2019年10月31日
マツダ3/CX-30 試乗(マツダ)
posted by 犀角 at 08:58| クルマ
2019年04月03日
911の棒
まずは写真を1枚。
https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1177/689/html/008_o.jpg.html
(元記事 https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/1177689.html)
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posted by 犀角 at 09:15| クルマ
2019年03月06日
2019年03月05日
2018年10月05日
デミオ SKY-E(仮)
マツダの技術説明会があって
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1146003.html
ロータリーエンジンを発電用に使う、という話はもうずいぶん前からあるのですが、こう大きく取り扱ってるところを見ると、そろそろ実車が出るんじゃないか。ならば載るのは前回(2013年)その名も「Mazda2(デミオ)REレンジエクステンダー」を発表したデミオじゃないかね、ということで実現するとデミオe-Power、では無くて仮称デミオSKY-E。
難しいですね、REであることも言いたいし、E(電動)であることも言いたいし。きっといい名前付けてくれるんでしょう。
新技術とお商売の関係というのは事前にはわからないもので、本家日産e-Powerも実際使ってみると燃費の面では標準車に対し「ちょい増し」程度、モデルライフ全体で本体差額取り返せるかどうか微妙、という意味ではプリウスなど各THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)搭載車と大差なし。その差約40万円、でも忠誠心の高い日産党たちはスムーズでトルクフルな「電気の走り」にそれだけの価値を見出して買った。
それもめちゃくちゃに買った。
何十年かぶりの月販1位の座を日産に与えるほどめちゃくちゃに。不正検査問題がなきゃ年度1位も確実に獲れてた。
あれを見ると日産社内だけではなくどの社も「すわe-Power」という話になりますわな。
顧客の満足というのは事前にはわからないので、なにかが当たってから、「顧客はあれに満足してるからあれを作ってくれ」と営業が技術をつつくのです。
「ウチにはSKY-Xもあるしそれで粘れば次はHV系飛ばしてピュアEVで……だってアクセラのHVだってあんなに苦労したのにクッソ売れなかったじゃん」
とマツダ技術陣は考えていたのかもしれませんが、そこはそれ市場の言うことはある程度は聞かないと立ち遅れる。
このモデルはモーターで走るので、「EVに発電機の載ったもの」と考えてよく、EV時代に向けてモーター制御やバッテリ周りのノウハウも溜まる。THS系やホンダの2モーター系みたいなヤケに複雑なHV技術をスキップできる。
デミオには得意のそして世界屈指のディーゼルエンジンもありますが、出来の良し悪しと市場の反応は別。個人的にはマツダ・ディーゼルはとてもとても健闘してると思いますが、それもいつまで持つかわからない。今ものすごい逆風ですからね。
などとグデグデ言ってますがつまり
「デミオe-Po……電動デミオ出たら欲しい」
って話です(笑)
デミオ、先代DEにいま気に入って乗ってて、現行DJもとてもいいと思うんですが、ガソリン>ガソリンで乗り換えるにはちょっともったいない。個人的にはDEの方がデザインは好きだし。といって、1.5ディーゼルはアクセラ以上に載ってる2.2Dほどは心惹かれない。
なんかこう、デミオにもうちょっぴり色ついてたらいいんだけどなあ、まあSKY-Xがこのサイズに降りてくるのを待つかね……
と思ってたら今回、忘れてた伏兵が飛び出したわけです。
でちょっと「おっ」とか思っちゃった。
先日日産リーフに乗りまして
http://rakken.sblo.jp/article/183250339.html
「ああ、まあ、こうなっていきますわなどうしてもな」
と。電動車両のアクセルへの正確な「ツキ」、踏んだ瞬間フルトルクを叩き出して大地を蹴ってくれる、これは大変きもちよく、ノートe-Powerオーナー達が40万出したのも納得です。
日産のe-Powerは結局セレナにも載ったし、セレナで行けるってことはエクストレイルなんかでも多少工夫すれば行けるはずで、つまり中型車まで全部行ける。
同じようにマツダ版e-Powerもある程度スケーラビリティがあるはずで(というよりそうしなければ新しくREを起こすコストが高すぎる)、デミオで成功すれば当然アクセラにも……
あれ、SKY-Xの立場は。
実は実験車両ではSKY-XとREエクステンダーが燃費も加速フィーリングもあんまり変わらなかったりして真っ青になってるかも(笑)
さすがにそんなことないか。
REはリアに置くそうで、そうすると前後重量バランスが改善してFF車らしからぬ軽やかなハンドリングになるかもしれません。FF車の場合前荷重はあればあった方がいいと頑なに信じることもできますが(アウディやホンダはそれ)僕個人的にはFFでもノーズは軽いに越したことないと思います。
まあ楽しみです。SKY-Xもね。
posted by 犀角 at 00:11| クルマ
2018年08月17日
スバル・フォレスター(XBREAK)&インプレッサ(2.0iL-EyeSight)試乗
●公式サイト
https://www.subaru.jp/forester/forester/
https://www.subaru.jp/impreza/impreza/
あまりに暑かった日に、確かあのへんに「やまや」があって美味しい外国のシードルが売ってるはず、とクルマを走らせると休業中でしょうがないのでスバルに駆け込んでデビュー仕立てのフォレスターを観ました。
言い訳臭い?
スイスポの時もそんなこと言ってなかったか。
ええですね。
グローバルでは一番売れてるスバル車はこれになるそうで、気合い入ってる感じが頼もしいです。昨今珍しい、意外にスクエアなボディは特に荷室を広大に見せており、さすがにスバルは荷室の造りが上手い。
走り出すと大柄を感じさせないステアリング・脚ともに軽やかなセッティングで、ああこれホントアメリカの郊外(冬は若干寒い)で奥様がスーパーに向かう足にはピッタリだわ、という感じ。
都市部に住んでると忘れがちなのですが、降雪・降雨の激しい場所は世界中にたくさんあって、そういう場合安くて高性能4WDのスバル車はありがたい。
『TOP GEAR』でナイル川の源流を探しに行った時も、リチャードのインプ・ワゴンがボルボ・850エステートやBMW・5ツーリングを牽引しまくる大活躍でしたからね。(その代り最後のグラベル高速セクションでサスペンション折れ倒す)
つまり見た目よりずっと優しい乗り味で、GORE-TEX張りのトレッキング・シューズを街中で履いてても、デザインもカッコイイし急な雨でも濡れないし、いいね、と。
ただしそのー、そうはいってもちょっと「ふつうっぽ過ぎる」んじゃないかなあ、とは思ったり。
この方向、アーバンギア・トールステーションワゴンで行くと、最大のライバルは言わずと知れたベストセラー、マツダ・CX−5で、価格も同じ四駆2500だとピッタリ合わせてある。
あっちデビュー即に乗りに行きまして、こりゃぁエエクルマやと。
http://rakken.sblo.jp/article/180853003.html
すごい洗練されてるんです。しかもあちらは1年でエンジンの改良まで入れてる(こちらはまだ未乗)。
もちろんスバルも年次改良入れてくので、重篤なスバリストたちがA型だB型だとインフルエンザか肝炎のように話題にしてるでしょう? だからどんどん良く……良く? 方向性の違いじゃないか?
つまりイメージからすると、もうちょいとタフギア方向のが。
ではなくこのソフト路線行くなら「CX-5に勝つ」をハッキリさせないと。広告・宣伝の方向も含め。
そんな表情を見抜いたか、あるいは会話の端々に飛び出る変態車種の名が響いたか、担当セールス氏、彼がまた若くてそのくせ昨今では珍種の「クルマ好きが高じてセールスなりました」タイプで、
「ではながた様ぜひこちらも」
とオススメされたのが上記、インプレッサの2000のAWD。もちろん5ドア、グレードはソフトなLの方。
これは良かったッス。
なんかね、懐かしい。(今シーズン2度目)
新プラットフォームの「SGP」、いい、いいとは聞いてましたがより車重が軽く重心の低いインプの方がフォレスターよりハッキリ良さがわかります。
「いやーすごいなー」
という感じで、このCセグ・ハッチではもちろんVW・ゴルフ7がベンチマークなわけですが、これゴルフに部分的には勝ってないか?ぐらいの勢い。
シャシーだけではなく、大排気量NAエンジンのナチュラリティ+こなれたCVT(富士重のCVTは世界初ゥウウウウ)も加味すると、
「いや、普通の人にはゴルフよりこれだろ」
と薦めたくなるぐらい。
いままではそのポジションにマツダ・アクセラが居たわけですが、モデル末期であることとガソリン車が若干アンダーパワー(1500しかないので)のを鑑みると、デザインさえ納得できればインプの方がいいかも。
AWDは要らない?
