2017年10月10日

本「もうレシピ本はいらない」稲垣えみ子




 まずツッコミどころからいきますか、とりあえず
「まあ、お一人やったらねえ……」
 ウチの奥さんも結婚前はひとり暮らしあるいは実家で料理してたんですけど、「僕の分まで作らないと」と思ったらこれがしんどい。
 またウチの母も僕の分作らなくて良くなったので腕の振るい甲斐が無くなって寂しいのかなと思いきや「何も考えなくて良くなったので楽」とこうおっしゃる。
 僕自身もちょっと疲れてたりする時には、自分ひとりなら袋麺を茹でて啜って終わり、のところ、待ってる人が居ると思うとせめておかず一品でも、と思ってしまいます。(もちろんホンマにしんどい時は「なんか食っといてー」と言って寝ますが)

 つまりその、ひとりだったらなんとでもなる。
 レシピなどで困ってる人っていうのはだいたいひとりではないんだ。

 2点め、読み進めていくと自家製のぬか漬けが出てくる。
 ぬか漬け!
 いやその恐怖心先入観固定観念こそ取り払うべきものなのだ、と作者は力説されてますが、子供の頃からぬか床がどうにかなって
「あーもう!」
と嘆く母の姿を見続けてきますと、とてもとても半端な気持ちで取り組むべきコンテンツだとは思えない。
 ぬか漬けが象徴的なんですが、ぽろりぽろりと「いやそれはめんどい」ということがサラッと書いてある。
 朝早く起きて3日分のお米を炊く
 それがもう無理。
 それをおひつに
 おひつ!
 あの油断するとすぐカビて洗いにくく干す場所もなく置き場所にも困るあの食卓の総大将を、わざわざお使いになる!
 このへんで
「あこの人本質的に料理好きなんだな」
と悟ります。
 つまりレシピ本ではありませんが料理本なので(あたりまえか)、「食い物のことに困っている人」への福音書ではなく、普通に料理好きの人に対して「ミニマル食卓」を提案する書。その意味では以前ご紹介した土井善晴先生の『一汁一菜でよいという提案』の類書です。
http://rakken.sblo.jp/article/177913078.html



 あと佐々木俊尚さんの「家めしこそ、最高のごちそうである。」
http://rakken.sblo.jp/article/98136686.html



 稲垣さんは以前は、家族や同僚がお祝いといえば調理器具を贈ってくれるような料理好きで知られた方で、文字通りレシピ本に埋もれて暮らしていたそうな。その日々は決して無駄ではなくて、その時反復練習した整った味のレシピたちが、その場アドリブで味加減する時の暗黙知データベースになってると思います。
 そんなもん「ぬか漬けを炒め物にちょっと入れると味に深みが」とか言われたってわれわれビギナーズは「あー怖い怖い怖い怖い怖い」ですよ。(まあそれが怖いとわかるのも経験のおかげですが)

 逆にいうと、ここに描かれている食生活が本当に豊かだ、という事実は、なによりも本人が楽しそう、というエビデンスによって保証されています。その点嘘偽りはない。
 クックパッドの人気メニューを無造作に並べた雑誌をめくるよりは「おいしいもの作ろう」スピリッツは湧いてくる。

 余談ですが最近、クックパッド・システムって集合知(らしきもの)の弱点をさらけ出してて、「おいしいレシピ」じゃなくて「会員が反応しそうなレシピ」が上位に来るんですよ。
 具体的にいうと砂糖使いすぎ。
 みんな甘いの好きやなあ……
 さすがに2年近くやってると多少勘も芽生えるもので、「いやこの内容で味醂も砂糖もは多い」と思って減らしてちょうど、みたいな。
 選挙とかPOS商品管理とかなんでもそうなんですけど、ここの乖離が現代のいろんな不幸のもとではないかと思い、また逆に考えれば、AIとか短期的にはたぶんそれしかできない(「会員が反応しそうな」を探す)ので、「おいしい」を作れる人の希少価値は変わらない気がする。

 繰り返しになりますが、「一粒食べれば一日元気な「仙豆」みたいなものがあればなあ」と妄想するような方にはオススメできませぬ。
 逆に「おひつご飯」「ぬか漬け」「干し野菜」「アレンジ味噌汁」「ストウブ」「ダッチオーブン」などといった単語にピクッとなる料理好き向けの書でございます。
 おもしろかったです。

 やはりそろそろストウブかル・クルーゼかバーミキュラの鍋をひとつですね……またそこから行く。
posted by ながた at 16:17|

2017年10月09日

楽しまなあかんのか


 最近思うんですけど、スポーツ選手が意気込みを聞かれて
「楽しみたいと思います」
と言わはるでしょう。
 スポーツ選手は元々好きなこと、つまり楽しめることをやってるからいいんですけど、普通の人ってそういうことってできるもんなんですかね。
 たとえば受験に向かう子にニッコリ笑って
「楽しんで!」
とか言えませんよねえ。

「楽しむ」というのは「そのことに向かい合う」時のやり方のひとつに過ぎず、それには、その人それぞれで個性や好き嫌いもあれば、時代の流行りもあると思います。
「他の誰でもない自分自身のために」もあれば、「お国のために」の頃もあり、もちろん「金が欲しい」「モテたい」も立派な姿勢です。なにかの抑圧から逃げてるかもしれないし、強迫観念に突き上げられてやってるかもしれない。それは当人には不幸ですが実際ある(だろう)ことだし、結果は物理的に出てしまうので、楽しむ人が「これに負ければ玄界灘に身を投げねば」という真っ青な顔で立ち向かう人に負けることもままある。

 自分の「なにか」でいいんではないですかね、別に楽しまなくても。
 楽しめなくでも。

 さっき「≒」で結びましたがそれは「好き」という魔法の言葉でも同様で、別に好きを仕事にせんでもええし仕事を好きにならんでもええし、それは家族や友人だってたぶんそうです。
 義務感や責任感や正義感や、いや、「しょうがねえな」という諦めだったり「恩を返したい」という気持ちだったり、まあそんな綺麗なものやカッコイイものでなくても、別にいいと思うんです。
 手が身体が動けば。
 いまたいせつなのは現実を動かすために手を身体を動かすつまり「やる」ってことで、やってさえ居ればその奥に何を考えてようと思ってようと感じてようと、構わない。

 馬齢を重ねると、このへんのことは自分なりの折り合いがつけられるようになってくるのですが、若い頃は要らん罪悪感に軽く苛まれたりもしたものです。
「オレ別にこれ楽しめても無いけど、ええんかなやってて」
みたいな。
 いや、それはやれるポジションに居てやってよしと許されているならば、別にやってていいんだよ。

「おまえのそれはダメだ」
と罪悪感を投げつけることは相手を支配、が言い過ぎなら制御する第一歩で、あまりそういうことをビュンビュンやってくる人間や媒体や組織や仕事やなんやかやからは、逃げ出した方がいい、というのは普遍的な話。

 楽しまなきゃならないこともないし、
 楽しんじゃいけないこともない。
 と思います。
posted by ながた at 00:00| 雑記

2017年10月08日

ワイヤレス・サイレント・マウス「M590」Logicool




 使ってたマウスがチャタり始めたので、新しいのを。
 条件はサイドボタン付きで、できればワイヤレスで、手馴染みのいいもの。
 最後が厄介で、こればかりは現物摘んでみないとわからない。その面では以前使ってましたMicrosoftの通称「社長マウス」(Wireless IntelliMouse Explorer)



以来、わりとマウス難民と化してます。いろいろ使ったのですがどうもしっくりこない。しっくりこないから、壊れたり調子が悪くなったら「同じもの買い替え」ではなく違うのを買う。
 ということでそれ以来5個目か6個目か……です。
 店頭で触ってみて「ああ、まあこれなら」という感じで。

 安価なモデルなのでサイドのラバー風塗装はすぐ剥げてきそうですし、ホイールの回転はもうちょっと重い方が好みですが、ポインティングの正確性とワイヤレスの信頼性はここ数年非常に向上していて、文句なし。上述のマウスの頃は、触った瞬間、つまりスリープからONになる瞬間がやっぱり鈍かったもんです。慣れもしましたけど。
 電池持ちも最近は忘れるぐらいいい。

「静音」マウスやキーボードが流行ってて、まあ僕は家で使うものだしどっちでも、という感じで特に意識してなかったのですが、使ってみると結構いいですね。
 カチコチ音も言ってしまえば騒音なので、無ければ無いに越したことはない、という感じ。無理して積極的に選ぶほどではないけど、あれば否定するほどではない、という感じです。
 それによるスイッチのタッチの劣化(たとえばぐにゃっとする、とか)もほとんど感じません。

 2台のPCをシームレスに繋げられる機能があるのですが、試してません。2台のPCなら2セットのキーボード&マウスを用意した方がたぶんいいです。『FFXI』やってた頃にいろいろトライしましたが、結局それが一番でした。いまは技術が進歩して違うかもしれませんが。

