2019年02月11日

本「データが語る日本財政の未来」 明石順平






 とてもわかりやすく全方位からまとまっているので、いまさら聞けない「何が危機なのか」を知るによいと思います。本当にマズい。本来はこんなことになる前にもうクラッシュしてる。

 要は収入に比して借金が大きすぎるわけですが、ではなぜ破綻してないか、というと理屈づけはいろいろできて、
「他の金融資産(特に通過)と比べて言うても安心」
「人類史上こんなに金が余り倒してる時期は無いので、行き場がない」
「資本主義がそもそも終わってるので今までの常識は通用しない」
 でも、古今東西、こんな感じで大きな借金を抱えた国や共同体・組織は、どこもが誰もが上のように何とかかんとか理屈を捏ねくり出しては
「だから大丈夫」
と言い続けて、でもまあまず予想通りクラッシュしてきた。
 バブルの時だって、
「日本は土地が狭いから不動産は絶対に下がらない」
という言説をみんな信じてたもん。もちろんそれも真実のひとつですが、ものには限度がある。

 おそらく日本も、たぶんハイパーインフレが起きて(あるいは起こして)、今までの借金をチャラにして(幸か不幸か国債の引き取り手はだいたい日本人だし)、多少は少子化・高齢化に耐えられる重税設計をしなおしてリスタート、という結末になるっぽい。近い解決を戦後インフレの時にやったそうです。

 その時、世の中でどんな摩擦が起きるか、は見当もつかない。でもそうは言っても生活というのは続くので、そこに貢献できて日銭や生活物資が貰える「なにか」をそれぞれが身につけていかないといけないのかなあ、という感想です。
 縦笛が上手で、人がいるところで吹くとおひねりが飛ぶとか。
 靴磨きがべらぼうに上手、とか。
 庭の柿の木の実で作った干し柿がすごいおいしい、とか。

 私の書物によく登場する田中支店長、いるでしょう。
 彼は現役バリバリの金融マン(与謝野馨の鞄持ちでパリへ行った男ですよ)だから聞いたんですよ「この国債どうなんの」って。

「たぶんインフレやろ」
「やっぱり……」

 ここからが男前。

「せやから俺は(現預金を)モノに換えといた」

 4000数百万の大阪市内の新築注文住宅、キャッシュ即金でお支払いですよ。
 カックイー。
 まそのように人や資産やライフステージによってディフェンス策は違うと思うのですが、
「お金の価値ゼロ」
という日が、明日いや今日来てもおかしくないので、めいめい研究されておくとよいと思います。
 あと、これからは社会福祉が頼りにならなそうなので、健康維持のために食物繊維取ってストレッチですかね。そして歯を磨く。

 首都圏で新築マンションがだいぶ買い手がつかないのと、あと年末に株がドボンと落ちたのと、米中貿易戦争などというやらんでええことやってるおかげで頼みの米国も中国も共倒れしてるのと、などなど考えると、ま今年中になにか起きても不思議ではない。

 もちろん、ただ凋落を続けていた関西経済が「インバウンド景気」などという神風によって突然誰も予想しない形で一息つけたように、経済というものは不規則遷移現象(俗に言うカオス)なので、なんか神風吹いて一気に解消されたりするかもしれない。
 あと滅ぶだけだったmixiがモンスト1個当ててクソ儲けたり、最近のお金の流れは振れ幅が尋常では無いので、なにか尋常ではない(けどちょっとした)ことで大復活したりするかもしれません。
 アテにはできませんけどね。

 労働問題に詳しい弁護士さんらしく、データと法律で何が問題かを丁寧に炙り出しており、経済の話苦手な方でも全然だいじょうぶ。中学生でも読めると思う。むしろ中学生が読んで、身の振り方を考えるよろし。
 おじさんから言えるのはごめんなさいぐらい。

posted by 犀角 at 00:00|

2019年02月10日

もう出がけに何度も財布を確認したりしない!すぐ手に入って無くさないし忘れない!イベントには!スマチケ!(イープラス!)


