2010年05月17日

シトロエンC3試乗

「そう私はフランス車とホンダ車にしか乗ったことのない男!」
「どんな偏屈だよ!」
ヘンクツとは失敬な。
ただちょっとアヴァンギャルデでアンファンテリブレなだけじゃん。

えー本国でももちろんフランスはドイツ・イタリア両自動車大国に
近いわけですから選び放題なわけですが、
国産で言うと
元国営ルノーに乗るのはお堅い人、
プジョーに乗るのがフツーの人、
シトロエンに乗るのは変人、
だそうです。
そんなシトロエンがジャポンに送り込む新しい刺客が
C3。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100506_365617.html

お値段下の方なら209万円は
まあなんとか普通の人でも手の届く、
フィット買おうと思ってて
「……まぁちょっとだけ贅沢すっか!」
と思えちゃうお値段です。
元ハイドロ乗りとしても
気になるクルマでして、
早速見に行ってきました場所はもちろん
エグザンティアでお世話になった
シトロエン大阪中央そうすなわちジロン自動車。
http://www.jiron-auto.co.jp/
ベースグレード(赤)が試乗車に、
エクスクルーシブ(黒)が展示車になってました。

いいですな!!
お金に余裕あったらおそらく即サイン。

まずサイズが絶妙です。
CセグとBセグの間というか、
国産勢で言うと
カローラ・フィールダーとヴィッツ、あるいは
アクセラとデミオの間の、
悪く言えばロングや4人乗りでちょっと辛い中途半端、
よく言えば経済性や都市部での使い勝手と
いざという時の積載力も併せ持つ
ベストサイズ。
昔で言えばターコル2(ターセル/コルサ/カローラ2)の
ポジションです。
生活パターン的にハマる人にはハマるサイズで、
ターコル2などモデル廃番になって長いですが
まだ乗ってる人たくさんいますからねぇ。
しかも新しさも感じるのは、
背が高くて(1530)
幅が広い(1730)。
後述のゼニスウィンドウと合わせて、
後席の「広さ感」は
このホイールベース(2465)/全長(3955)とは思えない
余裕です。
さすが空間効率は
名車2CV以来のシトロエンのこだわりどころ。
かつ大メーカーのベストセラーでは
こんなパッケージ怖くて組めません。
荷室も結構大きいです。
背の高さとホイールベースの短さが効いてて、
4人の荷物なら後席倒さなくても
全然いけますねと。
あ、もちろんですけど
前席はなんの問題も無し。

試乗させてもらいまして
まずインパクトあったのが乗り込んですぐ、
日本に入れる分には全車標準、
このモデルの売りでもあります
前席頭上まで大きく晴れ上がった
ゼニスウィンドウ。
明るい。
当日曇天だったのですが、
サンルーフ系では味わったことのない明るさで、
ていうか我が家には上空サプライズつきの
エアウェイブがありますが、
(運転席にいる分には)
それ以上です。
これ外で乗り込んだらこれだけで
ノックアウトされる人いると思う。
後席に乗ってましても
前の見晴らしがいい分、
開放感がずいぶんあるそうです。
信号が見えるらしいですね。

あと静か!
密閉性が高いというかボディ剛性が高いのか
クラスというかサイズから
想像つかないほど
エンジン初めメカ系騒音も
ロードノイズ・風切り音的な車外騒音も、
聞こえてきません。
最近のクルマはこの辺凄いですね。

走りだすともうこれは、
あたりまえですけど、
まごうことなきシトロエン。
「……あぁ……」
なんて微笑んでため息漏らしちゃいました。
ハイドロでもなく
エンジンもミッションも時代もサイズも
違うのに、
エグザンティアとノリは全く同じで、
あの独特の
「たゆ〜ん たゆ〜ん」
という周波数の低い揺れ、
「船に乗ってるような」と比喩される
乗り味でした。
ミッションもコンベンショナルな4AT、
このエコなご時世でも
欧州車くさい引っ張り気味セッティングで、
「これですよこれ!」
高トルクエンジンにせわしなく
高いギアを選びたがるミッションの組み合わせ、
が多い最近のクルマと比較して
非常にナチュラルでございます。
エンジンが、こう動いてて、
ミッションが、このギアで、
だから僕は、こうアクセルを踏む。
身体で覚えてるその自然な運転感覚が、
心地よく蘇る。
CVT車乗り始めてもう4年近くになるのですが、
やっぱりCVTはどんなに出来が良くても
いや出来が良ければ良いほど、
不自然なところがあるのは
否めないんだな、
と。