 ロジに限らず、いまマウスは本当に消耗品なので、耐久性はわかりません。
 見るからに無さそうです。
 でもまあ価格もリーズナブルだし。
 次?
 いいの無かったらこれで、ぐらいの気に入り方です。
 キーボードはリアフォやリベルタッチのような高耐久オーソドックス機があるのに、なぜマウスには無いのか。いやあるんですかね、知らんだけですかね。
 ゲーミングデバイスから撤退する前ぐらいまでの、往年のMicrosoftは良かったですね……

 色は赤やグレーもありますよ。

posted by ながた at 00:00| デジタル・ガジェット

2017年10月07日

珈琲「デカフェ・モカ」辻本珈琲




 元々は奥さんが、珈琲によって「眠れなくなる」のがあって、でも飲みたいと。こりゃもうデカフェの美味しいのを探すしか無いな、ということでいろいろ当たっていると、この夏このリキッドに辿り着きました。



 なかなか良かったので6本セットを買いましたら、おまけでドリップが2つ付いてきて(モカとコロンビア)これも飲んでみるとまあまあ。ということで思い切ってまとめ買い。
 イケますよ。飲めます。
 すくなくとも珈琲が飲みたいときに、「いやカフェインが」と飲みたくもないのにハーブティーとか梅昆布茶飲むよりはずっといい。

 実は僕も飲んでます。
 僕も20代の頃は珈琲ぐらい何杯飲んだって平気で眠れる人でして、むしろもうちょっと覚醒効果があって眠れなくなりたい、と思ってたものです。が、寄る年波、最近3杯飲むと睡眠時間が短い。
 僕の場合は寝入りが悪くなるのではなく早く目が覚める。
 もちろんカフェイン入りも1杯は飲まないと元気が出ないのですが、もう夕食後はこれ。
 胃への負担も軽いっぽい。

 最近の技術はすごいですね。
 次は珈琲豆使わない珈琲(の決定版)ですかね。

 コロンビア、バリアラ、3種セットもあります↓


posted by ながた at 02:58|

2017年10月06日

セダンのカタチ


 2年に1度の東モ(東京モーターショー)の季節、この時期は「これ出すで」と各社がプレリリースしてくれるので楽しい。
 気がつけば、トヨタの、いや日本のもはや事実上唯一の「高級車」といっていい、クラウンも出る。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1084351.html

 こういうカタチのクルマを「セダン」と呼ぶのですが、全世界的にいまはセダンの人気が落ち、SUV(背の高い四駆風のありますよね、あれ。トヨタで言うとハリアーとか)の方がウケてます。
 セダンをスーツとすれば、SUVはアウトドアブランドのダウンジャケット。そりゃ軽くて暖かくてカレーうどんの汁飛んでもさほど気にならない方が、日常は使いやすい。

 しかしスーツにはスーツの良さがある。

 私、セダンのカッコよさというのは、スーツのように着る人をパリッと見せてくれるところ、だと思うんです。なんといいますかね、あれを着ること自体、「社会に真面目にコミットしますよ」という宣言なんですよね。
(だから我々フリーはまずスーツを脱ぐわけです)
 ということは、セダンたるものできるだけカチッとしていた方がいい。カタチ的には四角四面な方がいい。
 特にボディ後半、Cピラーは立ってれば立ってる方がいいし、トランクは独立してればしてる方がいい。
 トランクはビジネスマンのアタッシェケースなんですよ。リュックやトートやキャリーバッグ、いまは便利な鞄が多数ございますでしょう? それでも私は、容量が限られ容量比で重く高価で取扱も気を遣いかつ角をぶつけると痛い、このアタッシェを持つ。というのは、中に入ってる情報を守りますよ、という「覚悟」の表現なんです。
 だからセダンは、ますますその覚悟を、つまり四角いトランクを見せつけねばならない。
 また後席も「だいじなひとを乗せるんだ」(それはもちろん取引先や上司だけではなく家族もだ)という覚悟を表すには、Cピラーを立てて、「後席の頭周り」というオーナー(≒ドライヴァー)にとってはなんの意味もない空間を大切にせねばならない。いや、「大切にする人間ですよ」と声高に訴えねばならない。

 ところが最近、(空力上の要請もあるとはいえ)Cピラーは寝かせるだけ寝かせて、トランク上鉄板は薄く狭くなりつまりトランクの存在感は希薄になりつつある。
 そのくせ、顔は立てて大面積で押し出さなきゃいかん、という意識は続いているので、顔だけ目立つ「竜頭蛇尾」みたいなデザインになっとるんですわ。メルセデスのS、E、Cの3ラインもそうだし、BMWやアウディに至っては、5ドアハッチ系列をヴァリエーションとして加えている。
 クラウンも代によって(あとロイヤルやマジェスタといったシリーズによっても)イメージはちょっとずつ違うんですけど、がんばってはきたんですけど遂に決壊、という感じ。

 逆の方からいうと、
「セダン欲しい人はそうじゃないだろう」
と思うんです。なんとなればウチの亡き父がそうで、最後は190E、その前が90系トヨタ・クレスタに乗ってたんですが、その彼は
「本当を言うとクラウンのセダンがいい」
と言ってて、街を走るタクシーを思い起こしていただくかあるいはWikipediaのクラウン・セダン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%80%E3%83%B3#/media/File:1993-1995_Toyota_Crown_Sedan_3_No.jpg

 これですよこれ。
 これでしょう?

 近年だとあるいはクライスラー・300(C)の初代
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%BB300#/media/File:Chrysler-300C-SRT8.jpg

 これでしょう?
 ちゃいますかね。

 たぶん問題は、自称「セダン乗り」とか「セダン好き」という人々で、彼らは言うなれば日常仕事でスーツを着アタッシェを持ち歩いているのに疲れているからか、「クルマぐらいは」というノリで、流麗な方がいい、軽やかな方がいい、とデザイナーを惑わすのです。
 そういうクルマはセダン以外にいっぱいあるので、セダンで無いものに乗りゃいいだけなのに、セダンでそうしろ、という。
「遊び心のあるスーツ」
を作れと言うわけです。
 作れるか。
 作っても着ないくせに。
 で、そんなダレたスーツはスーツが好きでない人間にも全くリスペクトできない存在なので、結局誰も買わない。
 彼らは口でそう言ってるだけで、スーツを着るしかないのです。そしてスーツであるならば、カチッとカッコイイスーツの方が、絶対いい。
 マクドナルドだってそうらしいですよ、アンケート取ると「ヘルシーなのがいい」って言うんですけど、いざ作って出すとぜんぜん売れない。それよりビッグマックみたいなコテコテのがよっぽど売れる。
 セダンは。
 セダンくさい方がいい。

 だいたいなんですか、その記事の下の方のポスター見てくださいよ、
「TOYOTAが、世の中を変えるために つくったクルマです。」
 クラウン乗るおっさん(おばはん)が世の中変えたいなんて思ってるわけねえだろう。
 なんの冗談やねん。
 今の首相が誰か知らんでも自民党に投票するような連中やぞ。
 理由は「ずっとこうだから」。
 変えたい人は今頃テスラか最悪でもレクサスRXに乗っとるわ。
 わかってますよそういう人に乗ってもらいたいんでしょう?
 無理!
 行く先々でフォーシーズンズに泊まるような連中が、小豆島の古い観光ホテルで朝食にUCCのベンディングマシーンから注がれるインスタント珈琲飲むと思います?
 ありえないでしょう?
 でもクラウンのおじさんおばさんは違うよ。
 それ飲んでくれる。
 むしろウェルカム。
 そういうおじさんおばさんを大事にせんでどうすんのよ。
 もうトヨタしか無いんだから、そういう人たちには。

 まして「ニュルブルクリンク」などという呪われた単語が出てくるに至っては膝から崩れ落ちる。
 世界中(のメーカー)が陥ってるその錯誤については、元『TOP GEAR』の”キャプテン・スロー”ことジェームズ・メイがこう喝破してます。
「ドイツの古いサーキットなんか走って乗り心地良くなるの?」
 まさにそう。
 温泉でひとっ風呂浴びたあとに食いたいのは創作フレンチのフルコースか? 渋い赤ワインとともに?
 舟盛りにビールやろ!?
 百歩譲ってレクサスLSがそういうことを言うのはいいさ世界標準をキャッチアップせなあかんから。でもクラウンにドイツは関係ない! サーキットも関係ない!
 クラウンが! 走るのは! 先斗町の石畳!