なにをおっしゃいますか、スバル買うのにAWDにしないなんて、札幌に行ってビール飲まないようなもんスよ。それでも十分だけどそうするともっといい。詳しくご説明申し上げますと縦置き水平対向エンジンというのは以下略
試乗コースにゆるいSカーブのある上り坂があるのですが(南港通の帝塚山のとこね)、ちょうどジャストタイミングで雨が落ちてきてて、もう4WDの威力炸裂、後ろ足が蹴っ飛ばしてる感じ、前足も踏ん張る感じ、この安心感は実に嬉しい。
FFなら1600でいいと思う。
新型インプはスバリストたちにも好評で、
「インプが出てからレヴォーグがぱったり止まって……」
とSTIモデルを前にしてセールスさんも苦笑い。
いや、いまから買うならSGP車以外ありえない。いまだとインプかフォレの2択です。
今回のデザイン・パッケージは、先代以前に比べて5ドア(ワゴン)のバランスが劇的に改善されており、長いホイールベースに短く切り落としたリア・オーバーハングが、古き良き時代の欧州車のようです。
昔乗ってたシトロエン・エグザンティアを思い出したよ。
見た目のイメージと逆で、インプレッサ(の2000AWD)がコアなクルマバカ向き、フォレスターがファミリーの皆様向き、という感じです。
でもまあどっちもいいクルマよ。
いま日本勢でクルマ好きに好まれる、というと、スズキ、スバル、マツダの3社になるかなあ、と思うのですが、3社とも乗ると、最新のモデルなのに「懐かしい」というか、「そうそうこれこれ」感が高いです。
クルマは、機械あるいは物体としてはもう90年頃にサチュレートしてしまっている、というのが僕の見立てで、具体的にはVW・ゴルフ3とトヨタ・カローラ100系です。それだけではなく特殊カーの方もセルシオ、GT-R、NSX、ロードスターのバブル・カルテットにパジェロ、レガシィ、K11マーチ、ビートと30年後の今見てもどう見ても名車、が揃い踏んでおり、じゃこの30年何してきたかっていうと効率(燃費)と安全性能を、機械的能力を落とさずにいかに高めていくか、ということしかやってないように思えてなりません。
しかし人間の意識の中心というのは1点なので(だから中心というのですが)、大きいメーカー、その主戦場で世界の大ライバルと戦わざるを得ないメーカーになればなるほど、日本で具体的に言うとトヨタ、日産、ホンダですね、効率と安全とインフォエンタネットなんとかかんとかに血道を挙げてエース級を投入して、で走りとかおろそかになる。
ちっちゃいメーカーはそんなことやってたら普通に死ぬので、まず「走って楽しい」は死守。乗って「いいね」と思ってもらえないと選択肢にも入れてもらえないですからね。あと商品力でなんとかしようと頭を捻りながら、いま話題のところはなんとか後ろから付いていく。後ろから付いていくのはコスト安いですからね。
だからクルマ好きがすがりつくんじゃないですかね。
じゃないとジムニーに注文殺到したりしないですよ。あんな特殊作業車に。みんなジムニー買ってるんじゃなくて、「クルマ」が欲しいんですよ。道具でも、日用雑貨でも、デカいiPhoneでもなく。
漏れ伝わるところによるとスバルでももうEyeSightの自社開発を持ちこたえられないらしくて、そりゃライバルのモービルアイはイスラエルの軍事企業でいまIntelがパトロンなんで、無理ッスよ。
スバルのウリはEyeSightそのものではなく、EyeSightのようなものを開発しようという姿勢と、それを全車標準で付けようという意気込みと、そういうものが安心に繋がるような悪路へ行けそうな雰囲気と……なので、無理はしなくていいと思います。
posted by 犀角 at 15:51| クルマ
2018年08月03日
なつかしい現在(スズキ・スイフトスポーツ/6MT)
●スズキ公式
http://www.suzuki.co.jp/car/swiftsport/
『孤独のグルメ』の井之頭五郎の決め台詞(のひとつ)といえば
「こういうのでいいんだよこういうので」
そういうものこそがなぜか無いのが現代社会。
拙者のようなクルマバカ共がこよなく愛するジャンル「ホットハッチ」も最早風前の灯……というわけでも実は無くて、探せばノートNISMO(日産)とかヴィッツのGRRRRRR(トヨタ)とか外車でいえばルーテシアRS(ルノー)とかポロGTI(VW)とかなんとかかんとか、あるっちゃーあるんですが、それらはあまりに特別すぎて。
なんだろう、ホットハッチてのは形、つまり「量産コンパクトのチューニング版」というのが大事なのではなく、
「やってやるぜ」
という魂が大事なんです。上に挙げたようなメンツはストイック過ぎたりスペシャル過ぎたり、つまり真面目すぎる。とうてい、「峠でGT-Rを追い回してやるぜ(もちろん本当は敵わない)」などというトコトン頭の悪い用途に向きそうに無い。
魂が生むのは夢。そしてファンタジー。
それを買うのよ。
それを所有するのよ。
カップ麺のパッケージにはいわゆる「シズル感」というのがなにより大事で、オシャレさよりもコンセプトの伝わりやすさよりも、とにかく「ガツンと腹に来そう」というのが目に飛び込む、それで棚から選んでもらえる。
それでいうならいま日本で新車で買える中で最も「それ」なのは、真っ黄っ黄のスイスポ一択でございましょう。
そのDには買い物ついでに新型ジムニー見に行ったのですが、昼下がりセールス出払いで対応してくれたのが若いサービスのあんちゃん。これが車好きで話弾んでいつのまにかスイスポに試乗してました。もちろん6MT。
乗って100m走って開口一番、
「なつかしい……」
そしてホロリと頬を伝う涙。続けて口を突くのは冒頭のセリフ、気分だけは栄光の1990年。『浪漫飛行』と『おどるポンポコリン』が脳内に鳴り響きます。
細かいことは言いません、小さく軽いボディをトルクフルでレスポンスに優れたエンジンを使って、ミッションをカキカキ操って走らせるこの肉体の悦びよ。
BORN TO RUN、人は走るようにできている、と言いますが、クルマはもちろん走るようにできており、本来走るだけで楽しいものです。
なんで、こんな、カンタンなことが、いまのクルマにはできとらんのだ。
なぜこれが、
ホンダ・シティターボ12ぐらい「ブルドッグ」ではないのか。
トヨタ・「カッ飛び」スターレット・ターボではないのか。
日産・マーチ「スーパーターボ」ではないのか。
彼らは一体どこへ行ったんだ。ダンガンは、アバンツァートは。
なんでこの浜松のちいさなメーカーのちいさなクルマだけが、けなげにたった1台でもう何世代にも渡って(これ4代目ですがスズキはなぜか3代目と言い張ります)
「ホットハッチ」
の看板を背負い続けているのか。
それがわからない。
関西人が豚まんといえば「551蓬莱」ですが、わずか170円のあれを食する度に
「えっ。なんで豚まん全部これじゃないの?」
と疑問を感じませんか。
それ。
ある程度のサイズから小さめ、そうね全長4m切る程度、重さで1t切る程度、排気量もセグメント分けも最近当てにならんから価格、車両で200万前後以下、で「スポーツ」にしようとするなら必然的にこうなるっしょ。世界中のメーカーからこんな感じの、テイストだけが各メーカーの味が思想が気持ちが色濃く出た、そういうモデルが百花繚乱、それが「ふつう」の状態、なんじゃないですかね。
なんでこれしか無いんですかね。
ぼくなんかおかしいこと言ってますか。
新型ジムニーもそうですが、街のちいさな洋食屋が昔ながらのとんかつ定食を作り続けていたら、チェーン店の味のしないカツか高級店の2000円のカツかの二択に疲れ果てた者共がわんさかおしよせて「これですよこれ」とか泣きながら食べてるの。食べログの☆3.7とか付いちゃう。
30年前ならどこのお店でも食べられたとんかつ定食を。
なんだこりゃ。
ということで、スイスポたいへんいいクルマです。
この手のスピード自慢にしては脚がたいへん柔軟で(モンローのショックがいいんでしょうね)乗り心地もかなりいい。すくなくともウチの便三郎(メルセデス・ベンツA180 2013y)なんかより全然いい。助手席や後席からも文句出ないと思う。
エンジン極めてトルキー&レスポンシブ、どのギアどの回転数からでも踏めば即加速、よってMTでも運転すごく楽です。もちろんブレーキサポートの類もある。泣かせるのは全車標準じゃなく「そういうのは俺様の華麗な運転を邪魔するから要らない」という誇り高き愚か者共のためにオプション設定ってところ。
このへん最新鋭車。
だからなつかしいけど現代なのです。
ホットハッチ好きに限らず、コンパクトカー探してる方は一度試乗されるとよろしい。アクアの燃費もフィットの広さもデミオの内装&ディーゼルエンジンもいいけど、「運転の楽しさ」ならピカイチですぜ。
おっさんおばはんは思い出せあの日々を。
若者たちは識れこの悦びを。
ああ日本にスイスポがあってよかった。
posted by 犀角 at 00:00| クルマ
2018年05月18日
これなら欲しい メルセデス・ベンツC200(2018y)
弟がウチの便太郎(メルセデス・ベンツA180 2013y)をヤナセに車検に出しに行きまして、しばらくすると興奮気味に電話かけてくる。
「兄ちゃん、代車借りたんやけど、これグレード高いからか全然走りやすい。めっちゃ速いで!」
「(AMGでも貸したのかな?)