https://eplus.jp/sf/guide/spticket

 タイトルコールどおり、スマホで購入・決済・入場まで完結してしまうイベント電子チケット・サーヴィスでございます。昨日の「大阪オートメッセ2019」で初めて使ってみました。
http://rakken.sblo.jp/article/185528477.html

 便利。

 だいたいこういうのってPC版UIの方が使いやすかったりするものですが、こちらはスマホで普通に完結しました。コンビニへ行ったりお金用意したり出てきたチケットを大事に保管したりそれを当日何度も確認したり、という手間が一切合切無くて、なかなか最高です。
 入場の時に「ほ、ほんとにこれで行けるんか……」というのだけちょっと不安でしたが(笑)
 もちろんモギリのお姉さんがスッとスライドしてPASS。
 いや便利な時代ですね。
 半券が手に入らないのがコレクター的には残念かもしれませんが。あとチケット入手してからそれ眺めながらワクワクする、てのも無い。

「スマートEX」アプリで新幹線の切符買えた時には「便利になったなー!」と感動しましたが、次は是非、運転免許証をば。

posted by 犀角 at 18:03| 雑記

2019年02月09日

大阪オートメッセ2019


https://www.automesse.jp/

 2/9(土)から11まで、@インテックス大阪。
 行ってきました。
 お目当ては新型マツダ3、ハッチとセダンの2台。

https://twitter.com/KazuhisaNagata/status/1094053532381003776

 先日の東京オートサロンで国内初お目見え、その時現地の声として
「実車見るとハッチがいいぞ」
と聞いたのですが、なるほどいいです。僕も写真・動画ではセダンがいいなあ、と思っていましたが、現車ではむしろハッチかも。
 ハッチの方が「あんまり見たこと無い」感じ。ゴルフを筆頭とする「5ドアハッチバック」感が薄くて、クーペ/スペシャリティカーっぽい。ちょい懐かし目の。マツダで言うとランティスの5ドアが思い起こされました。
 このSUV/ミニバン流行りのご時世で、正直このサイズ(Cセグメント)ではハッチやセダンに合理性は低いので、このぐらいエモーションで無いと確かにダメかも。
 ちょいと若かりし頃の前田育男(現デザイントップ)が3代目デミオをデザインする時に、大好評だった箱型ミニワゴンスタイルを潔く捨てた、のと同じ考え方、と見た。
 会場にあったクルマでハッチの全長4460ぐらいのクルマといえば、たとえば三菱のエクリプス・クロス(もちろんホンダ・ヴェゼルやトヨタ・CH-Rでもよい)ぐらい。背の高いSUVは中広いので、このハッチとエクリプス並べるとユーティリティでは勝てないです。
 合理性で勝てないなら「カッコいい」とか「高級感」とかぐらいしか無く(あとは「安い」とか「スポーティ」とかもありますが、安くては儲けは出ず、スポーティさはSUVが元々強い)そこピッタリ合わせてきたマツダ3に世界の市場がどう反応するか、注目です。

 もう3月にはジュネーブでこれをベースにしたCX-3(?)を出すそうで、そちらが本命の市場も(日本を含め)多そうです。
 お尻だけのティーザー出てますが、期待大。
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1168306.html

 セダンは思ってたより「アクセラセダン感」が強くて、安心すると同時にちょっぴり残念。Cピラーから短いトランクリッドにつながってるあたりがもう紛うことなき歴代アクセラ・セダンそのもので、まあもちろんヘリテージは繋いだ方がいいのでいいことなんですけど、「すごいカッコいい新型セダン」という感じはなかったです。一般の人にはアクセラ自体そこまで存在感無いので、そう思う人の方が多い、と言われればそうかもしれませんが。

 までもどっちもキレイなクルマでした。
 朝早く起きてバスとニュートラム(笑顔フェイスの200系)乗り継いで観に行った甲斐はあった。以下雑感五月雨。

・オートメッセてのはカスタムの祭典なので、主役はカスタム・カーです。
 なのでカスタム範囲の広いミニバン・ワンボックスが最もお客のヒキが良かったですね。
 SUVも並んでるんですけど、アルファードやハイエースには敵いません、という感じ。