 ……と、思っていたらですね。

 サプラーイズで新型センチュリーがデビュー。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1084601.html
 これも歴史と伝統の最高級車、現行トヨタ車でトヨタCIマークを付けなくてもいい特権を持つ車種はすくなくともあのCIマーク(89年)よりも長く続くブランド、今となってはこれ、クラウン、ランドクルーザー、そしてカローラぐらいしか無いわけですが、67年デビュー来年ようやく3代目。ドイツの首相のように任期が長い。

 ご覧なさいよ比類なきこのカッコよさ。
 これでしょう?
 ロールスの階級意識も無い、メルセデスの威圧感も無い、キャディのウォールストリート臭も無い、しかし、オーラがある。世界がある。
 これぞ老舗温泉旅館の特別室。

 これを、庶民向けにできんもんですかね。
 いや、それをしないからセンチュリーを維持できるんですかね。
 いざとなったらクラウンすら捨てる思い切り、しかしセンチュリーは意地でも守る。この芯の強さは思わず「家康由来の」とかいいたくなりますよね。
 つまりトヨタという会社は「わかってないようでいてわかってる」会社で、それはいったいどうしてそうなるのか、

 ・「庶民騙し」と「いいモノづくり」は別物と割り切ってる
 ・わかってない人もわかってる人も一緒に居られる余裕がある
 ・わかってないけどたまに火事場の馬鹿力を出してわかる
 ・わかってるけどわかってないフリをしないと近代日本では排除される

いろいろ考えられますし複合的なものかもしれませんが、とにもかくにもトヨタなら、電動化電脳化時代もなんとか乗り切ってくれるんじゃないかな、とクラウンとセンチュリーを見比べつつ思います。
posted by ながた at 22:23| 雑記

2017年10月05日

展覧会「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展」@国立国際美術館(大阪・中之島)


http://babel2017.jp/

 名作「バベルの塔」が来てます。
 奥方がブリューゲル好きなので引っ張られて行ってきました。平日昼にも関わらず賑わってますが、入場待ちは無し、「バベル」は最前列で観たい人だけ並びます。(その肩越しでよければすぐ観れます)

 もっと大きいもんかと勝手に思ってました。
 ほら、ネーデルラントというからルーベンス「夜警」みたいなものを想像しませんか。3倍拡大画(ただコピーしただけではなく、いろいろ手を掛けてテクスチャなどもできるだけ再現したもの)も置いてあったのですが、そのぐらいのイメージでした。
 でも逆にいうとめちゃめちゃ細かくて丁寧な描き込みで、しかもそのシラミみたいな3mmの人間に躍動感がある。

 ブリューゲルは前記には寓話的・神話的素材を描き、後期には農民たちの生活をリアルに描く、まさにネーデルラントのルネサンス期をまたぐような作家で、この「バベル」(2つめ)はリアルな筆致で神話がモティーフ、というまさに集大成です。人物が得意な作家の代表作が建物、というのも芸術の皮肉が効いてていいですね。
 いや、「バベルの塔」は御存知の通り人間の傲慢の象徴、「人を描かずして人を描く」という境地に達した作品とも言えましょう。
 などとわかったようなことを言い。

 ヒエロニムス・ボスの「放浪者」と「聖クリストフォロスの物語」もあります。「奇想の画家」と言われるように画面にユニークな小物や、「モンスター」と呼ぶもはばかられるほどケッタイな生き物たちが溢れています。また、後の作家たちが、「ボス風」の「変なもの」を思い思いに描いていた版画も多数。
 イラストレーターなど志望の若人はイマジネーションのタネありていにいえばパクリ元として観て損なし。
 だいたい人間の考えられうることなんか限界がありますからな。誰かが考えてくれてたらコピーすればいいのです。

 基本コンセプトがガラッと変わる時期、というのが、いろいろグチャッと混ざってて、おもしろいですね。
posted by ながた at 00:00| 雑記

2017年10月04日

バル/ビストロ/ワインバー「赤白」(こうはく) ルクア大阪 B2F


https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27084544/

 はい関西方面の美味しいもの好きにはもうすっかりおなじみの「赤白」グループ、ルクア店にようやく行けました。平日18時前でわずかにウェインティング。
まきをに教えてもらった」と鉄っちゃんとF師が行って「美味いよ」言うので行ってみたかったのです。この3人が揃って美味いというなら間違いない。

 美味しかったです。
 まあ美味しい店しかblogに書かないのでこの段落は不要か。
 だいたいバル系は生というか「そのまま持ってきました」というお店が多くて翌朝生ハムの塩気が喉元まで戻ってくるものですが、ちゃんとアレンジよろしく換骨奪胎、食べやすい。
 お大根にポルチーニソース。
 卵にスモークサーモンタルタル。

 料理もお酒もボリューム控えめ、その代わりにお値段も控えめ。いわば洋風立ち飲みですが、もちろん椅子あり、盛り付けも可愛く凝ってて、思わず長居しがち。「待機列ができたら2h制限」というわかりやすいルールでそこかしこで「すみません時間で」の声。店員さんもワインと料理の知識ちゃんとあり、頼もしい。
 今回は飲み物で
・スパークリング、赤、白、葡萄ジュース、炭酸水
食べ物で
・名物フレンチおでん(大根、卵)、牛頬肉煮込み、鶏胸肉焼、鯛ポワレ、鯵カルパッチョ、フライドポテト
 これで6500円。1人3000円ちょい。
 そら流行るわ。

 ホワイティにもう1店舗
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27069385/
 三番街のは鉄板焼きのお店
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27093070/
こちらも短時間ですが行ったことあって、ワイン美味かったです。
 ワインはボトルも豊富、わたしぜんぜんわかんないのですがお好きな方でもガッツリいけるのではないでしょう、か?

 どこも混んでますので早めの行動が吉。
posted by ながた at 14:31|

2017年10月03日

イベント「ラーメン女子博 IN 大阪」2017


http://www.ramengirls-fes.com/osaka/

 オクトーバーフェス、肉フェスに続いてラーメンフェスじゃーい。
 長居公園自由広場はすっかり食いもんフェス会場と化し……
 大歓迎。

 奥さんと行ってきました。1杯900円で1杯ずつつまり2杯。
 ちなみに「モヒカンらーめん」さんと「まぐちゃんラーメン」さん。
 どちらも美味しかったです。
 でも明日休みで5日から店替え。9日まで。
 「女子」と付くように1杯が小ボリュームです。成人男子なら2杯、お好きな方なら4杯ぐらいはイケるかも?
 飲み物ありますが高いので持参か道中のコンビニ購入で(別に叱られません)。
 盛り付けもどこもインスタ映えを意識した美味しそうな盛り。叉焼の端っこをわざと丼の外に垂らしたりね。

 確立した大チェーン系でない新興ラーメン店は、だいたい味が濃いですね。とにかく一発目ガツンと殴って覚えてもらおう、という意図ですかね。
 でもあんまりやりすぎると、たとえばスープ飲み干せないぐらいだと、次回以降の来店頻度が落ちると思うのですが……そのへんはお金の動く業界だけにコンサルタントとかが暗躍してるんでしょうか。やだなAIとかで味付け変えられてたりしたら(笑)
 ま、そうは言ってもガツンと来るのは来るので、そもそも麺類はファストフード、ズズッと啜ってごっそさん、と考えるとそのぐらいが王道かもしれません。立ち食いそばのつゆだって飲めないぐらいだし。

 メン類というぐらいで男子はほっといても来るので、「女子特化!」と謳うのは巧いと思いました。
 IKEてるIKE麺たちもオモテナシ、会場女子率高いので遠慮なく音立てて啜ってくださいな。

【追記】
 2周目行きました。
 背脂・海老味噌の「丸め」さんと塩の「山崎麺二郎」さん。どちらも美味しかったです。
 店舗によって製造速度に差があるので、列の長さと旨いマズイは比例しません。だいたいどこも旨いのではないかと思います。

posted by ながた at 22:56| 雑記

2017年10月02日

デザートレストラン「サラベス 大阪店」ルクア イーレ B1F


http://sarabethsrestaurants.jp/

 昼下がりにポケッとしてましたら
「マウスが動かーん!!」
と泣きながら奥さんが……デジャヴ?

 奥さんはマウスにシビアな人で、さんざん様々なマウス&トラックボールを試し倒した挙句に辿り着いた、なんとか使える一品がそれで、それがないと仕事にならない。
 予備も無い。
 買いに行くしか無い。
 iBUFFAROのモデルなので近所のジョーシンでもあるかもしれないけどないかもしれず、無いと無駄足なので絶対にあるヨドバシ梅田まで。

 時間の関係でのんびり夕食、というわけにはいきませんがさすがに都会に出てきたからにはスイーツのひとつも貪らねばもったいない、ということで事前に当たりをつけていた(女子はいつのまにかそんな情報を仕入れますね……)「リンゴ」のアップルパイを……
https://www.fashion-press.net/news/31793

 コミケの壁サークルかよ!

 最後尾札の出る満員御礼行列失礼の模様で、半笑いで諦めてしかし甘味は諦めきれず、とフラフラ彷徨ってあからさまに高いけどオサレだし、と入ったのがこちら。
 美味しかったです。
 レモンリコッタパンケーキをいただいたのですが、パンケーキはもちろんのこと添えられていたブルーベリーと木苺がとても美味しくて、これはいい果物だと。果物の美味いのは高いですからねー。珈琲もマシンですが豆はいいと思いました。サーブ早いのなんの。合理的です。

 webでメニュー見ていただくとわかりますがやはり絶対金額として高いですが、それがゆえに空いてそうだしロケは抜群だし居心地はいいし、梅田で茶しばくラストリゾートとして記憶しておく価値はあると思う。

 最初有名店と知らない田舎者夫婦は
「……これイギリス?」
「いやーちょっと違うねー。紅茶力入ってないし……」
 だいたいそういう時はアメリカ、の東海岸、ですね。
 なんであのアメリカ人って紅茶に極端に冷淡なんでしょうかね。イギリスを想像させるものが嫌いなんですかね。
 しかし我々は「マンハッタン」という言葉にも弱い。マンハッタンって付いてると無骨なパソコンだってオシャレに感じちゃう。
 今度は軽食をいただきたいと思います。
posted by ながた at 00:00|

デザートレストラン「サラベス 大阪店」ルクア イーレ B1F


http://sarabethsrestaurants.jp/

 昼下がりにポケッとしてましたら
「マウスが動かーん!!」
と泣きながら奥さんが……デジャヴ?