なんていうグレード?」
「C200て書いてある」
「それは、いいものです」
中国の大人が一人来ただけで見事立ち直った巨大中小企業シャープ株式会社に勤め始めました頃に、こんな話を聞きました。
すごい売り上げを誇る街の電器屋さんの話です。
当時はまだそういうお店が残ってる時代で、ホームドクターよろしく得意先の家電を全部面倒みるんです。
で、あるお家で古いTVが壊れたとする。とりあえず引き取りに行って、代わりに最新・大型の、そこのお家が買えそうなマキシマムのTVを置いてくるわけです。経済状況から家族構成までだいたい知ってますからね。
で、数日して
「修理の見積もりあがったんですけど。○○万円です」
「もうこれ買う。お金とりにきて」
「まいどあり!」
それや。
汚い。さすがヤナセ汚い(笑)
ウチのホンダさんなんかオデッセイの代車、平気でライフ(軽自動車)貸しやがりますからね。こないだなんか言わなかった僕も悪いんですけど代車出さないんですよ。
「あれっ、代車は?」
「えっ、ご入用でしたっけ?」
わしゃ19歳から27年ぐらいここ来てていつも借りてんですけどね。
ということでC200さんが一泊二日で来られて、弟と「速い速い」「スムーズやなあ」「質感もちょっとずついいよね」とAクラスとの違いをまざまざと見せつけられていました。
Aの感想を書いた時に
http://rakken.sblo.jp/article/183116357.html
「商品としてはこれでいいけど、製品としてはもう一歩ほしいなあ」
みたいなことを言いましたが、あれわざとですわ。
あれ乗ったあとC乗ると絶対C欲しくなる。
でもちろんCに乗るとEが欲しくなり、E乗るとS欲しくなる。
昔のトヨタか!
本国で新型Aクラスが出て早速アゴアシツキ自動車ライター様ご招待宣伝ツアーが組まれてたとえば河口まなぶさんが
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawaguchimanabu/20180510-00085058/
中段に
「Cクラスを超えたかも?」
とありますが(また嫌らしいですね言い方が)20000%断言しますが超えてない(笑)
そういうふうには作らない。作り手がそういう風に作らないのにできあがりがそうなる、ということはまずありえない。
まベンツはCからですわ。
A買うぐらいならVW・ゴルフにしとき。
でまあ、C200は2000ccの4気筒にターボチャージ、トルクは300N、もちろん後輪駆動でなんと9速AT、というスペックですが、上の2枚は超高速用、具体的にはアウトバーンぶっ飛ばし用で街中ではパドルを弄っても頑として入らない。
どこの国でもクルマはガラパゴス要素があるもので、ドイツ車の軛はこの「アウトバーン対応」つまり「200km/hで長時間走らなければならない」という点です。もちろんそれが足腰心臓を鍛えてるわけですが、逆にこうして無駄も出る。
今度のポルシェのEVスポーツカーなんか高速用のギアを持つ、つまり2段変速らしい。常識的なモーターを備えたEVの場合、130キロぐらいから先は(回転数が上がりすぎるため)極端に効率が落ちて電費も悪化する、それに対応するためだとか。
でも根源的にEVには高くて重くて邪魔で壊れる「トランスミッションが要らない」というのが大きなメリットだったはずで、現実にドイツ以外のすべての国でそんな速度は必要ではなく、「ポルシェも大変だなあ」という感じ。それは余談。
ターボ・エンジンの方も何度も言いますが2000のターボで300N出すぐらいなら素直に3000NAの6気筒でええんちゃうか、フィーリングもコストも、と思います。
現にこのクルマ乗って思い出したのが、ミドルサイズ・セダンということもあって以前ウチにあったトヨタ・クレスタ(1993y、90系)2500スーパールーセント。名機1JZはもちろん直6、電子制御付き4ATでどこまでも滑らかに加速する。バブル絶頂期にコストかけ倒して作った、もちろんその頃マーク2三兄弟合われば月販3万を叩き出すこともあるトヨタのいや日本のエース格のクルマだけあって、めちゃくちゃにいいクルマだったんですが、それ。
ていうかあれでよかったんじゃないか。
自動車はこの25年、無駄なことしかしてないんじゃないか。
値段も上がる一方ですしねえ。(これは日本が貧しくなり続けてる点も悪い)
もちろん効率(燃費)と安全性、それから車内で遊ぶ機能は向上してますから、それのためのマージンを稼ぎ続けたんや、と強弁されれば返す言葉はない。
まあまあ、それはおいといて、エエクルマではありました。
最近のクルマらしくたとえば椅子のクッションとか薄くて(もちろん不快ではない)、包み込むような着座位置なんですけど、よく設計されてるからかAで感じた閉塞感みたいなのは無い。
後輪駆動はいいですねやっぱり。前輪が駆動を担当しないからステアリング・インフォメーションが素直に入って。
あいかわらずベンツのエンジンはうるさい上にガサツなんですが、(車外でディーゼルエンジンかと思ってエンブレム二度見した)それもまあパッケージ全体が良いと「頼もしさ」という好評価に変わっちゃう。
弟と
「あれ欲しいなあ」
「全然ええなああれ。いくらあれ」
「530万、から」
「うげぇー」
と言い合い、翌日返却して便三郎で帰って来る時には、
「重たい車になった」
とあんなに気に入ってた便吉をケナす有様。
贅沢はいけません。
どんどん麻痺して無駄金を捨てる。
しかし昨日リーフの時にちょっと書きましたが、これから実用品としてのクルマは自動運転・シェアリングみたいになっていきそうで、だとするなら「所有」するのは趣味の品、趣味の品であればいかに無駄をするか、いかに無意味なことをさも大切そうに持ち上げて自分と他人の目を眩ませるか、それこそが文化、なので、その面で言うとこのCクラスはさすがメルセデス、でした。
あとさすがヤナセ。
クルマはFR後輪駆動ミドルセダンに限るで。できれば6気筒。
色はパールホワイトで。
ま、なんか商店街の福引に当たってリッツで一泊したような体験だと思って、明日からは機嫌よくマツダ・デミオ(2012y non-SKYACTIV)を転がします。
posted by 犀角 at 09:21| クルマ
2018年05月17日
It's so COOL. 日産・リーフ(2018y)
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/leaf.html
乗りましたぜEV。電気自動車。
最近「電動車」は増えましたが、エンジンを載せずにモーター+バッテリーだけで走るクルマ(で日本で現実的に買えるもの)は、今もこれと三菱・アイミーブ、ミニキャブミーブしかありません。(あと外車ではテスラ各車とBMWi3、i8ぐらい)
2009年にアイミーブが製造を始めて以来ほぼ10年、07年デビューのiPhoneが世界中の携帯電話と都市の風景を変えたのと比べると、なんだかEVの浸透は遅い気もします。
EV時代てホンマにくるんかいな。
乗ってみんとわからん、ということで重い腰上げて乗りに行きました。
いや、先代リーフではさすがに経済性が合わない、と思ったのです。でも新型のweb見てると、「……いやこれは」と。
同じ便益を違う技術で実現する製品──たとえばスマホとガラケー、たとえばCDとレコード、たとえば液晶とブラウン管──を比べる場合、3つほどポイントがあります。
1 ものとしての特長
2 使い勝手の差
3 経済性
この3点合わせた力量がどこかの時点で新しい技術側が圧倒して、ダーッと普及するわけです。
で、リーフについて見ていくと、
1 ものとして
静かで・スムーズで・速い。
電気自動車でイメージするそのままで、まあよくできています。ガソリンでいうと3000cc級セダン、往年のビッグネームを出せばスカイラインやマーク2シリーズぐらいの快適性と走行性が、このミドルサイズで実現している。
