2019年02月11日

本「データが語る日本財政の未来」 明石順平






 とてもわかりやすく全方位からまとまっているので、いまさら聞けない「何が危機なのか」を知るによいと思います。本当にマズい。本来はこんなことになる前にもうクラッシュしてる。

 要は収入に比して借金が大きすぎるわけですが、ではなぜ破綻してないか、というと理屈づけはいろいろできて、
「他の金融資産(特に通過)と比べて言うても安心」
「人類史上こんなに金が余り倒してる時期は無いので、行き場がない」
「資本主義がそもそも終わってるので今までの常識は通用しない」
 でも、古今東西、こんな感じで大きな借金を抱えた国や共同体・組織は、どこもが誰もが上のように何とかかんとか理屈を捏ねくり出しては
「だから大丈夫」
と言い続けて、でもまあまず予想通りクラッシュしてきた。
 バブルの時だって、
「日本は土地が狭いから不動産は絶対に下がらない」
という言説をみんな信じてたもん。もちろんそれも真実のひとつですが、ものには限度がある。

 おそらく日本も、たぶんハイパーインフレが起きて(あるいは起こして)、今までの借金をチャラにして(幸か不幸か国債の引き取り手はだいたい日本人だし)、多少は少子化・高齢化に耐えられる重税設計をしなおしてリスタート、という結末になるっぽい。近い解決を戦後インフレの時にやったそうです。

 その時、世の中でどんな摩擦が起きるか、は見当もつかない。でもそうは言っても生活というのは続くので、そこに貢献できて日銭や生活物資が貰える「なにか」をそれぞれが身につけていかないといけないのかなあ、という感想です。
 縦笛が上手で、人がいるところで吹くとおひねりが飛ぶとか。
 靴磨きがべらぼうに上手、とか。
 庭の柿の木の実で作った干し柿がすごいおいしい、とか。

 私の書物によく登場する田中支店長、いるでしょう。
 彼は現役バリバリの金融マン(与謝野馨の鞄持ちでパリへ行った男ですよ)だから聞いたんですよ「この国債どうなんの」って。

「たぶんインフレやろ」
「やっぱり……」

 ここからが男前。

「せやから俺は(現預金を)モノに換えといた」

 4000数百万の大阪市内の新築注文住宅、キャッシュ即金でお支払いですよ。
 カックイー。
 まそのように人や資産やライフステージによってディフェンス策は違うと思うのですが、
「お金の価値ゼロ」
という日が、明日いや今日来てもおかしくないので、めいめい研究されておくとよいと思います。
 あと、これからは社会福祉が頼りにならなそうなので、健康維持のために食物繊維取ってストレッチですかね。そして歯を磨く。

 首都圏で新築マンションがだいぶ買い手がつかないのと、あと年末に株がドボンと落ちたのと、米中貿易戦争などというやらんでええことやってるおかげで頼みの米国も中国も共倒れしてるのと、などなど考えると、ま今年中になにか起きても不思議ではない。

 もちろん、ただ凋落を続けていた関西経済が「インバウンド景気」などという神風によって突然誰も予想しない形で一息つけたように、経済というものは不規則遷移現象(俗に言うカオス)なので、なんか神風吹いて一気に解消されたりするかもしれない。
 あと滅ぶだけだったmixiがモンスト1個当ててクソ儲けたり、最近のお金の流れは振れ幅が尋常では無いので、なにか尋常ではない(けどちょっとした)ことで大復活したりするかもしれません。
 アテにはできませんけどね。

 労働問題に詳しい弁護士さんらしく、データと法律で何が問題かを丁寧に炙り出しており、経済の話苦手な方でも全然だいじょうぶ。中学生でも読めると思う。むしろ中学生が読んで、身の振り方を考えるよろし。
 おじさんから言えるのはごめんなさいぐらい。

posted by 犀角 at 00:00|