 奥さんはマウスにシビアな人で、さんざん様々なマウス&トラックボールを試し倒した挙句に辿り着いた、なんとか使える一品がそれで、それがないと仕事にならない。
 予備も無い。
 買いに行くしか無い。
 iBUFFAROのモデルなので近所のジョーシンでもあるかもしれないけどないかもしれず、無いと無駄足なので絶対にあるヨドバシ梅田まで。

 時間の関係でのんびり夕食、というわけにはいきませんがさすがに都会に出てきたからにはスイーツのひとつも貪らねばもったいない、ということで事前に当たりをつけていた(女子はいつのまにかそんな情報を仕入れますね……)「リンゴ」のアップルパイを……
https://www.fashion-press.net/news/31793

 コミケの壁サークルかよ!

 最後尾札の出る満員御礼行列失礼の模様で、半笑いで諦めてしかし甘味は諦めきれず、とフラフラ彷徨ってあからさまに高いけどオサレだし、と入ったのがこちら。
 美味しかったです。
 レモンリコッタパンケーキをいただいたのですが、パンケーキはもちろんのこと添えられていたブルーベリーと木苺がとても美味しくて、これはいい果物だと。果物の美味いのは高いですからねー。珈琲もマシンですが豆はいいと思いました。サーブ早いのなんの。合理的です。

 webでメニュー見ていただくとわかりますがやはり絶対金額として高いですが、それがゆえに空いてそうだしロケは抜群だし居心地はいいし、梅田で茶しばくラストリゾートとして記憶しておく価値はあると思う。

 最初有名店と知らないアホ夫婦は
「……これイギリス?」
「いやーちょっと違うねー。紅茶力入ってないし……」
 だいたいそういう時はアメリカ、の東海岸、ですね。
 なんであのアメリカ人って紅茶に極端に冷淡なんでしょうかね。イギリスを想像させるものが嫌いなんですかね。
 しかし我々は「マンハッタン」という言葉にも弱い。マンハッタンって付いてると無骨なパソコンだってオシャレに感じちゃう。
 今度は軽食をいただきたいと思います。
posted by ながた at 00:00|

2017年10月01日

Office マクロ 突然動かなくなる


 朝方ポケッとしてましたら奥さんが
「マクロがぜんぶ動かーん!」
と泣きながら駆け込んできた。モノはWin10上のOffice2016(のWord2016)、昨日までちゃんと動いてて今朝一から動かないという。

 結論から言いますとOfficeに自動更新が掛かって最新バージョンとマクロとの相性が悪かったみたい。Officeを1つ巻き戻して対応。やり方は、

・Microsoftの説明
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/2770432/how-to-revert-to-an-earlier-version-of-office-2013-or-office-2016-clic
・もうちょっとわかりやすいまとめ
http://fanfantime.com/2016/10/30/post-1132/
・更新プログラムの調べ方も
http://fanfantime.com/2017/03/28/post-1737/

 ちなみに今回のウチの場合、
・バージョン1708(ビルド8431.2079)

・バージョン1707(ビルド8326.2058)
に戻しました。

 だいたいこういう「直前まで機嫌よく動いてたのに突然」という場合は、
・WindowsかOfficeの自動更新が掛かって、新しいバージョンで何かバグった
・ハードウェア的故障、メモリなんかが怪しい
のどっちかですが、巻き戻しは一般的にめんどくさいので、その前にいろいろやってみて効果を得ず。以下それら。

・tempフォルダ内掃除
C:\Users\(なまえ)\AppData\Local\Temp
の下にいろいろあって、特に「Word8.0」フォルダがあったらその中に
MSForms.exd
というファイルがあり、これを削除すると直る、こともある。

・スタートアップにちゃんと登録されているか確認
C:\Users\(なまえ)\AppData\Roaming\Microsoft\Word\STARTUP

・セキュリティレベルを変える
ファイル>オプション>セキュリティセンター>セキュリティセンターの設定>すべてのマクロを有効にする

・マクロがちゃんと登録されているかチェックする
ファイル>オプション>アドイン>管理の「Wordアドイン」>設定、で「アドインとして使用できるテンプレート」に目的のマクロが入っていて、チェックボックスにチェックが入ってるか

・メモリチェック
 DELLのマシンにはハードウェア診断アプリがあったのでそちらで。ついでにBIOS/ファームウェアの更新も。最近はWin上からできるから楽ですねえ。

・もちろんWordとWindowsの再起動は8万回ぐらいやりました。
 Windowsの再起動ボタンにマニ車仕込むアプリとかストアで売ったら売れるかしら。1回再起動ごとに100万回般若心経唱えたことになるの。

 まあ、わかってしまえばどうってことはないといえばないのですが、しかしそれでも素人さんにコマンドプロンプト触らせるのはどうかなと思いました。MSだけじゃなくてAppleもGoogleもそうですが、どーせこんなことは起きるに決まってるんだから、簡単にロールバックできるようにしといてくれればいいのに。
 彼らはOSもアプリも新しいのにしろしろ言うんですけど、昔からコンピュータ使ってる人ほどこういう酷い目に遭って一日浪費したりしてるので、ミッションクリティカルなコンピュータ(やアプリ)になればなるほど、迂闊に触れないですよね。

「これわたし1人やったらパソコン買いに行ってる案件やわ……」
「古い方予備に置いといてよかったね」

 僕もPCもスマホも一つ前のは売らずにそのままモスボールしてますよ。子供の頃観た『エルガイム』って映画で、主人公が機嫌よく乗ってた2代目マシンが敵と相討ちになって、でももう1人悪者が出てきたんで初代に乗り換えて勝つ、んです。この両方に華持たせる演出は巧いと思った。監督はもちろん"地獄のトラウマシーン"T-ヨシユキ。

 何かの時のご参考になれば。
posted by ながた at 00:00| 雑記

2017年09月30日

アニメ「バチカン奇跡調査官」


http://kisekichosakan.jp/

 夫婦ともフリーなので、お昼はたいてい一緒に麺をズルズル啜るのですが、お昼時に見るテレビというのがこれが意外と難しい。
 あまりシリアスな内容のNHKスペシャルや、血湧き肉躍るアクション映画ですとTVばっかり観て食事が進まず、さりとて一般的なお昼時バラエティは我々のような年齢・職業層は対象外なので、つまらない。
 そういう時こそ深夜アニメ。適度なテンション、最近の言葉で言えばインテンシティで、食事をしつつ楽しめつつ、という作品があるのです。
 代表例は『夏目友人帳』。
 で今季はこれ。

 このタイトルを御覧なさい、
「バチカン」「奇跡」「調査官」
 フック・ワードが3つ揃った完璧なネーミング。
 ン・ンで韻まで踏んでる。
「他になくて」「内実をよく現し」「覚えやすい」
 このタイトル付いた時点でヒット確実と言っても過言ではない。
「バチカン所属の・奇跡を調査する・天才・科学者・美貌・神父・コンビ」
 どんだけ翻乗せんねん、という感じですね。
 やっぱプロダクトは企画ですよ企画。
 また「ほんとに居そう」感と、「そういう人たちのことをぜんぜん知らない」感のミックス度合いが絶妙。
 個人的偏見なのですが、いわゆるオタク・コンテンツ、マンガ・アニメ・ゲームにおいてはやはり多少ファンタジックな要素、虚構、現実からのジャンプ、が備わっている方が良い。リアルべったりなら実写でやった方がよりリアルなので。
「奇跡」と言った瞬間に、ファンタジーやり放題ですよね。
 しかし後で適当に科学的っぽい種明かしを用意していやいや虚構じゃないですよと。来週もまた観てね、と。
 カー。

 そんなこんなですっかり気に入って毎週楽しみにしてました。
 僕は平賀とロベルトのBL(風味)も好物なのですが、奥さんは奇跡調査の方をどんどん進めて欲しいので、リモコン(の早送りボタン)を奪い合いになります。

「ここは要らん!」
「ここがメインディッシュやないか!」

 誤解なきよう、これ褒め言葉なんですけど、タネがいいかんじに大雑把で(ちょっと往年の大映ドラマっぽい)、
「いやコカインそんなパラッと吸うだけで幻覚は見えんやろう」
とか
「地下偽札帝国! その大ネタいきなり投入!」
とか、ツッコミどころ満載なのがまた参加感がある。
 OPのナレーション、
「バチカン奇跡調査官ッ!!!!!」
とED最後の平賀とロベルトの愛のささやき
「ロベルトの料理が食べたいです……」
「またつくってやるさ」
をしょっちゅう物真似して喜んでいます。

