2011年06月11日
ドキュメントスキャナ「ScanSnap S1500 FI-S1500」富士通
一家にor一オフィスに一台……かな?
はいもう私の中では10年近い懸案でしたScanSnapを大購入です。
「ドキュメントスキャナ」というものをご存じない方にざっくりご説明いたしますと、「超早い書類専用スキャナ」です。印刷機のオートフィーダみたいなのに50枚ぐらい書類のっけると、両面自動でキャーッと数分でスキャン完了、ほとんどオートでPDFやJPEG画像の塊にしてくれます。
もちろんフラットベッドスキャナで同じことできるんですけど、効率は比べ物になりません。最近ではスキャナや複合機でもADF(オート・ドキュメント・フィーダー)付いてて似たようなことができる機種も増えてますが、そこは専用機、まだまだ速度や使い勝手でアドバンテージがあるようです。
なぜ昨今、ScanSnapがまた盛り上がってるかといえば、もちろんiPadを始めとするタブレットの登場がキッカケです。「持ち歩ける大画面」の登場で、スキャンしたデータの活用範囲がグッと広がったんですね。それまでは結局PCで見るしかなかったので、データを「貯めこむ」がメインだったんですけど、それをもっと「使える」ようになってきた、わけです。
どんなことができるのか、の応用例は本国webをご覧いただくとして
http://scansnap.fujitsu.com/jp/howto/
僕が事前に考えてたのはざっと以下のようなことでした。
・愛読書をスキャンしてiPad/iPhoneに入れていつも持ち歩きたい。
・捨てられない本/マンガ/同人誌/書類をスキャンして本は捨てたい。
・グルメ本とか街歩き本をスキャンしてiPad/iPhoneに入れて困ったときに頼りたい。
・仕事資料をスキャンしておいて、打ち合わせの時荷物減らしたい。
ま、ScanSnapの活用法としてはごく普通だと思います。
さて、注文して、やってきて、使ってみて。
まずマイナスから言いますと、思ったより微妙に画質が良くないですね。いろいろ設定弄って試したんですが、ちょっと「画質を要求される保存用のデータを作る」には厳しいかも。このへん個人の感触もあるので一概には言えませんし、どこが悪いとも説明しにくいのですが、PCに繋いだフラットベッドスキャナを使ったことのある人なら「ん?なんか足りないな?」と思うんじゃないかと。
具体的には、「俺の魂のマンガをスキャンしてライブラリに!」はたぶん、そんなこと考えてる人には、満足できないと思うわ。あともちろん、写真とかもキツい。
逆に言うと、「情報がわかる」でいいのなら全く問題はないです。具体的には文字中心の書物や書類なら、なんの問題もなく。
もう一点の、使ってみて初めてわかるマイナスは、これScanSnapのせいじゃないんですけど、本や雑誌のいわゆる「自炊」でなにがネックかというと、スキャンじゃなくて、「裁断」です。こっちの方が遙かに気も・時間も・エネルギーも遣う。
チキンな僕は裁断機買うの躊躇してAmazonのオススメにあります1000円ちょいのローリングカッター買ったんですけど、こんなものではお話にならないです。本気で自炊考えてるなら裁断機は必須。だいたい中国製の12000円ぐらいのか、プラスの3万円ぐらいのか、が定番ですな。
このへんの事情はこの記事がとてもまとまってるのでぜひご一読。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20110218_426830.html
ただのカッターでは私は「坂の上の雲」8巻を切り刻んでギブアップ。おかしいな、予定では「街道をゆく」43巻が今頃iPadに入ってるはずなのに……
そうそう、あとこれもScanSnapのせいじゃないんですけど、たとえば文庫本をスキャンしますね。表示をスマートフォンにさせると、キツいんです。表示面積1/2ぐらいなので、字がちっちゃくて。見れなくはないですけど……マンガもかなり厳しいです。ということで、「ケータイ/スマフォでマイライブラリ」計画は、主に表示の小ささで挫折気味。やっぱりケータイ/スマフォは専用の電子書籍を待った方がいいですなぁ。
もちろん10インチ級タブレットだと問題ないです。
ということで、マンガダメ、本も面倒。やはり中心は、「紙モノの書類の整理」になる感じです。特に「使わないけど捨てられない」終わった仕事の資料、アイデアメモ、家電製品のマニュアル、手書きの挨拶状……
