2017年12月11日

マツダ・CX-8 試乗

 ご無沙汰です。
 馴染みのディーラーにマツダの新型SUV、その名も「CX-8」が配車されたので乗ってきました。

 顔は大人気の2代目CX-5と同じ、エンジンも基本的に同じ2200ディーゼルターボ、だから「CX-5のストレッチ・ヴァージョン」だろう、と誰もが予想します。が、乗ると、
×「ストレッチ5」
○「シュリンク9」
 つまり北米でCX-5の兄貴分に当たるCX-9というSUVがあるのですが、それの小さいの。
 ぜんぜん違う乗り味です。
 スポーツカーもかくや、という俊敏性と軽快感を見せる5とは違い、おっとり&しっとり。さらに静かでさらに滑らか。
 事前予想のようにCX-5と「2列か3列か」で悩むということはあまり無さそうです。

 新世代マツダ車のすごいところは、デミオからこのCX-8まで、サイズもウェイトもキャラクターも何もかも違うのに、乗り始めれば最初の角を曲がるまでに「同じように乗れる」ことです。
 これは地味に凄いことなんですよ、たとえばトヨタでヴィッツとハリアーが同じように乗れるかっていうとそうはいかない。やっぱり何十分か、人によっては数日掛けて馴染むもんです。
 つまりメーカーとして
「クルマというものはドライヴァーにこう操縦してもらおう」
という意思統一ができていてかつそれを製品に落とし込むことができている。すばらしい。
 もちろんクルマのキャラクターごとに運転感覚を変えてあることが悪いことではないのですが、そうすると例えば買い換える時に、「カッコは気に入ったけど走りがなじまない」「機能はどんぴしゃりだけどなんだか運転しづらい」などという残念なケースが発生します。
 マツダなら大丈夫(たぶん)。
 まあ小世帯なのでそうでもせんと生き残れないという危機感の現れでもあるのですが、ユーザー目線で見るとあれもこれもみな兄弟、みたいなわけのわからない豊かな気分になれるんですよマツダディーラー行くと。いやホントに。
 ぼくのデミオは旧世代だけどな。

 このCX-8ですがこの巨体にして実は(今のところ)日本専用車で、9のある北米はもちろん欧州にも出さないそうです。
 ミッションは2つ。
 1つはミドルSUVでCX-5では物足りない層への訴求、具体的にはボルボXC60(COTYカー・オブ・ザ・イヤーおめでとう。ボトム550万円・車幅1900mmのクルマに「日本」カー・オブ・ザ・イヤー出していいのかどうかは疑問ありますが、クルマそのものはカッコもいいし評判も高いですね)のような外車ミドルSUVや、国産でもレクサスRXあたりの高額車と戦う。
 もう1つはMPV、ビアンテ、そしてプレマシーと3車種もあった3列シート車(6〜7人乗り)の需要を受け止める。この手のミニヴァンは世界的にすっかり人気が落ち、ほぼ国内需要だけのガラパゴス車種。マツダの規模では維持しづらいわけです。

 前者についてはいいとこイケると感じました。
 上述XC60は実質600万からのクルマですから(アウディとかベンツとかBMWだともっと高い)内外装のクオリティも安全装備も負けてなくて200万も安い。
 それこそちょっと古いクラウンなどお乗りの方も、クラウンのHVとかに代替えしようとすると600万仕事なわけです。かといってアルファードってのもなぁ……と、これ見ると、えっ、400でこんなに?
 ぼくが若かりし頃に間違ってBMWの3とか買って(E46の最初の方とか)「替えがない」とかほざいてずっと乗ってたけどもう限界、ふらりと入ったマツダDでこれを観たらその場でBMのキーホルダーになってるスイスアーミーで親指切って拇印押して契約ですわ。
「こんな安いのこれ!? いいの!? これが価格破壊!?」
とか絶叫しながら。