・カスタムには大きく分けて
 「走り系」
 「ファッション系」
 「道具系」
の3系統があって、昔と違うのは後者2つ特にファッション・カスタムが隆盛を誇る上にずいぶんセンス良くなってるところ。
 ハイエースなんか興味ない僕でも「あこれいいなあ」という個体もいくつかあったりして、すごく上手く夢というか大げさに言うとライフスタイル提案ができてると思います。
 まもちろん小なりといえどもショップの売り物なので、ある程度の完成度があって当然、なわけですけども。

・といってもメーカーが送り込むカスタムがカッコイイのも当然なのですが、個人的に一番いいなと思ったのはトーヨータイヤのデモ車ハイラックス。
 トーヨーはライトトラックの演出最高ッス。

https://twitter.com/KazuhisaNagata/status/1094056884699422720

・帰りに必ずフードコート&物販の棟を経由する動線で、「巧いなぁ」と思いました。
 グッスマ初音ミクコーナーだけ冷やかした。

・カスタムって言えばパロディみたいなもんなので、つまりコミケ的な雰囲気もあったりなかったりして、つまり「客」じゃなくて「参加者」って感じがして、なんとなく気恥ずかしかったです。なんとなく。

 楽しかったです。

posted by 犀角 at 15:38| 日記

2019年02月08日

MacBook Air 備忘録


 Appleの製品は引き継ぎが簡単なのがウリなのですが、メインのノートパソコンはもう長年引き継いできてるので、ここいらでひとつクリーンインストールをば。僕の個人的な手順をメモ。

・最新のMacOSにアップデート
・システム環境設定
 Dock>右へ
 トラックパッド>タップでクリック
・Finder
 表示>表示オプションを表示>アイコンサイズ36×36
・Dropboxのインストール
・GoogleChromeのインストール
・Google日本語入力のインストール
 ・旧機から辞書をエクスポート>(Dropbox経由で)>インポート
 ・環境設定>キー設定>MS-IME
・JeditΩのインストール
・MS Officeのインストール

で、機嫌よくblog書いてから、前回15年春にMacBook買った時の記事を読み返したら、前回もクリーンインストールしてた(笑)
 進歩が無いのはワシかMacか両方か。
 もうそれがいいことなのか悪いことなのかもわからん。

posted by 犀角 at 23:44| 雑記

MacBook Air (Late2018, Retina) Apple





 とりあえず諦めた!

 3年半前に、フルモデルチェンジしたてのMacBookを買いまして↓

http://rakken.sblo.jp/article/127474379.html

 だいぶ進化のスピードが緩くなってきたとはいえ、デジタルガジェット特にモバイル用は3年が論理寿命です。実際Microsoft Office 365でWordなんか動かしますと、もともと非力なMacBookさんではつっかかってストレス。
 3年半耐えに耐えた薄いキーボードももうイヤ。

 ということで買い換えようかと思っていたのですが、待てど暮らせど「高速化・キーボード改良MacBook」は出てこず、昨秋現れたのはMacBookではなくMacBook Air。
 わー。
 おそらくですがMacBookのタイトな設計では余裕が無く、フツーの人がフツーに欲しがるスペック&価格の「ノートパソコン(13.3インチ級)」にならなかったんでしょう。世の人すべてがミニマリストではないので。

 Appleの悪い癖で、放置しはじめると4年とか5年とか平気で待たせるので──件のMacBook Airもそう、Mac Proもそう、Mac miniもそう、iPad miniもそう、AppleTVもそう、4インチ系iPhoneもそう──まあなかなか生産止めないのは良いことかもしれないけど──あこらあかんわ、改良MacBook待ってたらおれ死ぬ、と思って諦めました。