 ぜひ二期以降を。
 楽しみにしてます。

 原作は16巻も出てる人気小説、コミックもあります。


posted by ながた at 14:43| コンテンツ

2017年09月29日

本「福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」」NHKスペシャル『メルトダウン』取材班




 固唾を呑んで見守ったのが昨日のことのようです。
 何回か書いてますが僕はその昔部活(ブラタモリ部)でちょっとだけ原発のメカを齧っており(チェルノブイリ事故の直後だったのです)、その夜、確かニュースで「ECCS(緊急時炉心冷却システム)が作動している」と聞いたもんですから「ならたぶん大丈夫だ」とちょっとだけホッとした記憶があります。
 1号機のIC(通称イソコン)がECCS扱いではない、なんて当然知りませんでしたし、2号機3号機のECCS(にあたる装置)も時間稼ぎしかできずパーマネントに作動するものではない、とも知りませんでした。
 つまり何も知りませんでした。
 いやそりゃあんたは素人なんだからそうだろう、と。でもプロは、といえばこれがまた知らない。
 あまりにシステムが巨大すぎ複雑すぎ、かつ40年という長きに渡って続いていく技術なので伝承が極めて難しい。
 その模様が克明に描かれています。

 具体的には前述のICですが、これは電力が不要で蒸気の力で動くために、緊急時にまず一発目で回る冷却系、という設計だったそうです。建造中や運転開始直後に試験運転してる様子を観たOBの証言がある。
 ところがいつの間にか動作確認の試運転はやらなくなり、かつSR弁という別の安全装置が先に動くように設定替えされている。それをそのOB(勤務地は当然変わっていくので、ずっと1Fに居たわけではない)が聞くと「えっ」という反応。「そんな重要な変更をするなら技術提案書とかなんとかがあるはずだけど……」もちろん無い。正確に言うと記録が無いからそういうものがあったかなかったかもわからない。どんな議論がされたかあるいはされてないかもわからない。

 結局、苦心惨憺消防系から入れた水は、あっちこっちで分岐して他所に流れ込み、ほとんど炉心に入らない。「この系統なら入るはずだ」の知識まではなんとかあるんですけど、その先、分岐先を実際に止めてる弁が地震や津波あるいは水素爆発によってどう変化しているか誰も知らないので、ダダ漏れに気づかない。

 無理でしょう?

 印象的だったのは人類開闢以来、巨大官僚システムで脈々と受け継がれるキャリア・ノンキャリア方式が原発でももちろん採用されており、吉田所長(キャリア)は運転のことを何も知らないんですね。それを統括するのは当直長(ノンキャリアのあがりポジション)で、ここに大きな断絶がある。1号機の水位計が一瞬だけ復活した時、水位が通常よりえらい下がってるので、それはつまりICが動いてないってことではないか、と現場は不安に思い連絡もするんですけど、中央はその重要性を理解しきれずにそのまま放置してしまう。
 そうこうしてるうちに2、3、4号機が次々に危機を、それも違うタイプの危機が訪れて1号機のことを忘れる。
 不眠不休で72時間経つとどんな人間もだいたいなにもできなくなるそうで、吉田所長倒れる。代わりは居ない(用意されていない)。

 無理やと思います。

 巨大システムの本場・アメリカだとそのへんはもうちょっとしっかりしてるようですが(そのあたりも本書で)、といっても彼の国もお大事のスペースシャトルを5機中2機も爆発四散させており、ある閾値を超える大きさと複雑さのシステムは、人間には根本的に扱い切れないものなのではないですか。
 物理的、機械的な面はもちろんながら、上述のような官僚機構による意識・情報の断絶はもはや手の打ち用もない。本書にあるように、所長以下関係者に知識・経験・士気すべて揃っていても、巨大システムはそれ自体生き物のように崩壊・暴走し、それに対して人間は無力。

 無理。

 たかが電気を起こすだけのもので他に代替手段はいくらでもあり、かつ代替手段の方が遥かに安くつくこのご時世です。
 ご存知ですか今ドバイやアブダビのメガソーラー、kWhあたり3円ですよ。デンマーク沖の洋上風力でも6円。太陽光や風力は装置産業なので、装置が量産されると劇的にコストが下がるんですってば。
 あなたのご家庭がいまkWhあたりいくら払っているか検針票ご覧くださいな。しかも今の時点でこの事故処理に8兆掛かってて、これからいくら増えるか見当もつかない。これわたしらの電気代でこれから返しますからね。

 最近、理性や知性は想像よりずっと限界値の低い能力で、これに頼るのはパフォーマンス的にも効率的にも良くないんじゃないか、と思います。後世、長い20世紀は「過度に人間の理性と知性に頼りすぎた世紀」と呼ばれるかもしれません。
posted by ながた at 00:10|

2017年09月28日

火傷 アロエ


 我が家の民間療法「料理中熱い物に触れてしまった」などの軽度の(皮膚が赤くなる程度)火傷に、アロエの中身のゼリー上の部分を塗ったくる、というものがあります。
 わりと広く知られたことなので、「そのために庭に植えてあるよ」という方もおられましょう。

 先日も新しいフライパンを洗ってましたら、初めてじゃなくてちょっと油断した頃にやらかすもんですな、まだ冷めきってないタイミングでスポンジをゴシゴシ押し付けて洗ったもんだから(たぶん)、食事中にだんだん両手の指の第一関節甲側が小指を除く都合8本、ヒリヒリしてきた。
 これはまずい、と思って流水、保冷剤、氷水と冷却を続けたのですが、30分ばかりやっててもまだヒリつく。
 ので庭のアロエをちぎって真ん中で割いて透明ジェルを取り出し、塗る。十分塗ったら洗面器に張った氷水に漬ける。また塗る。漬ける……を繰り返したらあら不思議。10分もしないうちに完治。
 アロエ凄いなあ、と改めて思った次第です。

 ……と書いといてこういうご時世なので無粋な注意書きをしますと、皮膚表面が破れるぐらいの火傷になると、感染症が怖いので「庭から取ってすぐ」などご法度、煮沸消毒しろ、ともののwebに書いてあります。
 また薬効があるということは副反応もありうる、ということで、人によっては逆に炎症などを起こすこともあるそうです。また薬ですから一般的に、乳幼児や妊婦さんも注意。

 僕は子供の頃から火傷するたびに母が祖母が庭でアロエ摘んでくれたもんでたぶん大丈夫、とわかってるわけですが、「そんなこと今まで一度もやったことない」という方は予め健康な時にバッチテスト気味に塗っておかれるのもいいかもしれません。
 そんな面倒な?
 いや、体質にもよると思いますが、軟膏(オロナインなど)や貼り物(キズパワーパッドなど)による保護が要らないぐらい、治りが早いですよ。

 くどいようですが水ぶくれ以上の火傷の場合は、冷やしながらお医者さんに駆け込んで下さい。なんか塗る方が後の処置が大変らしいです。
posted by ながた at 00:00| 雑記

2017年09月27日

電動ドリルドライバー「DF330DWSP」マキタ




 はいDIY男子が腰に備えるネイキッド・ガンといえばこちら。電ドリ。
 わたしも長年憧れていたのですが、買うと1万円だし、毎回大物IKEA家具組み立てたって20本やそこらですから「まあいいか…」とスルーし続けてきました。
 が、ピクチャーレールをキッチンパネルにネジ止め、となると手では下穴錐が到底入らない。
「これはもう電動ドライバーやな!」
 この、やっと「買う理由」を見つけた時のモノ好きの爽やかな笑顔といったら。

 しかし初めて買うものなので右も左も分からない。いろいろ調べると、
・ドリルドライバー
・インパクトドライバー
・振動ドライバー
という三種類があるらしい。
 ドリルドライバーが普通のネジ締め・ドリル兼用。インパクトはある一定トルクで回転方向に衝撃(インパクト)を与えて、強力にネジ締めするタイプ。ログハウスとか組む時はこれ。振動は前後方向に振動を加え、強力に掘り進んでいくタイプ。コンクリ掘るならこれ。
 つまり小物DIYならドリルドライバーで良いようです。

 さて次はパワー(サイズ)。
 これはどれだけの電圧、ボルテージが供給されているかでmaxトルクが変わるようで、電圧によってクラス分けされています。
 ご参考・マキタ↓
https://www.makita.co.jp/product/li_ion/index.html
 たとえばIKEAのそこかしこで「ご一緒にドリルはいかがですか?」と売られてる1500円のモデル、あれ3.6Vであれが最小クラス。上は18Vの2丁掛けまで。
 だいたいプロが使うのは14.4V〜、DIYでなら7.2V〜という感じのようです。小さいのは手軽でいいのですが普通にトルク不足な局面が出てくると。

