分け方は、
「買った人が帰ってこないもの」
つまり一度使い始めるとそれが壊れたらまた買っちゃうもの。それは「持続可能性が成立している」すなわち「生活が変わった」ものであり、遅かれ早かれその変化した生活に誰しもが巻き込まれるので、それなら逆にできるだけ早く食いついて、その便益を享受した方がいい。
 最近の一番わかりやすい例はスマホ。

 同様に、鍋炊飯行った人はだいたい炊飯器に帰ってこない。それはトータルで「……こっちのほうがいいな」と思うからです。メリットはいろいろあるのですが、

・米の味の差がわかりにくい
「それメリットか!?」というツッコミが飛びそうですが、つまり高価な米でなくても十分美味い。
 確かに差はわかるんですけど、炊飯器で炊いた時みたいに「ゆめぴりかかミルキークイーンじゃなきゃヤダー」みたいなことにはならないんです。
 これは単に想像ですが、最近の人気品種って炊飯器で炊いた時にインパクトある味に設計されてるんじゃないですかね。だから炊飯器で炊くと違いが開く。
 逆に鍋で炊くと、そこまで差が開かない。

・実は炊飯器って時間喰う
 ウチのマシンの場合1hぐらいで炊いてくれるのですが、ということは「1h前までには」炊飯作業を始める必要がある。
 たとえば7時に夕食なら、6時には洗米してセット。
 ということは、6時には「あーご飯作らなきゃ」という気分になる。
 これが鍋炊飯なら15分あればできるので、たとえばメインの料理が20分ぐらいで作れそうなら、6時40分ごろ「ご飯つくろ」と思えばいい。
 これ地味に大きいんです。
 みんな炊飯器の「撃ちっぱなし性能」にばかり目を奪われて便利便利と思ってますけど、時間はむしろ食ってる。
(この先冷蔵ユニットかなんか組んであって、前日夜にセットすればOK、みたいな炊飯器が出てくれば話は違いますけども)

・炊飯器動いてる時、レンジやオーブントースターを使いづらい
 これはお家によりますが、古い家や小さめのマンション・アパートですと炊飯器が爆走してる時、電気喰っててブレーカー落ちが怖いので、レンジみたいな大物は使いづらい。
 これ鍋で炊けば、レンジ・トースター使い放題です。

・実は炊飯器って洗うの大変
 最近はパーツも減りましたが、それでもウチので内釜、内蓋2枚の3パーツを丁寧に水洗う必要があります。
 あと乾かす時も嵩張るんですよね炊飯器のパーツって。
 鍋なら、確かにこびりつきもしますがそれは所詮米なので、水張って一晩置けば綺麗に取れます。
 楽ちん。

 などなど。
 どのぐらい気軽かというと、鍋炊飯なら朝昼晩3回炊けと言われれば炊けるぐらい。炊飯器でそれしろって言われるとイヤでしょう?
 思うに、鍋炊飯は一応「技能の発揮」なので、やりがいがあるんです。
 炊飯器炊飯は「単純作業」なので、ただの苦行。
 この差が大きい。

 ダイソンの掃除機の一番のイノベーションは、サイクロン・システムでも高性能モーターでも色華やかなデザインでもなく、
「ゴミが見える」
あのクリアビンではないかと思います(もちろんそれは紙パック型ではできないのですが)。あれがあるから、掃除という労働に多少やりがいが出てくる。で、ダイソンの掃除機も好きになる。

 もちろん得意不得意はあって、家庭のガスの火力だと鍋では3合ぐらいまでが適切な量なので、それ以上を一発で炊かないと間に合わない大家族な方とか、食べ盛り男子高校生体育会系が3人とか、あと炊き込みご飯とか、そういう場合は炊飯器。
 僕も冷凍保存用のを5合まとめ炊きするときは、炊飯器先生にお出ましいただきます。適材適所。

 はいさて、その方法ですが、流儀はいろいろあるので、ググってください(笑)
 僕は「柾式炊飯」です。
 以前ご本人(真崎庸さん @doroyoimasaki)に直接講義を受けまして↓
http://rakken.sblo.jp/article/101791854.html