 とりあえず別の探す。

 一番イヤだったのはキーボードだったので、Windows機に浮気しちゃおっかなー、と。
 ヨドバシ梅田あたりでThinkPad X1 Carbon(Lenovo)やLIFEBOOK UH系(富士通)などキーボード自慢のマシンのキーを叩き、「これですよこれ」と感心して……
 顔を上げると、まず縦が狭くて使いづらい16:9(Microsoftが自社製品ではこぞって3:2とかにしてるのにだ!)、おなじみ無用情報ピン止めまみれデスクトップ、いつまでも懐かしいメモ帳、そしてウェイトが軽すぎて可読性の低い新フォント。
「……だめだー」
と諦めること数十回。
 Microsoftはもうゲイツもバルマーも居ないのになぜあんなにUIのセンスが無いのか。
 長い時間眺めるものなので、きれいな字をきれいな画面で観たいです。
 Windowsやっぱり無し!
(ただし両機ともモノとしては魅力的。今度出るgram(LG)の17インチ・モデルなんかも、軽くて安くて要注目)

 んじゃあMacBook Proでもええやん、と思われるでしょうが、ほとんどテキストしか打たない私にあれはあからさまにオーバースペック、オーバープライス、いささかToo Much。
 TouchBar無しモデルだけCPUでもキーボードでも差別化する方針も鼻白むので、MBPも候補から落とす。

「MBAか……まあAirは初代も買ったし、11型初代も買ったし、縁があるんかな」
などと嘯きつつ、ふとAmazonを検索すると、例のAmazonとAppleがようやく手を結んで正規販売開始、がなされていて、ヨドバシ・ドット・コムより安価。
 やるなあ。
 というか各地のリテーラーが怒らんのか、いや公式より6%も安いのもどうよ。
 などなどいろいろ思いつつも、貯めに貯めたAmazonポイントもブチ込める、ので、テンション上がっちゃって買っちゃいました。
(AmazonではiPhoneシリーズなど、売ってないものも多いです。そこで公式とは差別化してるみたい。カスタムもできませんしね)

 ──来て触って、まあ良かったです(笑)
 言うてもキビキビ感が若干上がっており、画面も若干広い。
 キーボードも若干ですがマシ。底づき感からの指先のしびれ、みたいなのが若干ですがマシ。
 若干ですが。
 これ世紀の大失敗ですね、同じように薄いMagicKeyboardはそう酷くないので、ほんのあと0.何mmかストロークがあれば問題無かったと思うのですが。
 その他使い勝手的にもついさっきまでとほぼ変わらず、良くも悪くも新しい経験の喜びも無ければ、新しい経験の困難も無く──て最近Appleのプロダクトを買うたびに言うてますね。

 褒めてばかりではアレなので悪い方で言うと、2018秋冬モデルと考えると、いろいろ軽くあがる非力なCPUにしてはちょっと重量がある。
 でもそれぐらい。

 標準iPadとかiPhoneXRとか、最近のAppleは「無理をしないモデル」が多い。性能やユーザー体験をガメつく削り取りに行くのではなく、常識的なコストで常識的な性能のモデルを作る。普通の方はこちらでどうぞ。
 標準iPadて32GBだと37,800(税抜)で、10インチ級なら変なAndroidタブレット買うよりあれ買ったほうが絶対いいです。もちろんFire HDとか、わかってる人がわかって買うならいいと思いますけども。

 余談ですがノートパソコンで言うと、Panasonicはもう固定客をガッチリ掴んで離さない、という感じで、ものすごい高価格で基本直販で買え、というスタイルなんですが、それでもやっぱり実使用シーンを考えると魅力的なスペックと佇まいであり、良いと思ったことをやり続ける頑固さはSUBARUの四駆のクルマを見るようです。

 ということで新相棒のキーをいま現在も機嫌よく叩いているわけですが、目下の恐怖は3月に噂されるAppleのイベントで(iPad mini5だとか、4型系新型iPhoneだとか、いろいろ噂があります)、上記改良型MacBookがどどーんと出てきちゃうことですが……まあ、そうなったらそうなったで。
 むしろこの調子でいうと、「MacBook Air 15インチ」てのも一定の需要があると見た。もちろん16:10のRetinaディスプレイで、13インチに対する値段アップも同スペックで3万以内とかね。MBAの一番安いのが134,800なので、159,800とかだといいな。