「ひょっとすると本棚2つと押入れに溢れそうになっているマイ・紙々がすべてデータになるのかしら!?」
なんてのはただの妄想でした。まあ処理できる紙は、人にもよりけりですけど、その人の持ってる紙の1割〜2割という感じですなぁ。
それでもおっきいといえばおっきいんですけどね。
結局本質的にこの考え方のどこが問題かというと、
「捨てられない」のに「データでいい」
という中途半端な存在は、実はとても少ない、ってことです。
捨てられないものは基本的にだいじなものなので「本物」「オリジナル」であって欲しいし、データ化して問題ないものは実は昨今では最初からデータになってたり、別に捨てても大勢に影響のない情報だったりします。
ということで、ScanSnapという製品は、そういう使い方、つまり「捨てられないものをデータ化する」という後ろ向きの使い方だと、それほど有益ではないです。
ではなくて、ハッキリ使用目的がある、つまり「データにした方が絶対有利!」という前向きな使い方をすれば、力を発揮する、はず。
たとえば、上のwebにもありますけど、料理が趣味で、レシピ本買っては新しい料理にトライすることが多い、なんて方は、台所でのレシピ本のハンドリングの悪さはご承知のとおり。あれをScanSnapでPDFにして、タブレットでもケータイにでも入れてしまえば、とても楽です。
旅行好きならぐるりと大きめに回る旅をする時、ガイド本を何冊もスキャンする、とか。
もちろんビジネスシーンの方が相性はよくて、会議資料はやっぱ紙の方が何かといいんですけど、終わると邪魔。これを即スキャン、とか、はたまたあるいは業界に伝統あってカタログがまだまだ紙で、営業回りが鞄重くて……そんな時はスキャンして自前でPDF、とかとか。
とりあえずグルメ本は4冊ほどスキャンしたんですが、問題はそういう機会にiPadを家に忘れそうだということで……iPhoneに入れとけ?いやだから、雑誌を3.5インチで見るのは辛いのよw
4万円前後というのはやっぱり個人で買うには、フルHD24インチ液晶が1万円台とか、3TBHDDが1万円切ったとか、そういうご時世には高額なデバイスなので、こういう「これをデータ化して、こう活用したい!」というハッキリした絵を描いてからお買いになった方がいいです。
ただ、一家になりますと、僕らぐらいの世代だと奥さん/旦那さんはもちろん、子供さん達でも使いこなせるでしょうから、3人4人で使えば随分コストパフォーマンスは上がります。もちろんオフィスなら言わずもがなですな。書類棚ってホント無駄な存在で、日本は地価が極端に高いので、「底面積を喰う存在」というのは等しく悪なんです。これで1台撤去できればそれこそ机1つ置けますしね。
ということで、そうやってシェアできる人がいたら、ますます「あってよかったね」的な存在になるかな。
たとえばガムテープって、家に一巻きあればいいじゃないですか。一人一個持ってなくても。あんな感じ。ああ、昔のカメラとかこんな感じでしたね。家のカメラ、って存在で、使う人が持ち出して。
「現実をデータ化する」という意味で似てる。
どんなに電子な時代になっても紙ベースの情報は無くなるはずはなく、それを電子化してくれる貴重な存在で、ドライバのサポートさえあればそれこそ10年とかコツコツたまに活躍してくれると考えれば、トータルでは安い、と言えなくもないのかなぁ。CPUなんか2万ぐらい出しますけど5年は持たないですからね。
余談でかつ繰り返しになりますが、やはり人間後ろ向きに金と労力使いたくないもので、単に「整理」ではScanSnapのボタンを押すことすらめんどくさい。でも、「エロ本スキャンしてタブレットに入れちまえば、暗いところでもウヘウヒハーだぜ」と思うと俄然「どんな設定がいいのかしら!」と盛り上がるわけです。
人間のやる気の引っ張り出し方についてすこし、学びました。
そんな感じです。ハッキリしなくてすまん。ま、ずっと興味を持ってる人なら買ってみた方がスッキリするかもしれない。あって困るもんでも、次々に新型が出て悔しい思いをするものでもないですしね。
まあでも4万あったらまずパン焼き機かな……
posted by 犀角 at 04:44| Comment(0)
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