 そしてメーカー。
 これはもうネットを斜め読みしてプロのご意見を伺うしかない。
 Pana、RYOBI、BOSCH、B&D(ブラック・アンド・デッカー)と百花繚乱の中でもプロの信頼が厚いのは日立(工機)とマキタ。
 よしじゃあマキタで。
 という流れで選んだのが上掲のモデルです。
 さすがプロの道具、と思いましたのがこれ同じモデルで「本体のみ」「本体+バッテリ1個+充電器+ソフトケース」(これが上記)「本体+バッテリ2個+充電器+ハードケース+ホルスタ」の3パターンある。
 買う時間違えないでくださいな。



 兄弟機に030というモデルがあって、こちらは六角ビットしか使えない代わり若干安くて軽いモデル。330は「キーレスチャック仕様」という、ビットくるくる回して締め付けるタイプなのでいろんなビットが使えます。



 ビットはAmazon先生の言われるがままに



 そして保険としてぜひ同時購入をオススメしておきたいのが、ネジ頭を舐めた時用のビットセット。



 いやわたしアホですから、ドライバとビットが届いた時点で嬉しがって試運転・慣熟訓練もそこそこに本番ネジ回したんですよ。そしたらあーた途中まで良かったんですが、キッチンパネルの向こうにさらに合板かなにかあって、これが固くてちょっとトルク強めに掛けたらあっという間に舐めちゃった。
 あー。
 ということでこれをすぐAmazonでポチして作業は翌日。
 これ凄いですよ、説明書通り作業するとちゃんと舐めたネジが抜けました。ぜひ同時購入で。
 その後はちゃんと下穴を大きく・長めに開けて、ゆっくり本ネジを進めていく、という感じで無事3本ねじ込めまして、ウソのようにピタッ、とピクチャーレールが付きました。
 ばんざーい。

 電ドリすばらしいです。
 この自分の能力が高まった感。
 これぞ文明の利器。
 なぜもっと早く買っておかなかったんだろう、と頭抱えて後悔するレベルです。
 コロンビアに農業指導に行った恩師によると、コロンビアの男たちは皆マチェーテと呼ばれるナタ型小刀を腰に差すそうですが、われわれコンクリート・ジャングルに生きる男たちのマチェーテこそ電ドリ。
 あるいは「オレのはコルト」「S&Wに決まってるだろう」などと愛銃を自慢し合う西部の男たちを羨む必要はもう、ありません。
「オレはマキタ」「わしは日立」
とビット交換の手際を競い合えばいいのです。
 実際作業してわかったんですが、ホルスタ、あれ便利だと思いますよ。手回しドライバーならそのへんへポイと置けるし、高所作業でもポケットに突っ込めますが、電ドリぐらいの質量になると、腰のホルスタにぶっこむのが一番合理的っぽいです。カッコのものじゃないんですよ。さすがプロの道具。

 どうすか電ドリ。
 一家に一台。
 いやホントに。

posted by ながた at 00:00| ガジェット

2017年09月26日

ピクチャーレール「W-2シリーズ 1m」TOSO




 事の発端はキッチンの壁収納です。
 フライパン。
 最近のキッチンパネルはとても美しくてお手入れも簡単、すばらしいのですがゆえに傷を付けたくなくて、吸盤フックを取り付け、フライパンを吊っていたのです。
 ……と、書くと恐らく熟練の主婦・主夫のみなさんが苦笑い。

 吸盤は、あかんな!

 しっかりしたものなのですが、どんなに吸着面をきれいにしても吸盤にわずかに油分を引いたりしても、落ちる時は落ちます。吊り物がフライパンというそこそこ重量あるものなので、落ちるとエライ音がする。下がコンロなのでいろいろ気も遣う。

 当然、粘着(テープ、ボンド)も同様ですし、突っ張り棒もパーマネントな部分では頼りない。結局、人はネジ止めに還る。
 しかしフライパンはいろんな形・サイズ、フックを直接ネジ止めしてしまうと、変化に対応できない……

 ということでピクチャーレールで上から吊る、というちょっとやり過ぎ気味の解決策を思いつきました。ピクチャーレールはその名の通り、元々は絵を吊るものなのですが、もちろん何を吊ってもよいのです。
https://www.toso.co.jp/products/c_rail/p_rail/point/
 結果これ。
 やり過ぎ気味ですね(笑)

IMG_2436s.jpg

 このタイプはブラケットをネジ止めして上からレールをかぶせるタイプ、耐荷重は計15kgとフライパン3丁なら十分。しかし上の商品を見て
「あら、意外と安いのね」
と思うのは早計、実はレールから物を吊るフックと、そのフックに掛けるハンガー(自在ワイヤー)これが高い。



 レール1mにフック3つハンガー3つでしめて9620円。
 購入はモノタロウさん。
https://www.monotaro.com/
 ちなみに、ですがウチは1mを買って75cmに切りました。アルミなので金属切りノコがあれば簡単に切れます。
 あ、それからハンガーは掛けるところがちょっと小さいので、百均で買ったSカンで繋いでます。これ外れやすそうに見えますがわりとイケる。

 取り付けに(自分のせいで・商品は何も悪くないです)苦労したのですが、出来上がってみればとてもクールな仕上がりで、大満足です。レール、フック、ハンガー全てホワイトで統一されているので存在感も主張しすぎません。やっぱりトップメーカーの逸品は違いますな。

 以前、安冨先生の個展のお手伝いした時に
http://rakken.sblo.jp/article/164099967.html
さんざんっぱらこのピクチャーレールとやらを弄くり倒してて思い出しました。
 便利ですよ、ピクチャーレール。
posted by ながた at 00:00| 雑記

2017年09月25日

スマホ車載ホルダ「Easy One Touch 2」Smart Tap




 ワタクシのRBオデッセイ、11年めの車検明けでございまして、メーカーオプション・ナビの地図が古うございます。3年めの車検の時に無償書き換えが1度できるので、それをやったきりつまり8年前の地図。
 ナビあんまり興味無い方は驚かれるかもしれませんが、実は道路ってめちゃくちゃ変わるんです。も8年も前といったら明治時代の地図見てるのと大差ないといっても過言ではない。いや過言。
 奥さんとまだおつきあいしていた頃、彼女のお家まで新しいバイパスがバーッと通ってるのですがこれが地図に乗ってなくて、オデッセイで往復する時はいつも田んぼの中を突っ走ってました(念のため、ナビ画面上で、ですよ)。

 幸いホンダのweb見ますとこのナビはまだ書き換え(新しい地図)に対応してて、税込1万6200円でやってるのですが
http://www.honda.co.jp/navi/versionup/makermodel/inter/fop/index.html#F11
地図書き換えだけに1万6200円、なぁ……という感じですよね昨今。
 そう感じてしまう理由はそうスマホ。
 多数のナビアプリがしのぎを削り、もちろんGoogleMapもApple純正品もなかなかのもの。
 そもそも先日の小豆島旅行の際にも書きましたが
http://rakken.sblo.jp/article/181112918.html
運用上、スマホをナビに使った方が便利なんですよね。

 ……と、前フリ長いですがつまりはスマホホルダを探しました。
 こういう時Amazonと楽天は役に立たん。
 いっぱい候補出過ぎてわからん。
 あれかなこれかな悩んでるうちにシンクロニシティ、スタパ齋藤さんの記事が出た。
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/stapa/1058220.html
 ありがたい。
 これ参考にさせていただいて、上掲のモデルを買いました。

 記事にありますように欠点から言うと、多少おおげさすぎます。
 RBオデッセイの場合、メーカー純正ナビ画面がずいぶん奥まったところに画面があるので(ディーラーナビだと突き出す)その凹みに設置したのですが、当然それ越しに画面はかなり見づらくなりますし、その横に時計あるのですがこれも見づらい。
 なによりの美点は可動範囲の広さで、かなり変則的な付け方だと思うのですが無事非常に見やすい場所かつ他の運転操作の邪魔にならない場所に設置できました。
 押し付けで一発固定、リリースラッチを両側から挟み込めば一発解除。
 これもとても使いやすいです。
 吸盤はどうしても経年で取れてきますが、ウチの場合はかなりきれいな平面がフラットめに取れているからか、ぜんぜんガッチリ。このへんはお車ごとの設置箇所によって随分違いがあると思います。やっぱり垂直に近い方が厳しいと思う。

 車載ナビは、オンダッシュタイプ(いわゆるPND)ですともはや2万も出せば5インチでちゃんとしたのが買えるのですが、これだとスマホと変わらんし、インダッシュタイプだと工賃掛かるので安くても10万コース。
 悩ましいところです。
 スマホの方が使い勝手いいよね……
 もちろんインダッシュタイプには多彩なAV機能がありますが、音楽も最近はスマホから流した方がてっとり早いし、ラジオやTVやDVDは見ない人には意味がないし……まあバックカメラのモニター機能はスマホではできん芸当ですが。
 マツダ車みたいに最初から造り付けてあったら諦めもつきますが。

 ということで過渡期だなあ、と思います。
 過渡期は工夫で乗り切れ。
 スマホと車載ナビとの融合、誰か天才的アイデア出してくれませんかね。
posted by ながた at 00:00| デジタル・ガジェット

