2019年02月27日
画集『私にも絵が描けた! コーチはTwitter』木内みどり
昨年安冨先生が選挙に出られた時に、わたし応援に行きまして、平塚市議・江口さんの運転手&アシスタントみたいなことをやっておりました。
http://rakken.sblo.jp/article/184061256.html
最後の小広場での演説へとクルマで向かっています時に、商店街の細い路地でビラを配っている木内さんにお会いしました。
TVなどで何度もお見かけした大女優がふつうにビラ配ってる姿に感動しました。
江口さんが声を掛けると満面の笑みで応えられて。
大所高所からメディア越しに何かを訴えることも、影響力ある人にとっては大切なことだと思うのですが、それもこれも身の回りの「little place」が良くなったり良くしたり、の上に立ってのことかなあ、とも思います。
そんな木内さんが、毎日絵を描いたその軌跡が淡々と綴られた画集です。
「鳥を描いて」と言われて描いたら4本足だった、娘に笑われた、そこから始まるストーリー。
しかし、そのひとつめの鳥の絵を見て奥さん(元美術部)が「うまいやん」と。すでに味がある。
めくって2日めの女の子の絵とか普通に巧いッス(笑)
やっぱり生来のセンスというのはあるし、隠せない。
幼い頃に「なんだそれは」と言われて「描かない」ことにしてずっと来られたそうですが、傷つくということはプライドがあるということで、つまりできるからこそ自負がある。
見守れば咲いてた芽を一言で摘んでしまう、言葉は怖いですね。
ムリに褒める必要も無いと思いますが、貶す必要はもっと無い。
十二分に「うまい」と思うし、毎回対象と真剣に向き合ってる分、(手癖で記号操作しているわけではない分)、どれも「いい絵」だと思うのですが、それでも御本人はイヤになったり迷ったり見失ったり、それを書き留めておられて、そこも含めて観ていると「なにかしよう」という気持ちが湧いてくる画集です。
キレイな絵をただ眺めているだけより、「これならわたしにも描ける!」と近くのボールペンを握りチラシ裏に向かう方が、100倍楽しい。
そういう、観るものの中の何かを揺さぶって、何かをさせようとするものこそ、芸術と言われるものだと思います。
それができる人を、大女優と言う。
posted by 犀角 at 00:00| 本