 問題は後者です。
 無理ですな。
 問題は3列目へのアクセスです。
 SUVは床が高いので、46歳運動不足のぼくでもうしんどい。ましておじいちゃんおばあちゃんにやらせるのは酷だ。さりとてちいちゃい子どもを3列目に乗せるには忍びない(視界が悪い&追突時に危ない)。
 空間は結構広くて、まあ一駅先のレストランに6人でディナー、なら大丈夫です。でも大阪から京都へドライブ行こう、と言われると辛い。
 だからまあ緊急用というか、なにかわからないんですが「なにか」を納得させるためのもの、という気がします。
 私がどうこう言う筋合いでもないですが、販売店的にも上記3車のお客をごっそり失うと思うので、せっかく提携してることだしノアヴォクエスク3兄弟(と、できればシエンタも)をOEMしてもらったらいいんでないですかね。車名はボンゴで。

 という感じ。
 どういう人が見るかで評価の変わるクルマだと思いました。
 でもブツ的にはとてもいいよ。「CX-5はいいと思うけどもうちょっとゆったり走りたいなあ」とかなんとか思ってXC60に心惹かれてるアナタ、まあいっぺん乗ってみなはれ。
 ええで。
 5と並べてあると、デザイン的にも胴が長い分まとまってる気もする。新世代マツダ車はノーズが長いので、ボディ後半はよりボリューミーな方がバランスがいい。
 もちろん小生にはいささかtoo muchですが。

 以下余談。
「この2017年末にこのクラスに画面7インチはどうなの」という話がありますが、むしろデジタルリテラシー高めの人はもうクルマに付いてる画面なんか観てないんじゃないですかね。
 我が身省みても思うんですけど。
 スマホ観た方が何かと早い。ロータリーコマンダーだろうがタッチパネルだろうが、使い慣れた現物で入力するのには敵わない。音楽なんかも、最近じゃ選曲もせずにBluetoothで飛ばしたSpotify垂れ流し……になってきてますよね。
 画面サイズそのものも6インチ近くになってきてて、2DINいっぱいってだいたい7インチワイドなんですけど(たぶんマツダはそれでこのサイズにとどめてるんだと思う)割と使いものになる。
 さあこうなってしまうと、12インチとかが眼前にズデーン付いてると「これ要らんなぁ…」て感じません? だからといってもちろん、エアコンなんかの操作も統合しちゃうのは最悪ですしね。
 この、「画面どのぐらいの存在感にしようか?」は今世界中でデザイナーたちがのたうち回ってるんじゃないかと思ったり。
 マツダはできるだけひっそりさせる方向。東モに出てたコンセプトカー2台ともそうでした。とりあえず短期的にはそっちが正解だと思う。
posted by ながた at 21:36| クルマ

2017年02月04日

新型マツダ・CX-5試乗 のひみつ



 ということで早速乗ってまいりました。ガソリン2500・FF・Lパッケージ(上の写真)と、ディーゼルターボ2200・FF・PROACTIV(下の写真グレー)です。



 見た目はご覧のとおり、シンプルに見えますが実車は意外と複雑な面でできていて、とてもキレイです。派手すぎず、しかし周りに埋没するでもなく。白もマシーングレーも似合ってますね。

 G(ガソリン)>D(ディーゼル)の順に乗ったのですが、個人的に好みだったのはガソリンの方。ノーズが軽いのでこの図体にしてくるくる回る感じ。脚も19インチ(!)のネガがあまり出てなくて、オド100キロ台のおろしたてとは思えないしなやかさ。エンジンも、さすがに2500あれば十分パワフルです。ATとのマッチングもよく車内も静か。Lパッケは内装の質感も一段とアップ、いやもうこれで、と思ったのですが……

 やっぱりDに乗るとトルクが違う。アクセルに乗せた足にほんのすこし圧を掛けるだけでスルスル前に出ていく感覚は、一度乗るとヤミツキ。いまマツダ買うなら2.2Dだろ、と叫びたくなりますな。踏んで、2個目のタービンが回りだすと鬼のように加速するしね。
 ただし車重、特にノーズがGに比べて70kgも重い分、脚を硬めてあるのか、Gよりわずかに跳ねます。タイアの銘柄も違うのかな?(未確認)