 さてニューマシン、色も先代MacBookと同じスペースグレイにしたので、閉じてても開いてても目の前に広がる風景が今までと驚くほど変わらず、僕が開封するのを見てた奥さんも
「違いがわからん!」
と顔をしかめていました。
 色ぐらいシルバーに変えればよかったかなあ。
 あるいは英語キーボードとか。
 次回は考えます。
 いや、考えなくていいような画期的なヤツをどうかひとつ。

posted by 犀角 at 21:49| ガジェット

2019年02月07日

相手にプレゼントを渡すこと



 鴨頭嘉人さん@YouTube。

https://www.youtube.com/watch?v=Vg0SaqWq20E

 NY帰りのエリートサラリーマン、okbちゃんに教えてもらった動画です。
 つまりこれもプレゼント。

 その冒頭のセレクトショップの店員さんの話が例としてすごくわかりやすく、また憧れるのですが、そんな店員(セールス)はそうは居ない。
 つまり「GIFTする」、し続けるのがいかに大変か、ってことで……まあ、でも「そうであろう」と心がける、意識し続ける、習慣にしようと目論む、のは姿勢として正しい。
 いやー、ぼくもなんとかそうでありたいなあ。
 ぼく一応言葉を遣う仕事してるはず(最近ホント自信無いス)なので、言葉を贈り物にできるように、精進します。

 いや、言い訳じゃないですけど、ぼくそういうのヤだったんですよ。若い頃は。
「『ありがとう』とか言うてる暇あったらやれや」
「『ありがとう』言うたらやらんでええと思ってへんやろな」
とかとか。
 行動して現実を動かすのがまず第一で、そこに言葉は必要ない。
 動かせないなら言葉なんかなんの意味もないし、動いたらまた不要なものだし。
 と、言葉に人一倍関心があったからこそ、必要以上に「言葉の無力」を強調していました。
 ……んですが、まあ年取ってくると、潤滑油とか、テーブルの上の一輪の花とか、それがエンジン本体やお昼の焼きそばそのものより場合によっては大切だったりすることもある、という、これもまた現実をよく体験するようになり、「どっちもたいせつ」みたいな気分になってきました。
 言葉は本当に無力でなんの栄養も無いのですが、化学反応における触媒のように、心や身体をポン、と押して、それによって心や身体が動き出して、物事が動き出す、ということはよくあります。
 それでいいし、もしそういう反応が起きなくても、まず自分に対して「いまなにを思ったか」の決着、区切りをつけてそれをもう一度自分に刻む、という効果もあるので、言葉はだいじに遣っていきたい。
 と思います。

 おかえり会ではピロさんと3人で3時まで呑みました。積もる話がありすぎて。

posted by 犀角 at 00:00| コンテンツ

2019年02月06日

時代はBtoB! すなわちバカtoバカ! 「バカになれ!」マーケティングでハッピーパラダイス!


……というような系の本を2冊読みました。

・本『ちょいバカ戦略 意識低い系マーケティングのすすめ』小口覺
・本『物を売るバカ2』川上徹也



 マーケ系の本で注意しないといけないのは、著者の発見した「勝ちパターン」(これがその本の売り)に牽強付会にハメこもうとするところで、この2冊はそういう悪意がなくて読みやすかったです。

『ちょいバカ』の方は冒頭で好例としてAppleを持ち出す勢いの良さで、確かに「バカでも使える」ように頑張る、というのは製品づくりの面ではAppleの伝統の美点ですが、しかしセールス現場の面では「バカ排除」、つまり「ある一定のハードルを設けてそこで足切りし、面倒な客を寄せ付けない」というSTARBUCKSやAmazonでもおなじみのアメリカン流行スタイルの元祖とも言うべき存在で、キャリアショップにiPhone買いに行かれて何度も何度も「故障したらAppleへ」「サポートはAppleへ」と念を押されましたでしょう?あれ。
 だもので、どの視点で観るかによってどこを狙いどこを切っているかは変わるもんスね。