2017年09月24日

お醤油「天然醸造 木桶仕込み 初しぼり生」マルキン


http://moritakk.com/products/syouyu/koikuchi

 小豆島「マルキン醤油記念館」で購入。
http://rakken.sblo.jp/archives/20170921-1.html
 こちらでは10種類ぐらい試食できるのですが、夫婦で舐め回して選んだのが最もオーソドックスなこれ。
 圧力を加えず自重だけで醪を絞る、がゆえのクリアな味と色が魅力です。
 さらには粘度や塩分、甘み、香りの塩梅がちょうどよく、「なんにでも使えそう」というのも決め手でした。逆にいうと「刺身ならこれ」「煮物ならこれ」と別のが出てくるかもしれません。
 ぜひ現地でセレクトする楽しみをお味わいなされ。

 帰宅後、ちょうど旅行の前々日にそれまで使っていたお醤油が切れたので、満を持しての実戦投入。
 うまい。
 調理に使っても、おしょうゆの香りと味がふんわり付いて素材のお味をあまり邪魔しません。ここがいい調味料とおなじみのスタンダードな調味料の違いで、いい調味料はそれの味が付くのにその味ばかりにならない。みりんでもそうですね。
 もちろん掛けてよし。
 中でも白眉はお造里で、まぐろなぞをドボンとドブ漬けしてもノー・プロブレム。そう瞬間ヅケのようになって別のお味に早変わり。
 お値段も見ての通り小瓶360円とぜんぜん手の届くもの、あるいは調理用はスタンダードなものを使っても掛け醤油でこれぐらいの贅沢はバチも当たりますまい。

 この盛田株式会社は日本中の醸造メーカーを傘下に従えており(自身も1665年創業)どういう企業形態かよくわからないのですが、もしアライアンスを組むことで販売部門・間接部門のコストダウンができ、小さな蔵々が真面目に作ることができるなら素晴らしいですね。
posted by ながた at 00:00|

2017年09月23日

2tの神輿


 ウチのリフォームを担当していただいた工務店の大将と世間話。
 大将の地元近くの町会では、お祭りのお神輿を新調したという。

「……こんどのは2tですわ」
「お神輿って重さで表現するんですか。
 このご時世に景気のええことですね」
「それがええことやおまへんねん。
 前のは1.5tでしてね、小ぶりなんですが綺麗な細工のええ神輿でしたんですよ。みなで機嫌よう担いでましたんですよ。ところがね」
「はい」
「周り近所から『あんなものは女子供の神輿や』と馬鹿にされましてね」
「はあ」
「それで2tを新築ですわ」
「ま、まあ、ごっつなったら威勢もええんでしょう?」
「それが重うなりましてね。当たり前ですけど。担げる人が集まらんさかい、一人頭の負担が増えて」
「えーっ。2tとなると……1人40kgぐらいが限界だろうから……50人ばかり要りますか」
「そない集まりませんねん。35人が一杯」
「えーっ。1人……60kg弱ですね。キッツイなあ」
「キツイですよ。
 30分で回れてたコース3時間掛かるようになりましてね」
「あきませんやん」
「ちょっと行ったら休憩ですわ。それも息を合わせて降ろさないとね、背の低い人下に敷いたらエライことなりまっさかい」
「そりゃもちろんそうですね」
「こないだタイミングが合わんくて3人ばかり転けましてねえ。腰の骨折って三ヶ月入院」
「あきませんやん」
「そんな話が広まりますと『ウチの大事な息子出せるか』言うて親が若い衆止めよるんですわ」
「僕でもそうします」
「ほなますます人が減って……」
「臨時でバイトとか雇えんもんなんですか」
「あきませんねんそれ。転び屋みたいなのが来ますねん」
「なんと。保険金詐欺?」
「ちょっと担いでゴロゴロ転けて腰いわした(壊した)どこいわした言うて喚きますねん。ほなほっとけませんでしょ? やれ見舞金慰謝料ぜんぶ町会から出さなあかん。せやからそういうことのないように、身元のしっかりした人に法被着せて、それ着てるもんしか担げないようにしとるんですが……人が足りません」
「プラッチックで作り直したらどうですか。ダンボールとか」
「ごっついエエ神輿なんですよ。
 でも担がれへんかったらねぇ……」

 国立競技場か。
 20000%やらんでええことをやって、そこそこうまく回ってた話が崩壊、という、近年の日本の縮図みたいなお話でした。
 ま15年、半世代も経てば当事者死に絶えて次の世代がゼロから考えてくれるでしょう。倉庫で死蔵されてるだろう2tをカーボンかなんかで匠リフォームして200kgにするとかね。
posted by ながた at 00:00| 雑記

2017年09月22日

小豆島旅行 2日め


 さて朝。といえば風呂。
 ざんぶと入るとここはもうパラダイス。
 爽やかな風に心地よく吹かれながらの露天風呂。
 たまりませんなあ。

 朝食バイキングでは「おにぎり握ります」おばさんがおられたのですが、小豆島名物「ひしお丼」などご飯っ気は足りており人気がなくて手持ち無沙汰のご様子。あとパンが弱い。しょうがないかも。しょうゆの島ダシ。
 とはいっても味は良く、二人でもりもりいただきました。

 9時すぎにチェックアウトして一路、草壁港へ。10分ほど。
「……あれ? 船が無いぞ?」
 港が全体的にのんびりしている。
 確認すると出港時間間違えてて、9時発でした。
 しかし慌てず騒がず『るるぶ』をひっくり返して池田港から9:50が出ると知る。フルスロットルをくれると猛然と40km/hでダッシュするぼくらのオデッセイ……前のおっちゃんがそのぐらいのスピードで……
 しかし大きくない島なので、余裕で間に合うタイミングで乗り場に辿り着き、切符を買う。ターミナルの賑わいが本州側とぜんぜん違う。特に印象的なのはトラックなどの生活・業務関連車両の多いこと。
 船は国際フェリー。
http://www.kokusai-ferry.co.jp/
0IMG_2407.jpg

 小豆島は四国文化圏でした。岡山より高松。

 という感じで高松ゆきジャスト1時間。
 2日めはあいにく曇りから小雨。
 しかし水蒸気に煙る瀬戸内もまた日本的。
 太平洋戦争前、つまり空路が極めて特別な時代は、海路外国から日本に帰ってきた人々は一様にこの「煙る海」に「ああわが故郷」と郷愁を感じたそうです。

 さて、高松は都会。
「四国一の大都会」の気概横溢、訪れたことある地方都市では岐阜とか山口とかよりだんぜん都会。
 それって要はどんだけ「エエカッコするか」なので、気合さえあれば他特段何も要りません。人間気合がだいじ。
 まあ都会だからっていいことは特に無いんですけども。
 特に都会から来た者にとっては……

 まずは栗林公園へ。
https://www.my-kagawa.jp/ritsuringarden

 わたしも若きみぎりには地理歴史研究部などという(要はブラタモリ部です)偉そうな部活に所属していた不良部員の割には(これ偽悪的にカッコつけてるんじゃなくてホントに不良だったの。詳細は上山全自動先生に聞いてください)チリに疎く、「サ・サコンビ?」とか言い出す始末で、とどのつまりは初耳だったんですけど、なぜこんなに知名度が低いのか、というぐらい、なかなか素敵な庭園でした。
 僕が行ったところでは、兼六園(金沢)や後楽園(岡山)よりもスケールが大きいと思います。
 ちょっと整いすぎてるからかな?
 ヴェルサイユ宮殿の庭って、ものすごい手入れされてピシーッと造り込まれてるんですけど、「すごい」と思うのですがあんまり心に染み入る感動みたいなのは少ないんです。
 ちょっとそんな感じもした。
 だからむしろ外国人観光客向けかもしれない。
 と言うまでもなく、ミシュラン・ガイドで3つ星貰ってるそうです。
 庭園好みが無い方でもうどん腹こなしに最適、高松行くならここはおすすめ。

 庭内には古典的な茶屋式おみやげ&軽食売店もあるのですが、(もちろんそういうところの方が懐かしい昭和的観光旅行気分が満喫できます)こちらにはその名も「Garden Cafe RITSURIN」というオサレカフェがあり、そちらでお茶いただきました。
0IMG_2421.jpg

 ドリングもスイーツもなかなかしっかりしてて、こういうところによくある「カッコだけ」店舗とは一線を画す。プリンと心太をいただきました。
 各施設の詳細は上記栗林公園のwebをご覧あれ。
 ちなみに北口と東口があるのですが、見回り易いのは東口だと思います。クルマもしくはレンタサイクルなどで行かれる際はそちらからアプローチされるとよし。わたしら北口から行ったもので割と歩きました。まあそれほど致命的な差でもないですが。

 さてうどんか、と思ったのですが、『るるぶ』眺めてた奥方が「ここへ行こう」というのが「まちのシューレ963」というお店。
http://www.schule.jp/
「暮らしをテーマにしたショップ」
とのことで、女子はこういう雑貨&こだわり食品のお店好きですなあ。
 こんなとこまで来てそういう大阪はもちろん神戸にも京都にもありそうなお店に行かんでも……