 ということで、最近のマツダ車はどれもこれも
「GかDか」
で悩むわけですが、これもまあそうです。
 ここだけの話、ぼく個人的にはどのクルマも(デミオ、アクセラ、アテンザ)Gがスムーズで好き。もう少し正確にいうと、重くてパワフルなDが成立するようバランス取ってあるので、軽くてローパワーなGを載せるといわゆる「シャシーが勝った」余裕が感じられるんです。これが欧州車っぽい。国産なら昔のインプの1500とか。
 だもので自分で買うとするなら、2000の試乗車にも乗せてもらって、FFとAWDでも悩みつつウンウン言って愉しむことにします。(革シート好きでないのですが、2500のFFはLパケしかない)2000だってアレですよ、エクストレイルだってハリアーだってCR-Vだって2000あるんだから(しかもCVTだ)。だから大丈夫。
 色も、展示会で観た時はあまりの華やかさに「こんなもんソウル一択だろ」と思いましたが、いや白もグレーも着こなしており、この調子なら黒や紺やシルバーもカッコイイでしょうから、これも現車観てのたうち回ることにする。

 新世代マツダ車乗っていつも感心するのが、ロードスターRFからCX-5まで、車重もサイズもエンジンもパワーもまったく違うのに、走り出して3分もすればストレスなく同じように操れるところです。ドライビング・ポジション、操作系、視界の作り方、そしてクルマの挙動。少ラインナップだからこそできる芸当、弱みを強みに、いいですねえ。

 さりながら!
 おちゃぶを返すようですが!
 こんなに大きくて(おまえ今乗ってるのもっと長いRBオデッセイやろが)
 お高いクルマは(内容考えるとむしろお得よ!?)
 小生にはいささか too muchであるッ!(涙)

【公式サイト】
http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/

 
posted by ながた at 09:02| クルマ

2017年02月03日

新型マツダ・CX-5先行展示



 やや旧聞ですいません、昨年12月16日にグランフロント大阪で新型マツダ・CX-5のプロトタイプ展示会がありました。プロトってもたぶん量産試作車なのでほぼ量産車です。
 場所柄と行った時間帯(18時前後)もあると思いますがまーおっさんの食いつきが凄い(君もや)。座れたのですが長蛇の列ができた上に一人が(恵比須顔で)座ってる時間長ぇのなんの。さしもの僕も諦めました。



 しかし行った甲斐あって、メチャクチャキレイだったです、新型。カタチもいいし、色がとにかく最高。旧型もカッコイイですが、並べるとたぶんちょっと若すぎる感じがすると思う。ガソリン2000FFで我慢しても諸費用込み300万行っちゃうクルマですから、すこし年齢層上め狙いでいいんでしょうね。
 予約もよく入ってるようで、旧型オーナーもたぶんたくさん予約してる。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1042141.html

 で、なぜ慌ててこんな記事書いてるかというと、この週末には全国の販社に試乗車が配車されるようなので。(なにか急用でもない限り)行きますとも乗ってきますとも。

 旧型は出てすぐにファミレスに行ったところ、駐車場になんか見たことないすごい人目惹くクルマがあって、
「なんだあれ、オレの知らん外車か!?
 ……違う、CX-5とやらだこれ!」
みたいな出会い。珈琲を一気呑みしてその足で近くのマツダ・ディーラーに飛び込み、そこで出会ったセールスさんから……DEデミオを買いました(笑)いや、ちゃんと2.2Dも試乗させてもらいましたよ。トルクの太さもさることながら、あの巨体が軽やかに回頭して強いブレーキ掛けてもノーズダイブが抑えられてて、ものすごく走り易かったのが印象的でした。「これはいいぞ」と。
 ……というようなことがあって、ちょいと思い入れがあるんです。出た当時はブランニュー・モデルでソウルレッドもマツダコネクトもまだ無かった頃なのに、もはや4番バッター。
 わずか数年で、変われば変わるもんです。
posted by ながた at 16:22| クルマ

2017年01月28日

マツダ・ロードスターRF試乗



マツダ・ロードスター「RF」乗ってきました。
ロードスターには屋根が2種類あって、手動・幌(ソフトトップ)と、電動・硬い素材(アルミや樹脂=ハードトップ)です。このRFは後者。先代にも両方あったんですが、今回は、
・屋根が半分残る
・エンジンも違う(当然走りも違う)
てなあたりが注目点。

