2010年10月25日

Bluetoothワイヤレスヘッドセットマイク付き「MW600/B」ソニーエリクソン



評価難しいですが、
「Bluetoothイヤホン」というジャンル自体が
まだ「待ち」って感じです。

僕はiPhone(3GS)用として購入しました。
BTイヤホンであるからには、
おそらくスマートフォン用途が多いと思います。
で、この商品を評価するにはまず、
(1)Bluetoothイヤホンをスマートフォンと
 共に使った時の一般的印象
次に
(2)Bluetoothイヤホンの一般的な印象
最後に
(3)この商品の印象
という感じで、
3段階に分けて考えた方がすっきりする、かな?

まず(1)ですが、
これ自体は音楽再生カタログ8.5時間、
そこまで無いという感じですが、
まあ1日オンザウェイは持つので及第点。
ただ、
iPhoneの方の電池がみるみる減っていきます。
尋常じゃない減り方で、
(BT関係で喰ってるでしょうから
 Xperiaなんかでも状況は同じだと思います)
こっちがキツイ。
1日終わりに充電器に挿して翌朝外す、
という使い方してたものが、
出先から帰ってきたら充電器に挿す、
という使い方になります。
ちょっとヘビーに使いそうな(たとえば出張など)
場合はモバイルブースターなど外付け電源や
ACあり喫茶店などを探しそうになりますな。
たかが「音楽のワイヤレス化」というメリットのために
その使い勝手の変化(制限)を
許せるかどうか、
っていうのが、
「BTイヤホンをスマートフォンで使う」
という時にひとつ大きいです。

もひとつは、通話。
当然マイクが内蔵されているのですが、
そのマイクを口元に近づけたいために、
付属イヤホンのコードやたら短くて、
「これどこに付けるんだ!?」
と悩みました。
どうやらパッケの写真なんか見ますと、
男性ならジャケットの襟ボタンホールのあたりとか、
そのへん。
ほら、TVにセーター着て出てる人が
胸にピンマイクつけるでしょう、あんな感じ。
いや、
そうするとね?
操作めっちゃしづらい。

Appleがですね、
ご本体ではこの、
「BTイヤホン」という製品を出してないんです。
なぜか。
つまり彼らのUIや使い勝手の美学を
満足させる最適解がまだ見つかってない、
んですな。
通話重視するとそのように使い勝手悪いし、
音楽(操作)重視するとやっぱり
イヤホン側が1.2mコードとかになって、
それなら別にワイヤレスでなくても……
という感じ。
ちなみに僕は1.2mコード使って、
ベルトにクリップして使いました。

(2)ですが、
やっぱり音質は明確に落ちます。
この商品付属のイヤホンは非常にクサイとこ
突いてまして、
これ単独でも我慢できる程度の音質で、
しかも直挿しとBT経由との変化が
わかりにくい程度の音質。
これ1ランク上のイヤホンで聞くとてきめん。
これはさすがに素人の僕でも
ブラインドテスト当てる自信あります。
なんかね、
「悪化」とか「ノイジー」ってことは
無いんですけど、
「情報が歯抜けになってる」
という感じ。
なので、音質こだわって1万円超えるような
イヤホンお使いの方にはキツイですな。
ただ、
これだけ聞いてると「まあ」っていう感じです。
壊したので思い出評価ですが、
iPhone3GSに付属してきた純正イヤホン、
あれよりは……マシ……かな……
というレベルです。
インナーイヤーなら実売3980クラスかな?

ざっくりネット見てますと
コイツはそれでも
「BTとしては」いい方らしくて、
だもんで音質面から言うと
BTイヤホンは(今はまだ)
選択肢に入らない感じですな。

ただし、やっぱり
「ワイヤレス」っていうのは
使ってみて初めてわかる強烈なメリットです。
特にスマートフォンですと、
イヤホンのコード引っ掛けて、
イヤホンが断線するならいいんですが
本体がどこかへ飛んでったり、
そんな経験ありませんか。
そういう恐れががっくり減る。
あと、
コード付いてると本人の動きが制限されて、
それが結構ストレスなんですよね。
おうちでも、
あまり音質を追求しないたとえばゲームとか、
作業中のBGMとか、
でしたらワイヤレスヘッドホンおすすめですよ。
「耳から落として首に掛ける」と
「耳から外して机に置く」という動作は、
あまり変わらないようで
ぜんぜん違うんですこれが。

ということで、
これ高評価だしてる人は
この商品じゃなくて
「ワイヤレスイヤホン」
というジャンルそのものに
高得点つけてるんじゃないか、
と疑った理由が、以下。

でもって(3)。
この商品そのもの。
最大の弱点が、
Amazonのレビュー見ていただくと
ほぼ全員が口を揃えてますが
タッチセンサー式ボリューム。
これが酷い。
この2010年に「SONY」の金看板背負って
これは無いわ。
いや、SONYのweb行っていただくと
わかるのですが、
この商品のことコソッとも言ってなくて
つまりこれあくまで
「ソニエリ」の商品なんですが、
そりゃ往年の
松下電器と松下電工がいがみ合ってても
客から見れば同じ「ナショナル」、と同じで、
これは本家からダメ出すべきレベルです。
とにかく使いづらい。
説明書には
「+からーまでなぞるとボリュームモードに入る」
とあるのですが、
ちょっと指触れただけでボリュームが動きます。
そのくせ微調整はまるで効かず、
思ったボリュームにならないので
本体のボリュームを使うハメに。
しかも位置が最悪で
ボディ形状的にパッと掴むと触れてしまう。
で、
メカニカルなロック・スイッチが無いので、
それを無効にすることもできません。
なぜごく平凡なシーソースイッチではいかんのか。
これ一点で、
購入を考えてる人に
「一度大型量販店店頭で触ってからの方がいいよ」
と忠告したくなるレベルです。
(というかそれが言いたくて
 このエントリ起こしてます)
そこそこいいデザイン、
軽さ、BTにしてはいい音質、
など美点を全部ぶっ飛ばすぐらい
イライラがマッハで有頂天。

まとめますと、
「惜しい」
という感じです。
ワイヤレスの魅力は実際すばらしく、
ボリュームが平凡なスイッチで、
Bluetoothの消費電力がもっとマシだったら、
音質や通話時の使い勝手は我慢して、
ずっと使ってたと思います。
ですから、
ちょっと興味もたれた方は、
また2年ぐらいお待ちになると、
だいぶ状況も変わるんじゃないですかね。

あと、冷静に考えますと、
iPod shuffleが4800円で12.5gで
15時間ばかり再生してくれますので、
歩いてる時だけそれでええやんという気も……

やっぱりよく知ってるジャンルの商品ならともかく、
初めて手を出すジャンルの商品は、
自分の目で見て手で触ってから
買わないとダメだな、と痛感した
1万円でした。


posted by 犀角 at 21:24| Comment(0) | ガジェット
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。