『バカ2』の方は前著『バカ』が法則に重きを置いてこちらは実例集とのことで、知る人ぞ知る的好例が多々掲載されていて、読み物としてたいへんおもしろいのですが、あまりにも勝ちパターンが多岐にわたるので勝利の方程式が見えづらく、「……つまり運じゃねぇか」という疑念が湧いてきてしまう気もしたししなかったり。
「『なに』を売るか」のところで、製品・商品そのものの性質だけではなく、その「物」を取り巻くいろーんなレイヤーのいろーんな状況をよく研究して、空いてる穴を埋めたり、むりやり穴を開けたり、それが大事なのですが、なかなか「物」作ってる時にはそういう視点にならないんですよねぇ。物理的に作ること自体が大変ですからね。

 ともあれ、半ば強制的に、普段とぜんぜん違う視点で「物」を観ることができるので、たまにマーケ系の本読むとおもしろいです。

posted by 犀角 at 00:00|

2019年02月05日

何を言ってもだいたい馬耳東風顔で聞き流される私。「説得力が欲しい。魔法のような説得力が」と手に取ったのは名手の、大谷翔平の、村山実のVTRでした。



・本『神田松之丞 講談入門』神田松之丞
・CDムック『やる気が出る外郎売CDブック』
・本『話芸の達人』戸田学



 神田さんはなにかの折に音源聞いて、「ああパンチあるなぁ」と覚えてて、ご本見かけたので読んでみました。講談の名席のあらすじから、講談師の生活、伝説の師匠方の思い出まで、盛りだくさんです。

 ぼくは「古典を現代に」な企画が壁に当たるのは、言葉遣いなどのフィジカルな問題ではなく、価値観のズレが埋めきれないからではないかと思っています。
 落語の命脈が続いてるのは「笑い」が計測可能量なので、それを頼りに、ウケないところ削ってウケるところ伸ばす、という技が使えるからではないか、と。
 講談の場合は「感動」特に「カッコイイ」という感覚が時代とともに変化するので、ここをアジャストするのが難しいだろうな、と思います。

『外郎売』はYouTubeでいろいろあります。たとえば↓
https://www.youtube.com/watch?v=Hi46QVIyUdg

 ぼく小学校で落研だったもんですから『寿限無』いけますよ。あれ落語演者の初心者訓練用によく出来てて、前段でご隠居が一節一節意味解説してくれるので、覚えやすいんです。『外郎売』はもっとバラバラの言葉の響き優先の早口言葉みたいなフレーズが多いので、はるかに難しそう。

 まあ滑舌悪くても三四郎・小宮さんとか諸見里大介さんとか、むしろそれで笑いとってる方がいるご時世ですから、いいや。

 戸田さんのご本は西条凡児・浜村淳・上岡龍太郎という関西のしゃべり好きにはたまらないセレクション。ぼくは凡児先生はほぼ記憶にない世代なのですが、後ろ二人、もちろん浜村さんは現役バリバリですし、上岡さんは多感な若者時代、常に耳に入ってきた声と話芸でした。『ラブアタック』『花の新婚!カンピューター作戦』『ノックは無用』『パペポTV』そして『ナイトスクープ』。締まるんですよね、番組がピリッと。特にノックさんや鶴瓶さん、小枝さんみたいなぐにゃぐにゃした人と相性抜群で、タコとキュウリの酢の物のようにおたがいを引き立てあってました。でも辛いだけじゃなくて愛する阪神の話になると完全にキャラが崩壊したり、バカにしてたマラソンを始めたらなにをさておいてものめり込んだり、チラチラ見せる愛嬌がまた可愛げがありました。
 早い引退が惜しく、いますぐにでも戻ってきてもらいたいものですが、まだ力のあるうちに、が上岡流ダンディズムなのでしょう。

『パペポ』で鶴瓶さんと「襲名披露っていいよね」という話題になり、「何やったら継ぎたいです?」と問われて上岡さんが出した例が西条凡児さんでした。
 むしろ(特に関西に)必要なのは二代目上岡龍太郎だ。
 辛口や愛嬌はともかくとして、「博識」ってファクターがネックですねえ。

posted by 犀角 at 00:00|

2019年02月04日

実家の洋品店主からマンガ家へ、追い詰められた三田先生が捻り出した実践仕事術を学ぶ


●本『徹夜しないで人の2倍仕事をする技術』三田紀房



 後半はマンガの方法論が多いので、創作論好きにも。
 タイトルのようなヒストリの三田先生なので、カッコつけずに本音&プラクティカルでマンガ家のみならずクリエイティブめざす人には参考になると思います。