で、結論から言いますと、
「あ、これぜんぜん違うクルマだ」
いわば「ネネさんかリンコか」という問題であり、「ネネさんの髪型はショートかロングか」というような話ではない。
つまり悩みようもない。

まず大きな差のひとつめ、デザインですが、これはもう文句なし。
現車は写真よりさらにいいです。ぜひ現車をご覧あれ。
この、長くて広いノーズの後端にちいさなキャビンがあって、後輪のすぐ前にドライヴァーが乗る感じ、ここ、これが贅沢なんですよ。FR(フロントエンジン・リアドライブ)で2座のスポーツ・カーにしか許されないシルエット、プロポーションなんです。S30フェアレディZ、ヨタハチ、C3コーヴェット・スティングレー、カプチーノ、そして我らが2000GT、いやもうセヴンを持ち出してもいいかもしんない。とにかくこここれだけで私らみたいなクルマ・バカズはノックアウト。
特に斜め後ろから見て。
このグラマラスなおちり。



僕は違いますが男子には一定割合で「おちりフェチ」がいらっしゃってですね、いいおちりを見かけると街中でもところかまわず
「Hey Siri!」
言うたはるでしょう。あの気持ちちょっとわかる。

座って走り始めても、確かに開放感そのものは少し減っていますが、逆に微妙に包まれている感じが居心地いい。フルオープンだとどうしても、人の目線が気になってちょっと緊張したりしますが、それがほとんど無い。こっちを好む人も多そうです。
また、天下のロードスターであってもよほどのオープン好きでない限り、閉めてる時間の方が長いはず。その場合の快適性は文句なくこっちが上。数値上のヘッドクリアランスはRFの方が15mmほど小さいはずですが、安心感がある。

ということでデザインでいうとこっちの方が好み。

しかし走り出すと印象がガラッと変わる。
幌の軽快によく回る1500に対して、この2000は回して盛り上げるタイプ。しかもファイナルがハイギアードなので、
「ご・ぉぉぉおおおおおおん……」
と加速する。1500はその一拍無しで
「ぎゃーーん……」
という感じ。脚もそれに対応して硬め、タイアも大きく、ボディも強化、幌車よりはっきりとハード&ワイルドです。
推し色・マシーングレーや、(試乗車VSだったので)茶とエンジの中間のようなステキ色の革シート、そして電気で開閉する屋根。イメージとしては「大人のGT」と思ってしまうかもしれませんがなんの、幌車よりぐっと体育会系寄り。

個人的には幌の軽快感の方が好きかなあ。
正直僕には手に余る気がしました。
いやもちろん1500でも使いこなせないんですけど。
イメージ的には1500が隼なら2000は飛燕。
いやもちろんどっちも乗ったこと無いですけど。
ていうか、北米は全部2000だそうですが、この1500知らないアメリカのミアータ・ファンは若干かわいそうやな、とすら思った。初代NAの「あのかんじ」にどちらが近いかといえば、間違いなく幌車の方です。

世のクルマ好きはロードスターのwebやカタログを眺めながら、
「どっちにしようかな」
とお悩みの真っ最中かと思いますが、乗ると(幸か不幸か)悩みはなくなります。
えっ。
『リンコの性格のネネさんが欲しい』?
そんなめんどくさいのは……いや、むしろありか?
確かに幌2000もRF1500もありえない話ではないと思いますが、まあそん時はそん時だ。また試乗して考えりゃいい。
ロードスターはグレードやミッションによってセッティングがぜんぜん違うので(同じ幌SスペでもMTとATで脚違うよ!)、もし本気で買う予定あるなら「それ」を持ってきてもらって試乗してください。

個人的には、RFのデザインに後ろ髪引かれつつ、やっぱり幌かな。
RFはエンジンも、それによって得られたスピードも、脚もタイアも、複雑な屋根機構も、そしてなによりお値段も、小生にはいささかtoo muchです。

(ちなみに幌車はこんな感じ)



(すべて本を舐め回すように観てガマンする の巻)

posted by ながた at 08:01| クルマ