「せやけどここの人はオシャレやで。
 オシャレは気合いやで。
 きっとええ店に違いない」

 奥方は元美術部、わりとこういう勘は鋭めなので(ご承知の通り僕はもちろん鈍めで、いやむしろスカ引いた方が話のネタになるとワクワクする方です)
 ということでなんとか高松市内をくるくる回って駐車場を見つけねじ込み、ちょっと歩いて目抜き通りらしきアーケードの一角にあるそのお店に。

 おっ。いいじゃないですか。

 カフェ、食品、衣服、小物、特設展示スペース、がこじんまりながらまとまって楽しめるようになっており、それもしっかりハイセンス。都会によくあるチェーン系の、まあたとえばMUJIとかだ、ああいう既製品と違ってちゃんと担当の方が知恵と工夫でひとつひとつ、という感覚が伝わってくるのが好ましい。

 小豆島から思ってるんですけど、やっぱり田舎でなんかこういうことをする、となると結局自分(たち)でやらざるをえないので、必然的にそのひとの「手の感じ」が出て、それが顔となり体温となり空気となり、居心地を良くしますね。
 なんぼ小綺麗でも誰か遠くのプロがやった賃仕事のハコで、バイトの子がPOS打ってたらそれだけでつまりトポロジカルに言えばローソンとまったく一緒ですからね。
 いやローソンが悪いわけじゃなくてコンビニはその方がいいわけなんですけど、それをセレクトショップでやらかすのは本来異常。都会の人は麻痺しちゃっててわかんなくなってますけど。

 また売ってるものもどれも魅力的。
 もちろんここ(らへん)にしか無い。
 いりこ買ったり(これが手で頭とワタとって炙ってあってとても美味い)、ジャム買ったり。もちろんどれも瀬戸内製だ。

 意外なお店を楽しんでるともう2時、ということで遂にうどん。
 せっかく来たからには、とスマホ睨んでいろんなお店を検討したのですが、ここはクルマでのリーチの良さを取ってオーソドックスに「うどん本陣 山田家」。
http://www.yamada-ya.com/
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『水曜どうでしょう』ファンの方なら四国八十八ヶ所巡り、もう最後高松に来てあと飛行機の時間が云々言ってるのに行くの行かないのと悩む、あのお店です。一般的に舌が肥え果ててて滅多によその地で「うまい」と言わない北海道人・大泉洋さんの「うまい!」が聞けるお店。
 緑いっぱいのお庭を観ながらお座敷で。
 わたしが釜ぶっかけとざるぶっかけの冷温ぶっかけコンビ、奥方が肉うどんに阿波尾鶏とハモ天。
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 うまい。

 今年の夏、我が家ではぶっかけうどんをよく作りました。乾麺が腰がいいのがあるんですよ最近は。それを茹でて、これまた最近種類の豊富なぶっかけつゆを掛け、トッピングはゆで卵、わかめ、キムチ、みょうが、ごま、大葉、もちろんネギに生姜をお好みで。何杯食べたかわからないぐらい食べてるのですが、

「なにが違うんだろう」
「ぜんぶ違うんだろう」

 粉、水、製法、ぜんぶ違うと思う。
 しっかり腰があるけど別に固くは無く、他所の地方で「讃岐うどん」を名乗ってる大抵のアレはウソ。
『ブラタモリ』の香川の回で本場の讃岐うどんを食べたタモさんが、彼は福岡出身なので我々大阪人同様、「うどんはやわらかいもの」という意識でいわゆる「讃岐うどん」には懐疑的だったのに、「あれ? うまい」と。
 讃岐人もっと怒ったほうがいいよ。ブランドを毀損している。シャンパンみたいに讃岐製以外は讃岐うどんと名乗れないようにした方がいい。

 こんだけうまけりゃ一日何軒も巡る「うどんツアー」を企画する気持ちもよくわかる。もちろんお土産にかけ・かまセット4食分を買う。

 さてあとは向かうは淡路島。
 この旅はずっとiPhoneの「Yahoo!カーナビ」にナビを任せています。
 ドライブ旅行でスマホナビのメリットと言えば、クルマから持ち出して次の目的地を決めて検索、クルマに帰って即スタート、という利便性。車載ナビだと毎回検索し直してから、ですからね。
 もちろん時折自車位置間違えたりするのが懐かしいのですが(いまの車載ナビはクルマからデータ貰うのでまずそれは起きない)、それもたまにですし、なにより地図が最新なのが心強い。Yahoo!の場合はメジャーチェーンの駐車場の満・空もわかるので、これも非常に便利です。
 そして今は期間限定・きせかえボイスでアイドルマスターシンデレラガールズの3人が交互にしゃべってくれたりもするよ。
 走ってる時は基本的に凛ちゃんなので(声が落ち着いてるからかな)しぶりんファンはぜひ。

 さてナビの言うこと聞いてますと割と変な方向へけっこう細い道走らされたので、ちょっとドキドキしたのですが方向音痴二段のわたしがナビ様に楯突くなど100年早い、いつの間にか高松道に乗って快走・快走・また快走。小雨の水しぶきをワイパーで跳ね除けつつ突き進んでいきます。
 あっという間に大鳴門橋を渡り、淡路島を縦断して目的地は心のふるさと・淡路ハイウェイオアシス……
http://www.awajishimahighwayoasis.com/

 ここまでクルマ的にはオール順調、珍しくルートミスも無く走ってきたのですがここでミス。それも大ミス。
 出口スルー。
 次の出口は明石海峡大橋渡って垂水。

「ああああああああああ……」

 車内に虚しく木霊するわたし(方向音痴二段)の絶叫。
 いやちょっと言い訳さしてもらいますと、「淡路ハイウェイオアシス」と「淡路SA(サービスエリア)」は別物なんです。場所も別で、徒歩だと15分ぐらい掛かります。(ちなみに山あり谷ありでおもしろいコースなので昼間なら歩いてみられるのも楽しいかも。夜は怖いです)
 で、正解から言うと一旦「淡路SA」へのランプへ入って、淡路SAの駐車場の端っこの方をくるっと回って、「ハイウェイオアシス淡路」への誘導路を走る、という段取りなんです。
 それを、「淡路SA」用と「ハイウェイオアシス淡路」用、別のランプがあるもんだとばっかり(なぜか)思い込んでて、それで「淡路SA」ランプをスルーしてしまいました。
 ほんで橋渡って垂水。

 もう神戸で夕食食べるか、とも思いましたが、せっかくの旅だし、ということで、垂水で降りて、ぐるーっと回って、も一回乗って、も一回明石海峡大橋渡って、淡路ハイウェイオアシスに辿り着きました。
 ホントはこの場合(乗り過ごし)、係員さんの居るブースで事情を説明すると料金を精算してくれたりするそうなのですが、説明がめんどくさそうなのと気持ちと時間の余裕がなくそのまま走りました。ご参考まで。

 気を取り直して(ヤケクソになって)お土産いろいろ。
 完熟タマネギを筆頭にタマネギスープにタマネギドレッシング、玉ねぎラーメン、島レモン、炙り蒲鉾、牛乳スティックケーキ、約5000円。
 諸々通販で買えます。我が家もよく利用します。
「島と暮らす」
http://www.shima-life.jp/

 でもちょっとお腹まだいっぱいだねー、ということでしょうゆソフトと普通のソフトだけお腹に放り込んで、帰路につきました。
 凝りたので帰りはナビ(の凛ちゃん)の声に素直に耳を傾けます。
 時間的に、阪神高速も中国道も真っ赤に渋滞。
 でも最近のナビの渋滞対応リルートは凄いですね。
 こんどもまた橋渡ったら「すぐ降りろ」って言うんです。えーっ、こんなところから下道大丈夫ッスか、と思ったら、ちょちょいと走ると山麓バイパスがある。あー、そうか、と乗るとぴゅーと布引。あとは上からちょっと走ってR2へ、ちょっと走ってR43へ、とジグザグに降りてって海沿いいつの間にか弁天町。
 ノー高速で少し重複高速代取り戻せました。
 ナビ様ありがとう。
 もちろん空いてさえいれば、阪神高速ずーっと走れば1hで家のドアですが。都市高速は渋滞が敵。

 夕食家でなにか食べるのも面倒だし、さすがにちょっとは腹も減ったし、で辿り着いたのは近所の、よく行くロイヤルホスト。
 サンドイッチとトンカツ御膳。
 若干変な締めではありますが、まあ無事帰ってくることができました。

 丸2日ほったらかしたメッちゃん(猫)は今回はさほどブスッとしておらず一安心。前回夏コミの時は2泊3日だったもんで帰ってからしばらくムスッとしたままでした。

 翌日お土産を並べて見るとこんな感じ。これ自家消費用で、母用と義父母用と鍼の先生用の抜きです。食い物ばかりよー買いました。
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 以上です。
 美味いもの、いい景色、温泉に名勝、そしてなにより、のんびり。
 せとうちよいとこ、一度はおいで。

 わたしら夫婦、結婚してからこれが初めての宿泊旅で、つまりこれが新婚旅行か、と笑いました。
posted by ながた at 00:00| 日記