ギア(チェンジ)やトルクコンバータ、ターボなどの、「ドライバーの右足とパワーソースの間で邪魔をする要因」がほぼゼロなので、思った瞬間に思っただけの力が出る。これは内燃機関車ではほとんど味わえない快感です。(もちろんスポーツ走行用のタイトに作られたものもありますけど、それらは敏感に作られているので逆に普通に走る時は疲れやすい)
これだけでも十分に価値がある。
スポーティというのは、スピードが速いことでもレスポンスが敏感なことでもなく、イメージした走りができることだ(たぶん)。
ただ、絶対値として異次元に速いか静かか、というと、そこまでではない。
最近のガソリン/ディーゼル車もすごいんですよ。防音がしっかりしててノイズほとんど聞こえない。たとえば最近僕が乗ったクルマでいうと、マツダ・CX-8あたりが静かなクルマですが、あれはこれより静かかも。
リーフは(おそらく)クラスなりの防音装備しかないので、ロードノイズと風切り音がわりと入ってくるんです。CX-8はその辺が小さい。ましてもっと大きなクルマや高価なクルマならより静か。
とはいっても、「元々音量が小さい」のと「本当は音量出ているけど防いでいる」のでは、人間の感覚って敏感なもので、やっぱりちょっと違う感じがします。
NC(ノイズキャンセリング)ヘッドホン/イヤホンはいますごく性能も良くてリーズナブルですが、やっぱり使ってみると独特の癖があって、静かな部屋で適度な音量でヘッドホン/イヤホンを楽しむ方が快適。
速さの面でも、最近の特にターボ車は、回せば狂気を感じるほど速いので、そういうのが欲しい方におすすめできるか、というとそこまでではない。でもこれも、「欲しいだけの力がいつでも引き出せる」力強さと、「ものすごい力をなんとか引き出す」力強さでは印象というか感覚が違ってて、個人的には僕前者の方が、つまりリーフの方が好きです。
慣れてくれば、おそらく多くの人が「こっちの方がいい」というと思うのですが。
2 使い勝手
で、電気自動車で気になるところといえば、やはりバッテリ持ちそして充電回り。
バッテリは、現行型は「200kmはまず大丈夫」だそうです。で、「かなり頑張ると300kmも出せる」とか。(カタログスペックやCM訴求は「400km」ですが、このあてにならないJC08表記はいい加減に廃止して欲しいですね)
200あると大阪からだと名古屋まで行ける。
週5日通勤する方だと、片道20km先まで大丈夫。
後述しますが、最近は充電設備が一昔前とは雲泥の差で充実してるそうなので、そりゃさすがにガソリン・ディーゼル車ほどではないにせよ、だいぶ差が縮まってる感じ。
「持ち」というと、この「一走行あたり」とは別に、充放電サイクルあるいは経年で劣化する点が不安な方もおられましょう。風の噂に「リーフはバッテリがすぐダメになる」と聞かれたこともあるかもしれません。
その点、日産は今回力ずくの解を持ち出してきて、つまり
「8年あるいは16万kmの早い方まで、バッテリの容量が8割を切ったら9割以上まで復帰させることを保証」
と来た。ほとんどの場合、この保証で大丈夫ではないでしょうか。
ちょっと調べたのですが、このバッテリの劣化の問題は「電気自動車の」問題ではなくて、メーカーの、あるいは個々の車種の問題のようです。
テスラのモデルS、出てからもうずいぶんになるのでそういうデータがだいぶ蓄積されてきてるのですが、相当酷いものでも残85%程度、ほどんどの個体が90%以上だそうです。
(参考)
http://ev-owners.jp/blog/blog.cgi?id=6509
(3年10万km走って残存値97.2%)
http://tarorin.com/04_ev/2016/11/battery_degradation_tesla/
テスラのバッテリは18650という乾電池でいうと「単3」みたいな筒状の規格型を並べるという構造で、最初聞いた時は「なんてプリミティブな」と小馬鹿にしかかったのですが、どうやらその構造の肝はそうやって並べた電池の間に水路を設けて水冷(温)する点にあったようです。
リチウムイオン電池は高温・低温に弱く、しかもその弱さというのが「40度超えると電気入りにくい」とかそういうかなりセンシティブなもので、温度管理がたいへん重要なようです。
テスラはそこでコストとリソース(重要や容積)を掛けている。日産はそこは捨てて「減ったら取り替えまんがな」と。取り替えた古いのを活用するためのルートもある↓
(フォーアールエナジー)
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1113629.html
電池によっても違ってて、同じリチウムイオンでも充放電サイクルの多さと急速充電耐性の高さが特長の東芝・SCiBというのがありまして、こちら三菱・アイミーブのあるグレードに載ったのですが(現在は終売)、こちらにお乗りのユーザーさん、6年8ヶ月で8万キロ走ってもほとんど劣化してないそうです↓
http://evnews.blog.jp/archives/31452198.html
ということで、最悪減りゃ換えてもらう方向でなんとか。
電池はいま日進月歩で性能上がっているので、数年経てばすごいのが出てきてるかもしれませんね。
さて充電器。
いまはスマホ用のEV充電設備検索アプリがいくつもあります。セールスさんが見せてくれると、場所が大阪市内ということもあってかバーッといっぱい出る。「へーっ」と声も出る。こんなに。自分に関係ないものって見落とすんですねえ。
もちろん日産ディーラーの多くに既に24H使える急速充電器があり、高速のSA・PAもメジャーなところはほぼ完備。検索アプリではその充電器使用中かどうか、いつ終わりそうかなども見れるそうで、もし使用中でも「ちょっと待つか」「スキップして次のSAへ」などの判断もしやすいそうです。
スマホ万歳ですな。
充電器には全国どこでも使える充電カードがあって、日産の場合(ほぼ)使い放題で月2000円です。
年間24000円と聞くと「けっこうな額じゃないか」と思われるかもしれませんが、現在レギュラーガソリンが140円/L程度ですから、170L程度。クルマにもよりますが20km/Lをコンスタントに叩き出せるトヨタ・プリウスをもってしてもわずか3400km分です。
電気代換算だともうちょっと多くて、24円/kWh程度の価格で計算すると1000kWh程度、リーフの電費は9km/kWhぐらいだそうですので、9000km分。こうなると「家に設備があってもむしろ充電に行く」ぐらいの運用をしたくなりますね(笑
戸建てのおうちに200V充電用コンセントを引くのは数万円の電気工事で、多くの日産・三菱ディーラーでは購入時にサービスしてくれる模様。
また、お家で充電するのに慣れると、ガソリンスタンドに行くのがものすごくめんどくさくなるんですって。
最近ぼくクレジットカード支払いをよく使うのですが、確かに使い始めると現金触るの面倒になりました。現金ばっかり使ってた時はそれが面倒なことだなんてこれっぽっちも思わなかったんですけどね。
担当セールスさんのお客さんに、クルマで送迎の仕事をされてる方がいて、走行月に1万キロ年間12万km。なんと家や事業所では充電せずに外の充電器ばかり使用。これで燃料代は24000円ぽっきり。
前車がフーガ、リッターで6kmとか7kmもちろんハイオク、というクルマだったこともあって、年間200万円とか浮いちゃってEV万々歳。
この方はかなり特殊なケースですが、走れば走るほどお得になる、のがEVですね。
お得といえばEVは
「オイル&オイルフィルタ交換不要」(1回5000円程度、少なくとも年1回はやりたい)
「ブレーキパッド/ローターが超減らない」(回生ブレーキで減速するので)
「鉛バッテリが無いからそれも交換要らない」(ちょっといいのだと1個2万、環境にもよりますが5年は難しい)
「タイベル?ウォポン?なにそれお菓子?」(消耗品。このへんは部品代もさることながら工賃がバカにならない)
ということで維持費が超安いそうです。
あと自動車税も「1000cc未満」扱いで(そりゃそうだ)29500円と普通車の中では最もお安い。
自治体によっては(たとえば東京都)さらにそれらの税金の優遇措置がある場合もあるのでさらにお得。