いただきました、あのツルツヤすべすべの逆アルデンテ、これが慣れればご家庭でも。詳しいやり方は御本人のFacebookで↓
https://www.facebook.com/masakigohan/posts/294972247328432

 ざっくりいまの僕のやり方をいいますと、

・事前に洗米して水に漬けて冷蔵庫へ。
 (2h以上。その状態で3日ぐらいは平気です)
・水を切った米100gあたり水120gで、鍋に入れる。
 2人なら米300g+水360gという感じ。
 (水加減は様々な要因で変わるので、お好きな具合を見つけてください)
・火全開。
・沸騰したら、かき混ぜる。
・ぶくぶく立ってた泡が、少し落ち着いて、水位が下がってきたら、蓋(できればガラス部分のある中の見えるもの)。
・鍋肌で焦げるチリチリパチパチという音が聞こえてきたら、水はほぼ無くなってて大きな泡が立ってる状態であることを確認して、最小の火へ。
・3分タイマーセット。
・3分後、中身を見てカニ穴からもう泡が立たないぐらい、表面の水分は十分飛んだぐらい、でできあがり。
・蓋開けて、ボウルやお櫃に取る。キッチンペーパーで蓋しておくと適度に湯気吸ってくれていいですよ。
・お米が張り付いてる鍋は、最小の火のまま20分ぐらい掛けておくと、おこげができて、パリッと剥がれてくれます。おこげは塩掛けて食べるととても美味。

 たいへんなようですが、意識使うのは3ヶ所、
 ・あ、沸騰したな、かき混ぜよ
 ・あ、泡下がってきた、蓋しよ
 ・あ、チリチリ言い始めた、火力最小
 の3ヶ所だけです。最後の蒸らしはタイマーなので。
 慣れれば他の料理や下ごしらえしながらでも余裕で炊けます。

 要は炊飯で怖いのは非常に食べにくい「芯が残る」状態で、それってフル浸水させてしまえばたぶんなかなか起きない。
 だから事前にマックスまで浸水させて、あとはもうゴチャゴチャ言わんでも多少タイミングや水量が変でも、炊けるのは炊けるし、ちょっと柔らかかったりちょっと固かったりしても、食べられます。
 真崎さんに、
「どうしてこのやり方が一般化しなかったんですか?」
と問えば、
「昔は冷蔵庫が無かったからですかね」
と。ガッツリ浸水させておく手段が無かったから、高度な技術や勘が必要だったのではないでしょうか。

 キャンプなどで飯盒で炊かれたこともあるかと思いますが、以上の原理を考えると自ら失敗しに行ってるようなものです。
 浸水の少ない米、温度ムラの出やすい縦に深い容器、温度調節の困難な焚き火などの火力、経過が見えない蓋、経験ゼロ・多くの人に取って追試ゼロの技術、を主に小さい子にさせる……
「米は炊飯器!」と思ってしまうのもむべなるかな。
 あれ止めた方がいいですね。

 真崎先生曰く熱の大小がすぐ反映されるので、土鍋やル・クルーゼみたいな保温性高い分厚い鍋より、ふつうの鍋の方がいいそうです。
 僕はあんまりいろんな鍋使ってないのでなんとも言えませんが、ふつうのステンレス鍋で美味しく炊けてます。
 ティファールのテフロン加工した片手鍋もあって、それでも美味しくできるのですが、おこげではなく硬めの塊みたいなものが全周にできてしまい、結局それは炊き主任である僕が食べなければならないので(もちろんちゃんと食べられます、おこわみたいな感じ)、時々。
 確かにテフロン加工物の方が、洗う手間は劇的に減ります。

 心理的ハードルが高いのは、僕もずっと炊飯器炊飯だったのでよーくわかります。
 でもやってみると、意外と簡単、というか、こっちのほうがいいや、という感じです。だから多くの人がするんです。毎日のことだから、やせ我慢やカッコつけでは続きません。
 いいですよ、鍋炊飯。


 おひつも安いです↓ こちらセラミック、木製より断然手入れが楽で、冷蔵>レンチンのコンボも使えます。なぜか別の容器で冷蔵するより全然美味しさがキープされます。なんででしょうね。
 なによりおひつからよそうと、なんか嬉しいですよね。



posted by ながたさん at 00:19| 雑記