もちろんのんびり走るだけじゃなくて、
1190kgで1600ccですので、
ちょいと踏めば周り置き去りにできます。
なんつってもこの1.6はBMWと共同開発、
MINIやPeugeot各車にも乗って
定評ありありでござる。
むしろよく回りすぎて
キャラに合わないんじゃないかと思うほど。
それから、
シトロエンって実は、乗り心地ばかり
クローズアップされますが、
歴代ハンドリングもいいんです。
C4も評価高いですし
(WRCでも勝ちまくってるしね!)
僕乗ってたエグザンティアも、
とてもナチュラルでした。
これも軽く都心を流しただけですが、
嫌味に感じるところは無かったです。

まあでもシトロエンは独特です。
所(ジョージ)さんが、
あの方超クルママニアですけど、
「シトロエンとそれ以外」
と言ったほどで、
なにか「クルマの動き方」に関して
考え方が抜本的に他のメーカーと違う、
という感じがします。
「マネー・ボール」でビリー・ビーンが
打者の評価軸として
「打率ではなく出塁率」
に目をつけたんですが、
そういう、
他のメーカーが軸としているものではないものを
軸として評価している、
そんな感じです。
だから合わない人には全くダメでしょうから、
初シトロエンな方は
ぜひご試乗を。
乗ったことある方は
どうぞご安心を、
あれですあれ(笑)

デザインも可愛すぎず大げさすぎず、
日常あらゆる場面で使い易そうで、
走りもいいし
お値段もまあ許容範囲、
非常に「手を出しやすい」外車だと思います。
最近そういう外車が減っちゃってねー。
ポロやMINI、フィアット500も
もう一段お値段頑張って欲しいところ。

巧いと思ったのは値付けとグレード編成で、
30万の差は外見ではバッジ1枚、
ゼニスもアルミも革ステも標準だし
エンジンも足も同じ、
でも内装の質感が全く違います。
ベース買った人が後で後悔する要素無いし、
エクスクルーシブ買うお金持ちにもちゃんと満足感がある。
僕ならもっちろんベースグレード。
フランス車は合理性ですぜダンナ。

無理に難を挙げるとするなら、
たぶん燃費は平凡。
最近の国産のこのクラスは、
条件良ければ15km/lとか
簡単に叩きだす高効率車揃い。
加えて3年5年と乗ってますと
これから世の中どんどんハイブリッドだEVだ、
になってきますから、
そこでこの小さいタンクに
プレミアムガソリンがぶがぶ入れ続けるの
どうなのかな、というところですかねぇ。
まあでもそれ言い出すと
世のほとんどのクルマは、条件同じですしね。

あともうすぐ、
これの3ドアバージョンといってよい
DS3てのが出ます。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100506_365658.html
こちらには
「ターボ+MTで269万」
という魅力的な選択肢もありますし、
車体各部の色をいろいろ選べる
「自分だけの」的なシステムもやるそうです。
水色ボディ+白ルーフが展示されてましたが、
この写真より遥かにいい色でした。
ソリッドの水色ってめちゃめちゃ難しいですよ、
下手な色使うとバケツか大昔の商用車みたいに
なっちゃいます。
でもそこはさすがフレンチ、
見事に着こなしてました。
黒ボディ白ルーフなんかスカしてていいですねぇ。
黄色も可愛いですね。
もろにMINIっぽくなっちゃいますけど。
てかC3にこの黄色入れてよ。

試乗すると毎度思いますが、
クルマは乗ってみないとわかりません。
スペックシートや写真では、
2割もわからない。
人間と同じです。

いいクルマでした。

おまけ:
空母からカタパルトで発艦したり
ロボットに変形したり、
毎回楽しませてくれるシトロエンのCMですが、
今回はこれ↓
http://www.youtube.com/watch?v=Nr-QsBPMDYQ
posted by 犀角 at 03:53| Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記
この記事へのコメント
ニューC3に試乗してきましたよ、
久々にGS対面時(カーグラ推奨)の感激を思い出しました。
例の1リッター空冷水平対向エンジン、ハイドロニューマチックの初輸入車です。

25年間(1970年から1995年)の前半はノントラブルだったかな、で後半は風評以上に楽しませてくれました?
連れは未だに交差点トラウマがあるようです。

プジョット(306)、ルノット(ルーテシア)と乗り継ぎましたが、素晴らしいレポートには新たな夢を、寝た子が起こされたようです。
Posted by 齋藤公一 at 2011年08月31日 21:05
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