3 経済性
と、だいぶお金の話に食い込みましたが、で、それがナンボなの、と。
テスラ・モデルSみたいに「900万スタート」なんて言われたら「はい解散」ですが……
よく売れる真ん中のグレードで350万です。
これに補助金が40万出て310万、ちょっとオプション付けて(LEDヘッドライトとか)気持ち値引いて貰って乗り出し360万とかそこいらですかね。
「高っ」
と思うわけですが、実はこのへんが最近の「エエクルマ」、ちょっとキラッとしてるクルマのボリューム・ゾーンなんです。
同じ日産なら早速大人気のセレナ・ePower。
トヨタ・プリウスのPHV。標準プリウスならオプションモリモリ。
三菱・アウトランダーPHEV。
マツダ・CX-5だとFFならディーゼルいけます。ガソリンならLパケいける。
スバル・インプレッサ/XVだと2000にAWDでいろいろつけれて。あるいはレヴォーグやWRX・S4も可。
外車ならもちろん鉄板のVW・ゴルフ。
BMW・ミニもいいですね。
いずれ劣らぬ魅力的なクルマ達で、もしいま僕が乗り換える理由があって手元にそれだけの予算があれば、もうこのへん見比べてのたうち回って迷うなあ。
逆に言うと、これら綺羅星の中に入れてもじゅーぶん選択肢のひとつに入ります。
むしろ個性の点では最右翼かもしれない。
CX-5やミニだと知人と被る可能性大いにありますが、リーフは(まだ)被らんでしょう。
……とまあそんなこんな、長々書いてきましたがつまるところ、
「欲しいならもう買ってもええんちゃうかな」
と思いました。ちょい割高・ちょい運用に工夫が必要、ですが、それを補って余るぐらいには「未来きたこれ」感がちゃんとあります。
実はこの試乗の次の日に、メルセデス・ベンツのC200(もちろん2018y)に乗る機会があって、これもめちゃくちゃいいクルマだったのですが、「どっちかもらえる」となったらこの200万高い(530万〜)ベンツとの間でずいぶん悩むと思いました。
リーフかも。
そりゃお前さんはね。
ただ個人的には、初代(先代)リーフのデビュー時から思うことですが、いささか「普通」を意識しすぎてて、それがもったいない気がします。
電気使ってモーターで走る、というのはたいへんCOOLな体験で(物理的にも)そのカッコよさやイケてる感じ、これを商品全体で演出するのがちょっと足りてない。
たとえばテスラの、モデルSがクラスが違うというなら(なかなか出荷されない)モデル3とか、このインテリアをご覧あれ↓
https://www.businessinsider.jp/post-100548
これがええかどうかは別にして、「あなんか違うのきた」感は高い。
最近のドイツ勢はメーター類がディスプレイになっててシフトレバーが変な所に小さく生えてますが、これらもいいかわるいかは別にして「あたらしい」とは思います。
日産はこれからEVのヴァリエーションを増やす、と宣言してるので、まリーフもいいんですけどもうちょっと派手なプレミアム・モデルか、あるいは逆に、ハイト系軽ワゴンの床に電池敷き詰めたような道具タイプ、でできれば専用エクステリアの、があるとぐっとくるんじゃないでしょうか。そうやって大中小あると中のリーフも選ばれやすくなるような気がします(有名なセールスTipsですね)
日本勢はEVシフトに乗り遅れるのでは、という観測がちらほら聞かれますが、王者トヨタさんも夢の全固体電池にかなり目処が立ってるくさいですし(あそこは滅多なことは口に出さない三河武士だよ)、マツダに至ってはなんにもしてないふりをして、実は彼らが最も血道を上げているのが「デザイン」と「人間が感じる動質の向上」すなわちEVだろうがガソリンだろうが変わらない点で、Wintelパソコンがそうなったように
「電池とモーターはティア1(おっきい部品メーカー)から買えばいい」
ぐらいの気分なんではないですかね。いまやトヨタ系(トヨタ、ダイハツ、スバル、スズキ、マツダ)とくくるとすごい台数になりますしね。
ただ、あからさまに自動運転と相性が良さそうであり、むしろ電気自動車と人力で動かせる期間はごく短いかもしれません。現にスマホで遠くからリーフのエアコンだけ入れて冬/夏乗る前に温める/冷やす機能があり、もちろんエンジン車でもディーラーオプション2万円ぐらいでそういうメカあるんですけど、しっくり感が全然違う。
そのうちシェアライドとも絡んで、
「呼べば(自動で)来てくれて、乗り捨てれば(自動で)帰ってくれる」
ようなシェアEV時代になったら、以上のようなことは考えるのもムダなことで、
「Spotify流しっぱなし」vs「レコードを収集」
ぐらいの差、つまり
「所有するからにはエンジン車を手で動かす以外ありえん」
というような世界に、意外と早くなっちゃうかもしれません。
タイトルに書いたようにリーフの運転はすごくCOOLな経験なんですけど、運転に(すくなくともクルマ好きが)求めるものはCOOLさですか?
HOTさですよね。
とかなんとか考えると「や、やっぱりエンジンをMTで操っておかないと」という焦りに似た感情が芽生えて悶々として暮らすのです。
posted by 犀角 at 19:58| クルマ
2018年04月21日
メルセデス・ベンツA180 (2013y)
おうちにベンツが来たぞー!
家人が個人売買で手に入れました。
色パール、ナビ・スライディングルーフ・ナイトパッケージ(電動メモリーシート&専用ホイール)付きもちろんD車(ヤナセ)。距離17,000、前オーナーが撫で擦るように大切に乗ってたので内外装ビッカビカです。
Aクラスというのはメルセデスにおいては……と歴史を語り出すと隣の奥さんがエクトプラズムの抜けた顔をするので割愛して、つまり「ベンツのゴルフ」です。呪文を唱えると「FFのCセグメント・ハッチバック」。世界で最も売れるボディタイプ・サイズで、先述のVW・ゴルフを筆頭にフォード・フォーカスやルノー・メガーヌ、プジョー308、日本勢ではマツダ・マツダ3(アクセラ)、スバル・インプレッサ、あるいは日本市場で復活なったホンダ・シビックやトヨタ・カローラ(のハッチバック旧名オーリス)。
いずれも大名跡、つまり各社気合いの入ったエースが集う最激戦区。SUVだHVだいやEVだと激変中のクルマ・シーンにおいても、王道直球ド真ん中、いわばファミレスにおけるハンバーグ定食です。
ロイホやデニーズやガストが覇を競い、あるいは地元の洋食屋も腕によりをかけるこのボリューム・ゾーンに、ランチでも3000円以下ではとうてい食えないような高級レストランが殴り込みを掛けた……のが現行Aクラス。
(ちなみにこれ3代目で前2代はまるでコンセプトが異なり、たいへん野心的。そちら興味あるかたはググるかウィキってください)
で乗ってみた感想。
「製品としては多少無理があるけど、商品としてはエグい」。
メカ的に(また呪文を唱えますが)ダウンサイジング・ターボにDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)、というまったくVW・ゴルフに真っ向対抗している──のがモロに災いしてて、ハッキリ申し上げましてゴルフのほうが数段デキが良いです。
逆に、こんなメカであんな完成度を誇ってるゴルフはスゲエな!と感心し直しました。
「ダウンサイジングターボとか意味あらへんで」
とマツダのMr.SKYACTIV・人見常務が事あるごとにブツブツ呟くように、ホントにこれ意味ないですね。というか繰り返しますがこれを成立させたVWの(変な)執念がすごすぎるだけで、普通に作るとこうなっちゃう。
つまり微低速トルクの無い(ボディサイズに比して)小排気量で圧縮比もターボ用に低いからスッカスカ、それを伝えるトランスミッションが普通のトルクコンバータ付きステップAT(もしくはCVT)なら、トルク増幅効果でまだ多少ごまかしも効くものの、よせばいいのにデュアルクラッチ系だから生トルクそのままダイレクトに伝えちゃう。
要するにとにかく出足で前に進まない。
はじめて運転した弟が、真っ青な顔で(たぶん)運転中にLINEしてきて、
「これなんかドライブモードとかあるの!?
