2019年03月06日

続きです。ジュネーブで気になった2台。


スバルとホンダ。

●スバル「VIZIVアドレナリン」
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1172994.html

 先程のCX-30ともガチ当たりするコンパクトSUV。同社フォレスターの一回り小さいの。
 カッコイイッス。
 フロントフェンダー周りの大胆な処理なんかいいですね。
 ただアウトドア方向へ振りすぎ感も無くはない。でも街中でG-SHOCK付けてダメって法もない。
 市場の反応が楽しみ。

 スバルは既にここにXVがあるのですが、あれは見た目通り「インプレッサ・リフトアップ」なので、いま主戦場となりつつあるこの市場で戦うタマとしては若干心もとない。旧来からのスバリストを乗せるにはいいんですけども。
 ということで、たぶんほぼ日本向けのレヴォーグを廃盤にしてこっちに統合かな? それでいいと思います。世界的にステーションワゴンがダメな上、当の日本でもSGPインプが出たらレガシィワゴン乗ってた人たちはみんなインプ買ってくれたみたいで(あるいは諦めてフォレスターか)レヴォーグがパッタリ止まったそうですから。
 あでも去年のジュネーブで「VIZIVツアラー」が出てるな……レヴォーグ(名前は変わるかも)まだやるんですかね? 確かにあのサイズのステーションワゴンは大変使いやすいんですが、ニッチやなー。この「アドレナリン」と反応見比べて決めるのかな。

 スバルはプラットフォームが1個、エンジンも基本1個。いまだとインプ、フォレ、レガシィのたった3車種なので(あBRZもあるか)、生産台数似てるマツダなんかと比べても車種は少ない。ボディデザインぐらい多少増えてもなんとかなるような気もするし、客が丸かぶりなのでカニバる気もせんでもない。あ、いや、こういうチャラいのはスバリストたちはあんま好きじゃないかな。
 だとするとイケるかもしれませんね。
 むしろ去年「ツアラー」を出したら非スバリストがピクリともしなかったから、慌ててこれでっち上げてきたのかもしれん。

 この段階からだとまだ2年ぐらい掛かりそうなので、その頃もうコンパクトSUV熱が冷めてる恐れもありますが、まあ楽しみです。カッコイイので。

●ホンダ「Honda e」
https://car.watch.impress.co.jp/docs/event_repo/geneva2019/1172906.html

 EV。
 ようやく。

 2019年春にWLTPで200kmかあ、とか(BMW・i3で250km、日産・リーフで320〜450km)、今年生産ならお値段は?日本円なら300は切るんでしょうね?とか(リーフ標準Xで366万)、このぐらいのさほど提案のないクルマに「ホンダをホンダにしたマスターピース」と言っていい初代シビックのモティーフ使うかねもったいない、SONY(旧ミノルタ)がAPS-Cミラーレスカメラで頑なに「7000」を使わないのは何故か考えたことありますか、とか、パッケージゆるくないか、後輪駆動でも既にルノー・トゥインゴが丸っこく可愛く成立させてるのに、自由度高いEVでこのダルな感じってどうなの、とか、ツッコミどころ満載なんですが、それでも。
 ホンダがようやくFCV(燃料電池車)の自家洗脳から抜け出そうな第一歩として評価したい。
 FCVは無いわ。
 まあホンダもアメリカが主戦場ですから、特に上級客ほどテスラに取られて現場から突き上げ喰らってんでしょうね。「御託はいいから、いまEVをよこせ!」みたいな。

 それでもそれでも、ホンダがEVを本格的にやりだして、ホンダディーラー網もチャージング・ポイントになると街の景色的にだいぶ変わると思いますよ。リーフがホンダDの店頭に停まって充電してたり、逆に日産のお店にこのベイマックスみたいなのが鎮座ましましてたりすると、なかなか楽しいです。
 トヨタグループ(ダイハツ・マツダ・スバル・スズキ)包囲網。
 さああとはトヨタさんの革新的EVを早く見てみたいですな。
 凄いよきっと。もう初代プリウスなんかの比じゃないイノベーションが起きて、世界中が腰を抜かす。それの主査は会長になるねきっと。

 ということで、これ単体で見ると正直「ぇー」て感じのクルマなんですが、「ホンダがやっと動いた」という事態の表現だと見ると、かなりインパクトの大きなことなのです。

●画面型インパネ
「ホンダe」のついでに。
 eのインパネはこんな感じで↓ディスプレイがずらっと並ぶのですが
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1169509.html
 わたしこれあんまり好きじゃない。

 メーターパネルからセンターぐらいまでディスプレイ貼り付けまくる、の最近のトレンドで、特にメルセデスやVWアウディが熱心なんですが、まずメーター側は

・速度計みたいな重要な情報が位置や見え方コロコロ変わってええんか
・アナログ/デジタル時計の比を見てもわかるように、クルマでも80年代からいろんなトライしてきた「デジパネ」がほとんど成立してないように、そもそも合理的意味がないんじゃないか
・エエカッコする、っていうんだったらスイス製機械時計とスマートウォッチを並べるまでもなく、物理的に針がくるくる回った方がはるかにカッコエエし、お高級に見えるんちゃうか

 センター側は

・そんないっぱい情報出してただでさえ散りがちな気がもっと散らんか
・そもそもそんな風に情報欲しい人は手持ちのスマホかタブレットを用意してないか、それを適切に置くスペースでも設けた方が実用的ではないか
・地図大きくみたいとか言うけど自動運転の方行ってるんだったら地図は見なくていい方向なんじゃ?

 とまあそんな感じ。
 わたし道頓堀のグリコの看板が全面ディスプレイになると聞いて思わず「ぇー」と呻いちゃったんですが、世はどんどん身体性、一品物、「そこにしかない」モノに価値がある、いやそういうモノにしか価値がない、という時代になってきてるのに、画面に絵出すんだったら何でもどこでもいつでも再現できるじゃないですかそんなもの。

 テスラ・モデル3みたいに
「ウチは基本運転からエアコン温度調節までオートですんで、お伝えすることも無いのでメーターとかありません。あでも映画とか観ていただくように画面は1枚あります」
というのなら(賛否は別にして)理屈はよくわかるんですけども。

 ウチの便三郎(メルセデスA180 2013y)を整備でヤナセに持っていくと、並んでるベンツの高級車の運転席前にはただただ黒い板が並んでて、「つまんねぇなぁ」というのが正直な感想です。
 リーフのインパネでさえ情報もっと整理できるだろうと思ってるんですが、「e」のはいったいこんなに並べて何を出すんだ、「Rマドリー 1-4 アヤックス」とかかな、と怯えます。

 まあただ時計がそうであるように、あるところまで行くと「画面でデジタル」の方がコスト圧倒的に安くなるので、コスト要件でこっちになるのかもしれません(すでに?)。
 この「e」はミラーがカメラ+画面になっているのですが、昨今の技術状況だとちっちゃいカメラや画面パネルはスマホのおかげで安くて性能がよく、ヘタしたらこっちの方が普通のミラーをモーター入れて畳んだり鏡面動かしたりするより安価なのかもしれません。さすがにそこまでではないか。
 雨天時に良さそうだし視線移動も多少小さくなるしAピラー周りの視界もよくなるし、このカメラミラーの類はすぐに普及しそうですね。

posted by 犀角 at 00:00| クルマ