遅すぎて軽に置いていかれる!!」
もちろん僕の答えは、
「いいから踏め」
アクセル踏んで燃料を過剰に供給すると(つまりガソリンをたくさん使うと)ようやくターボが回りだし、力がモリモリ出て(いうてもMax20kg・m程度、つまりNAの2000cc程度ですけど)ダイレクトなDCTを伝わって俄然走り出す。
で、走り出してしまえばそこは痩せても枯れてもメルセデス。スリーポインテッド・スターを燦然と輝かせるだけの誇りと拘りがてんこ盛り。オプションの18インチ・低ハイト・シューズは切り始めから極めてクイックなハンドリングで、まるでNBA選手のように右に左に左に右にステップを踏みまくる。
なにより白眉はその「Mercedes-Benz」ロゴ入りブレーキで、軽く踏んだだけで地球の自転が止まりそう。タッチ・剛性感・実の効きいずれを取ってもここばかりはいつまで経っても国産車と欧州車の違いを見せつけられる素晴らしさ。(その代わりダストすごいけどね)
簡単に言うとヤケクソにスポーティ。
穿った見方をすると、「ゴルフがやってることぐらいウチでもできるだろ」と標準的なFFにダウンサイジング・ターボ+DCTを使ってみたら、どこをどうやってもゴルフのような完成度にならず、慌ててとにかくスポーティな出で立ちと装備を整えて「踏めばごまかせる」という仕立てにでっち上げた、感がありありです。
そりゃ普段セレブ相手の高級レストランが「ちょっとやってみようかな」と作ってみたメニューと、「これがダメならお店が終わる」という危機感で造り込まれた本気のド主力メニューでは、やっぱりトータルの差は出ますよそりゃ。
いつも思うことですが、メカというのはフォーマットや形式そのものが良さを生むわけではなく、どれだけそのフォーマットの良さを引き出すように丹念に丁寧に作り込むか、ですわ。
逆にメルセデス擁護方面から穿つと、やはり基本的に顧客年齢層の高いブランドだけあって若い人が欲しい。若い人狙うならスポーティだ。よし踏めば走るようにしよう。
「そんな単純なもんかいな」
と思っちゃったりもしますが、現実はその狙い通り実に単純で、他のメルセデスより10歳若い顧客を全世界で5年間で300万人もゲットできたようです。
すごいですね。
あと細かいことを言うと、
「シューズが大きすぎてドタドタする、特にリア」
「スライディング・ルーフ近傍から低級音」
「ATセレクターがこんな形と場所である必然性あるか?」
「操作性悪いなこのナビ!」
「でもスマホを掲示できる場所はない」
など疑問もいくつかありますが、そんなんは慣れで。
ウインドウの天地方向が狭くて穴蔵感あるのも個人的に好きでないですが、まあこれはスポーティとも言える。広いのがよけりゃミニバンでも乗ってなさい、と。
いや5年前というのは言い訳にならないですよ、ゴルフ7も現行アクセラも同年デビュー。
ということで、このクラス、つまりCセグハッチバックが欲しいなら、僕はやっぱりゴルフおすすめ。だいぶ安いですしね。
外車は敷居が高い、と思われるのならばマツダ・アクセラ(ベストバランスは1500ガソリンですが、飛び道具が欲しければディーゼルで)か、スバル・インプレッサ(FF1600も良いですが、こちらはできれば4WDにして重い車重と足りないトルクを2000で補う。せっかくのスバルだし)。今度のカローラ・ハッチも新世代ボディなので期待大です。得意のHVあるでしょうし。
さあ。
ほいじゃ結構ピーキーなクルマが来ちゃってガッカリしてるか、というとさにあらず。ここで、
「製品と商品は違う」
という製造業一般の永遠のアンビバレンツが炸裂します。
商品としては、すばらしいのよ。
見て、この夜ドア開けたらランプが柔らかに足元を照らし出し、スカッフ・プレートに浮かび上がる「Mercedes-Benz」の光文字。
このギミックそのものはある程度(だいたいベースグレードで250万とか)の額から上のクルマには普通にオプションで用意されてるものですが、これがこんなに威力を発揮するのはやっぱり「メルセデス・ベンツ」だから。
わたしこのクルマ乗って平日昼間の動物病院にネコ連れて行ったんです、歯の治療にね。adidasのジャージ着て。
もうすごいよこのシチュエーション、愛車マツダ・デミオだったらなんの問題もないこの姿が、ベンツになった途端、なんか小狡いことして小銭貯めた小悪徳中国人実業家なぜか日本在住、暇と金はあるからペットに夢中、みたいな姿になる。
ベンツすごい。
ベンツすごい。
もう深夜のガストとか恥ずかしくてこれでいけない。ベンツ乗ってるくせにセットドリンクバーのスマホクーポン10番を出すとか到底できない。縦並び入れ替えしてでもデミオ出す。
ルイ・ヴィトンのモノグラム・シリーズを平気で使いこなせるかどうか、みたいな。この気恥ずかしさは「外車」とか「変なクルマ」っていう括りではおそらく発生しない。なぜなら私もそういうのは3つ乗って経験している。
やっぱりそれは、ベンツだから。
ああ、そりゃみんな欲しがるわ。
そしてそういう場合、「欲しいならお売りしますよ」と言われたものをありがたく頂戴、つまりいただいて・いただけばよいのです。
デキがいいとか悪いとか言ってるような客はいや客になろうとする気の無い者はこちらからノー・センキューいやナイン・ダイケ、社是もちろん「最善か無か」、「メルセデスかそうでないか」が問題であって、それがどういうモノかなどはまるで問題ではないのです。
それが、わずか、300万円からスタート。
すごい。
すごすぎる。
もう買うしかない。
買おう!
イエス・メルセデス・イエス!
クルマには「社会との関係性」と「自分との関係性」があり、どちらに重心を置くかはもちろんその人それぞれで良いも悪いも無いのですが、わたしのようなクルマ・バカどもは基本的に後者ばかりを考えがちで前者を無視あるいは軽視しがち。
しかし、どちらにせよ極まっているものにはそれ相応の魅力・魔力・破壊力があり、前者極めたるこのメルセデス、いい勉強になりました。
人はクルマを買うのではない、クルマで得られる体験を買うのだ。
本国で新型(4代目)が出たので夏には日本にも来るでしょう。もともと中古車お安い(200も出せばピカピカのが買えます)3代目、さらに安くなりそう・かつ・そもそも乗り方が丁寧な個体が多そうな車種なので、この気恥ずかしさに身悶えたい方はぜひどう……いや2013で200出せば先代Cが買えるな。そっちかな……いやそれはこの項の主旨に反する、クルマは物を買うんじゃない、気合いを夢を希望を買うんだ。
この葵の御紋(のようなスリーポインテッド・スター)、誰よりもドライヴァーの身と心に効きますぜ。
posted by 犀角 at 00:00| クルマ
2017年12月11日
マツダ・CX-8 試乗
ご無沙汰です。
馴染みのディーラーにマツダの新型SUV、その名も「CX-8」が配車されたので乗ってきました。
顔は大人気の2代目CX-5と同じ、エンジンも基本的に同じ2200ディーゼルターボ、だから「CX-5のストレッチ・ヴァージョン」だろう、と誰もが予想します。が、乗ると、
×「ストレッチ5」
○「シュリンク9」
つまり北米でCX-5の兄貴分に当たるCX-9というSUVがあるのですが、それの小さいの。
ぜんぜん違う乗り味です。
スポーツカーもかくや、という俊敏性と軽快感を見せる5とは違い、おっとり&しっとり。さらに静かでさらに滑らか。
事前予想のようにCX-5と「2列か3列か」で悩むということはあまり無さそうです。
新世代マツダ車のすごいところは、デミオからこのCX-8まで、サイズもウェイトもキャラクターも何もかも違うのに、乗り始めれば最初の角を曲がるまでに「同じように乗れる」ことです。
これは地味に凄いことなんですよ、たとえばトヨタでヴィッツとハリアーが同じように乗れるかっていうとそうはいかない。やっぱり何十分か、人によっては数日掛けて馴染むもんです。
つまりメーカーとして
「クルマというものはドライヴァーにこう操縦してもらおう」
という意思統一ができていてかつそれを製品に落とし込むことができている。すばらしい。
もちろんクルマのキャラクターごとに運転感覚を変えてあることが悪いことではないのですが、そうすると例えば買い換える時に、「カッコは気に入ったけど走りがなじまない」「機能はどんぴしゃりだけどなんだか運転しづらい」などという残念なケースが発生します。
マツダなら大丈夫(たぶん)。
まあ小世帯なのでそうでもせんと生き残れないという危機感の現れでもあるのですが、ユーザー目線で見るとあれもこれもみな兄弟、みたいなわけのわからない豊かな気分になれるんですよマツダディーラー行くと。いやホントに。
ぼくのデミオは旧世代だけどな。
このCX-8ですがこの巨体にして実は(今のところ)日本専用車で、9のある北米はもちろん欧州にも出さないそうです。
ミッションは2つ。
1つはミドルSUVでCX-5では物足りない層への訴求、具体的にはボルボXC60(COTYカー・オブ・ザ・イヤーおめでとう。ボトム550万円・車幅1900mmのクルマに「日本」カー・オブ・ザ・イヤー出していいのかどうかは疑問ありますが、クルマそのものはカッコもいいし評判も高いですね)のような外車ミドルSUVや、国産でもレクサスRXあたりの高額車と戦う。
もう1つはMPV、ビアンテ、そしてプレマシーと3車種もあった3列シート車(6〜7人乗り)の需要を受け止める。この手のミニヴァンは世界的にすっかり人気が落ち、ほぼ国内需要だけのガラパゴス車種。マツダの規模では維持しづらいわけです。
前者についてはいいとこイケると感じました。
上述XC60は実質600万からのクルマですから(アウディとかベンツとかBMWだともっと高い)内外装のクオリティも安全装備も負けてなくて200万も安い。
それこそちょっと古いクラウンなどお乗りの方も、クラウンのHVとかに代替えしようとすると600万仕事なわけです。かといってアルファードってのもなぁ……と、これ見ると、えっ、400でこんなに?
ぼくが若かりし頃に間違ってBMWの3とか買って(E46の最初の方とか)「替えがない」とかほざいてずっと乗ってたけどもう限界、ふらりと入ったマツダDでこれを観たらその場でBMのキーホルダーになってるスイスアーミーで親指切って拇印押して契約ですわ。
「こんな安いのこれ!? いいの!? これが価格破壊!?」
とか絶叫しながら。
問題は後者です。
無理ですな。
問題は3列目へのアクセスです。
SUVは床が高いので、46歳運動不足のぼくでもうしんどい。ましておじいちゃんおばあちゃんにやらせるのは酷だ。さりとてちいちゃい子どもを3列目に乗せるには忍びない(視界が悪い&追突時に危ない)。
空間は結構広くて、まあ一駅先のレストランに6人でディナー、なら大丈夫です。でも大阪から京都へドライブ行こう、と言われると辛い。
だからまあ緊急用というか、なにかわからないんですが「なにか」を納得させるためのもの、という気がします。
私がどうこう言う筋合いでもないですが、販売店的にも上記3車のお客をごっそり失うと思うので、せっかく提携してることだしノアヴォクエスク3兄弟(と、できればシエンタも)をOEMしてもらったらいいんでないですかね。車名はボンゴで。
という感じ。
どういう人が見るかで評価の変わるクルマだと思いました。
でもブツ的にはとてもいいよ。「CX-5はいいと思うけどもうちょっとゆったり走りたいなあ」とかなんとか思ってXC60に心惹かれてるアナタ、まあいっぺん乗ってみなはれ。
ええで。
5と並べてあると、デザイン的にも胴が長い分まとまってる気もする。新世代マツダ車はノーズが長いので、ボディ後半はよりボリューミーな方がバランスがいい。
もちろん小生にはいささかtoo muchですが。
以下余談。
「この2017年末にこのクラスに画面7インチはどうなの」という話がありますが、むしろデジタルリテラシー高めの人はもうクルマに付いてる画面なんか観てないんじゃないですかね。
我が身省みても思うんですけど。
スマホ観た方が何かと早い。ロータリーコマンダーだろうがタッチパネルだろうが、使い慣れた現物で入力するのには敵わない。音楽なんかも、最近じゃ選曲もせずにBluetoothで飛ばしたSpotify垂れ流し……になってきてますよね。
画面サイズそのものも6インチ近くになってきてて、2DINいっぱいってだいたい7インチワイドなんですけど(たぶんマツダはそれでこのサイズにとどめてるんだと思う)割と使いものになる。
さあこうなってしまうと、12インチとかが眼前にズデーン付いてると「これ要らんなぁ…」て感じません? だからといってもちろん、エアコンなんかの操作も統合しちゃうのは最悪ですしね。
この、「画面どのぐらいの存在感にしようか?」は今世界中でデザイナーたちがのたうち回ってるんじゃないかと思ったり。
マツダはできるだけひっそりさせる方向。東モに出てたコンセプトカー2台ともそうでした。とりあえず短期的にはそっちが正解だと思う。
馴染みのディーラーにマツダの新型SUV、その名も「CX-8」が配車されたので乗ってきました。
顔は大人気の2代目CX-5と同じ、エンジンも基本的に同じ2200ディーゼルターボ、だから「CX-5のストレッチ・ヴァージョン」だろう、と誰もが予想します。が、乗ると、
×「ストレッチ5」
○「シュリンク9」
つまり北米でCX-5の兄貴分に当たるCX-9というSUVがあるのですが、それの小さいの。
ぜんぜん違う乗り味です。
スポーツカーもかくや、という俊敏性と軽快感を見せる5とは違い、おっとり&しっとり。さらに静かでさらに滑らか。
事前予想のようにCX-5と「2列か3列か」で悩むということはあまり無さそうです。
新世代マツダ車のすごいところは、デミオからこのCX-8まで、サイズもウェイトもキャラクターも何もかも違うのに、乗り始めれば最初の角を曲がるまでに「同じように乗れる」ことです。
これは地味に凄いことなんですよ、たとえばトヨタでヴィッツとハリアーが同じように乗れるかっていうとそうはいかない。やっぱり何十分か、人によっては数日掛けて馴染むもんです。
つまりメーカーとして
「クルマというものはドライヴァーにこう操縦してもらおう」
という意思統一ができていてかつそれを製品に落とし込むことができている。すばらしい。
もちろんクルマのキャラクターごとに運転感覚を変えてあることが悪いことではないのですが、そうすると例えば買い換える時に、「カッコは気に入ったけど走りがなじまない」「機能はどんぴしゃりだけどなんだか運転しづらい」などという残念なケースが発生します。
マツダなら大丈夫(たぶん)。
まあ小世帯なのでそうでもせんと生き残れないという危機感の現れでもあるのですが、ユーザー目線で見るとあれもこれもみな兄弟、みたいなわけのわからない豊かな気分になれるんですよマツダディーラー行くと。いやホントに。
ぼくのデミオは旧世代だけどな。
このCX-8ですがこの巨体にして実は(今のところ)日本専用車で、9のある北米はもちろん欧州にも出さないそうです。
ミッションは2つ。
1つはミドルSUVでCX-5では物足りない層への訴求、具体的にはボルボXC60(COTYカー・オブ・ザ・イヤーおめでとう。ボトム550万円・車幅1900mmのクルマに「日本」カー・オブ・ザ・イヤー出していいのかどうかは疑問ありますが、クルマそのものはカッコもいいし評判も高いですね)のような外車ミドルSUVや、国産でもレクサスRXあたりの高額車と戦う。
もう1つはMPV、ビアンテ、そしてプレマシーと3車種もあった3列シート車(6〜7人乗り)の需要を受け止める。この手のミニヴァンは世界的にすっかり人気が落ち、ほぼ国内需要だけのガラパゴス車種。マツダの規模では維持しづらいわけです。
前者についてはいいとこイケると感じました。
上述XC60は実質600万からのクルマですから(アウディとかベンツとかBMWだともっと高い)内外装のクオリティも安全装備も負けてなくて200万も安い。
それこそちょっと古いクラウンなどお乗りの方も、クラウンのHVとかに代替えしようとすると600万仕事なわけです。かといってアルファードってのもなぁ……と、これ見ると、えっ、400でこんなに?
ぼくが若かりし頃に間違ってBMWの3とか買って(E46の最初の方とか)「替えがない」とかほざいてずっと乗ってたけどもう限界、ふらりと入ったマツダDでこれを観たらその場でBMのキーホルダーになってるスイスアーミーで親指切って拇印押して契約ですわ。
「こんな安いのこれ!? いいの!? これが価格破壊!?」
とか絶叫しながら。
問題は後者です。
無理ですな。
問題は3列目へのアクセスです。
SUVは床が高いので、46歳運動不足のぼくでもうしんどい。ましておじいちゃんおばあちゃんにやらせるのは酷だ。さりとてちいちゃい子どもを3列目に乗せるには忍びない(視界が悪い&追突時に危ない)。
空間は結構広くて、まあ一駅先のレストランに6人でディナー、なら大丈夫です。でも大阪から京都へドライブ行こう、と言われると辛い。
だからまあ緊急用というか、なにかわからないんですが「なにか」を納得させるためのもの、という気がします。
私がどうこう言う筋合いでもないですが、販売店的にも上記3車のお客をごっそり失うと思うので、せっかく提携してることだしノアヴォクエスク3兄弟(と、できればシエンタも)をOEMしてもらったらいいんでないですかね。車名はボンゴで。
という感じ。
どういう人が見るかで評価の変わるクルマだと思いました。
でもブツ的にはとてもいいよ。「CX-5はいいと思うけどもうちょっとゆったり走りたいなあ」とかなんとか思ってXC60に心惹かれてるアナタ、まあいっぺん乗ってみなはれ。
ええで。
5と並べてあると、デザイン的にも胴が長い分まとまってる気もする。新世代マツダ車はノーズが長いので、ボディ後半はよりボリューミーな方がバランスがいい。
もちろん小生にはいささかtoo muchですが。
以下余談。
「この2017年末にこのクラスに画面7インチはどうなの」という話がありますが、むしろデジタルリテラシー高めの人はもうクルマに付いてる画面なんか観てないんじゃないですかね。
我が身省みても思うんですけど。
スマホ観た方が何かと早い。ロータリーコマンダーだろうがタッチパネルだろうが、使い慣れた現物で入力するのには敵わない。音楽なんかも、最近じゃ選曲もせずにBluetoothで飛ばしたSpotify垂れ流し……になってきてますよね。
画面サイズそのものも6インチ近くになってきてて、2DINいっぱいってだいたい7インチワイドなんですけど(たぶんマツダはそれでこのサイズにとどめてるんだと思う)割と使いものになる。
さあこうなってしまうと、12インチとかが眼前にズデーン付いてると「これ要らんなぁ…」て感じません? だからといってもちろん、エアコンなんかの操作も統合しちゃうのは最悪ですしね。
この、「画面どのぐらいの存在感にしようか?」は今世界中でデザイナーたちがのたうち回ってるんじゃないかと思ったり。
マツダはできるだけひっそりさせる方向。東モに出てたコンセプトカー2台ともそうでした。とりあえず短期的にはそっちが正解だと思う。
posted by 犀角 at 21:36| クルマ
2017年02月04日
新型マツダ・CX-5試乗 のひみつ

ということで早速乗ってまいりました。ガソリン2500・FF・Lパッケージ(上の写真)と、ディーゼルターボ2200・FF・PROACTIV(下の写真グレー)です。

見た目はご覧のとおり、シンプルに見えますが実車は意外と複雑な面でできていて、とてもキレイです。派手すぎず、しかし周りに埋没するでもなく。白もマシーングレーも似合ってますね。
G(ガソリン)>D(ディーゼル)の順に乗ったのですが、個人的に好みだったのはガソリンの方。ノーズが軽いのでこの図体にしてくるくる回る感じ。脚も19インチ(!)のネガがあまり出てなくて、オド100キロ台のおろしたてとは思えないしなやかさ。エンジンも、さすがに2500あれば十分パワフルです。ATとのマッチングもよく車内も静か。Lパッケは内装の質感も一段とアップ、いやもうこれで、と思ったのですが……
やっぱりDに乗るとトルクが違う。アクセルに乗せた足にほんのすこし圧を掛けるだけでスルスル前に出ていく感覚は、一度乗るとヤミツキ。いまマツダ買うなら2.2Dだろ、と叫びたくなりますな。踏んで、2個目のタービンが回りだすと鬼のように加速するしね。
ただし車重、特にノーズがGに比べて70kgも重い分、脚を硬めてあるのか、Gよりわずかに跳ねます。タイアの銘柄も違うのかな?(未確認)
ということで、最近のマツダ車はどれもこれも
「GかDか」
で悩むわけですが、これもまあそうです。
ここだけの話、ぼく個人的にはどのクルマも(デミオ、アクセラ、アテンザ)Gがスムーズで好き。もう少し正確にいうと、重くてパワフルなDが成立するようバランス取ってあるので、軽くてローパワーなGを載せるといわゆる「シャシーが勝った」余裕が感じられるんです。これが欧州車っぽい。国産なら昔のインプの1500とか。
だもので自分で買うとするなら、2000の試乗車にも乗せてもらって、FFとAWDでも悩みつつウンウン言って愉しむことにします。(革シート好きでないのですが、2500のFFはLパケしかない)2000だってアレですよ、エクストレイルだってハリアーだってCR-Vだって2000あるんだから(しかもCVTだ)。だから大丈夫。
色も、展示会で観た時はあまりの華やかさに「こんなもんソウル一択だろ」と思いましたが、いや白もグレーも着こなしており、この調子なら黒や紺やシルバーもカッコイイでしょうから、これも現車観てのたうち回ることにする。
新世代マツダ車乗っていつも感心するのが、ロードスターRFからCX-5まで、車重もサイズもエンジンもパワーもまったく違うのに、走り出して3分もすればストレスなく同じように操れるところです。ドライビング・ポジション、操作系、視界の作り方、そしてクルマの挙動。少ラインナップだからこそできる芸当、弱みを強みに、いいですねえ。
さりながら!
おちゃぶを返すようですが!
こんなに大きくて(おまえ今乗ってるのもっと長いRBオデッセイやろが)
お高いクルマは(内容考えるとむしろお得よ!?)
小生にはいささか too muchであるッ!(涙)
【公式サイト】
http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/
posted by 犀角 at 09:02| クルマ
2017年02月03日
新型マツダ・CX-5先行展示

やや旧聞ですいません、昨年12月16日にグランフロント大阪で新型マツダ・CX-5のプロトタイプ展示会がありました。プロトってもたぶん量産試作車なのでほぼ量産車です。
場所柄と行った時間帯(18時前後)もあると思いますがまーおっさんの食いつきが凄い(君もや)。座れたのですが長蛇の列ができた上に一人が(恵比須顔で)座ってる時間長ぇのなんの。さしもの僕も諦めました。

しかし行った甲斐あって、メチャクチャキレイだったです、新型。カタチもいいし、色がとにかく最高。旧型もカッコイイですが、並べるとたぶんちょっと若すぎる感じがすると思う。ガソリン2000FFで我慢しても諸費用込み300万行っちゃうクルマですから、すこし年齢層上め狙いでいいんでしょうね。
予約もよく入ってるようで、旧型オーナーもたぶんたくさん予約してる。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1042141.html
で、なぜ慌ててこんな記事書いてるかというと、この週末には全国の販社に試乗車が配車されるようなので。(なにか急用でもない限り)行きますとも乗ってきますとも。
旧型は出てすぐにファミレスに行ったところ、駐車場になんか見たことないすごい人目惹くクルマがあって、
「なんだあれ、オレの知らん外車か!?
……違う、CX-5とやらだこれ!」
みたいな出会い。珈琲を一気呑みしてその足で近くのマツダ・ディーラーに飛び込み、そこで出会ったセールスさんから……DEデミオを買いました(笑)いや、ちゃんと2.2Dも試乗させてもらいましたよ。トルクの太さもさることながら、あの巨体が軽やかに回頭して強いブレーキ掛けてもノーズダイブが抑えられてて、ものすごく走り易かったのが印象的でした。「これはいいぞ」と。
……というようなことがあって、ちょいと思い入れがあるんです。出た当時はブランニュー・モデルでソウルレッドもマツダコネクトもまだ無かった頃なのに、もはや4番バッター。
わずか数年で、変われば変わるもんです。
posted by 犀角 at 16:22| クルマ
2017年01月28日
マツダ・ロードスターRF試乗

マツダ・ロードスター「RF」乗ってきました。
ロードスターには屋根が2種類あって、手動・幌(ソフトトップ)と、電動・硬い素材(アルミや樹脂=ハードトップ)です。このRFは後者。先代にも両方あったんですが、今回は、
・屋根が半分残る
・エンジンも違う(当然走りも違う)
てなあたりが注目点。
で、結論から言いますと、
「あ、これぜんぜん違うクルマだ」
いわば「ネネさんかリンコか」という問題であり、「ネネさんの髪型はショートかロングか」というような話ではない。
つまり悩みようもない。
まず大きな差のひとつめ、デザインですが、これはもう文句なし。
現車は写真よりさらにいいです。ぜひ現車をご覧あれ。
この、長くて広いノーズの後端にちいさなキャビンがあって、後輪のすぐ前にドライヴァーが乗る感じ、ここ、これが贅沢なんですよ。FR(フロントエンジン・リアドライブ)で2座のスポーツ・カーにしか許されないシルエット、プロポーションなんです。S30フェアレディZ、ヨタハチ、C3コーヴェット・スティングレー、カプチーノ、そして我らが2000GT、いやもうセヴンを持ち出してもいいかもしんない。とにかくこここれだけで私らみたいなクルマ・バカズはノックアウト。
特に斜め後ろから見て。
このグラマラスなおちり。

僕は違いますが男子には一定割合で「おちりフェチ」がいらっしゃってですね、いいおちりを見かけると街中でもところかまわず
「Hey Siri!」
言うたはるでしょう。あの気持ちちょっとわかる。
座って走り始めても、確かに開放感そのものは少し減っていますが、逆に微妙に包まれている感じが居心地いい。フルオープンだとどうしても、人の目線が気になってちょっと緊張したりしますが、それがほとんど無い。こっちを好む人も多そうです。
また、天下のロードスターであってもよほどのオープン好きでない限り、閉めてる時間の方が長いはず。その場合の快適性は文句なくこっちが上。数値上のヘッドクリアランスはRFの方が15mmほど小さいはずですが、安心感がある。
ということでデザインでいうとこっちの方が好み。
しかし走り出すと印象がガラッと変わる。
幌の軽快によく回る1500に対して、この2000は回して盛り上げるタイプ。しかもファイナルがハイギアードなので、
「ご・ぉぉぉおおおおおおん……」
と加速する。1500はその一拍無しで
「ぎゃーーん……」
という感じ。脚もそれに対応して硬め、タイアも大きく、ボディも強化、幌車よりはっきりとハード&ワイルドです。
推し色・マシーングレーや、(試乗車VSだったので)茶とエンジの中間のようなステキ色の革シート、そして電気で開閉する屋根。イメージとしては「大人のGT」と思ってしまうかもしれませんがなんの、幌車よりぐっと体育会系寄り。
個人的には幌の軽快感の方が好きかなあ。
正直僕には手に余る気がしました。
いやもちろん1500でも使いこなせないんですけど。
イメージ的には1500が隼なら2000は飛燕。
いやもちろんどっちも乗ったこと無いですけど。
ていうか、北米は全部2000だそうですが、この1500知らないアメリカのミアータ・ファンは若干かわいそうやな、とすら思った。初代NAの「あのかんじ」にどちらが近いかといえば、間違いなく幌車の方です。
世のクルマ好きはロードスターのwebやカタログを眺めながら、
「どっちにしようかな」
とお悩みの真っ最中かと思いますが、乗ると(幸か不幸か)悩みはなくなります。
えっ。
『リンコの性格のネネさんが欲しい』?
そんなめんどくさいのは……いや、むしろありか?
確かに幌2000もRF1500もありえない話ではないと思いますが、まあそん時はそん時だ。また試乗して考えりゃいい。
ロードスターはグレードやミッションによってセッティングがぜんぜん違うので(同じ幌SスペでもMTとATで脚違うよ!)、もし本気で買う予定あるなら「それ」を持ってきてもらって試乗してください。
個人的には、RFのデザインに後ろ髪引かれつつ、やっぱり幌かな。
RFはエンジンも、それによって得られたスピードも、脚もタイアも、複雑な屋根機構も、そしてなによりお値段も、小生にはいささかtoo muchです。
(ちなみに幌車はこんな感じ)


(すべて本を舐め回すように観てガマンする の巻)
posted by 犀角 at 08:01| クルマ