 実は軽く叙述トリックみたいなタイトルで、
「2倍仕事したかったら徹夜するな」
 結果的に効率が落ちるから。
 つまり巷間よく言われますがなかなか実現できない、
「結果的にアウトプットの量(&質)が上がるように行動せよ」
という点が強調されています。
 楽するためには外注でも何でも使え、変なコダワリは誰のためにもならん、とか。
 荒木飛呂彦先生(『ジョジョの奇妙な冒険』)も週休2日をデビュー当時から続けられて休載ゼロだそうですし、村上春樹先生も健康をキープするために早起きしてマラソン走り倒してますし、やっぱりジョブに限らず「健康な生活」がすべての基本ですねえ。

 ぼくも最近はなるべく7時間は寝るようにしています。
 漢方と野菜スープのおかげで最近はよく寝れてるので、ありがたいッス。

 そんな三田先生の連載中のがこちら↓

●マンガ『アルキメデスの大戦』1-13 三田紀房



「戦艦大和建造を止めるには」というテーマで架空の数学の天才・櫂直(かい・ただし)が活躍するのですが、架空戦記物と違って史実は(基本的に)動かさないので、どう着地させるのか、が見もの。
 最近では「圧倒的な未来戦艦を作って抑止力にする」という方向にシフトしてきたのですが、当然現実の大和はそこまでのものではないので、さあここからどう持っていくのですやら。
 ぼくが「新刊出たら買う」リストに入れてる何シリーズかのうちの1本です。

 上記の本に「売れるマンガ」の要素、先生が取り入れている秘訣が書いてあるのですが、それを読んでから読むとさらに趣深い。
 大ゴマだ顔アップだw みたいな。
 難しくなりそうな話が極めて簡潔明瞭に表現されており、いま何が起きているのかもわかりやすく、「マンガの力」って感じですね。

posted by 犀角 at 00:00|

2019年02月03日

あるスマホゲーの死 (in my mind)



 スマホゲーム「プリキュアつながるぱずるん」通称「キュアぱず」をサービス初日からやってましたんですが、
http://rakken.sblo.jp/article/184364083.html

 止めました。
 その顛末をメモ。

 ──少し前に「ちからクリスタル」というアイテムが追加されました。これが「任意の通常★4のカードを重ねられる」という大変強力なアイテム。レア感で言うと「2週間ぐらいのイベントを完走して、最大のご褒美がこれ1個」ぐらい。

 ちなみにこのゲームはカードレアリティとゲーム上の強さが一致してません。ざっくり強い方から、

 重ね通常★4>特定★5>変身カード>特定のイベント★4max>……

という感じ。ただし、通常★4を重ねていくには0.何%の確率のガチャで同じカードを引きまくれる豪運か、ガチャ引くための課金をしまくれる財産か、のどちらかもしくは両方が必要です。しかもこの通常★4、最大レベルにするには「同じカードが32枚」(最初の1枚は持っているので正確には31枚)必要。とどのつまりは「通常★4を重ねられるのはかなりの重課金の人だけ」という状態だったんです。
 以上背景説明。

 で、こないだのイベントで運営さんが大ポカ。
 この「ちからクリスタル」を、かんたんなミッションのご褒美として100個×2件、つまり200個配っちゃった。これを手にして手元の通常★4に重ねると、max通常★4が3枚以上手に入る、言い換えると突然、
「重課金者でもなかなか持ってないようなものすごく強いカード3枚が手元にある」
という状態になる。
 絶望的な不公平です。
 それも腕でも努力でも投下時間でもお金でもなく「メンテ明けすぐにプレーできた」という運だけによって引き起こされたもの。
 現実だってそう?
 パカヤロウ、現実が不公平過ぎるからコンピュータが公平に捌いてくれる「はずの」ゲイムをコツコツやってんじゃねぇか!

 わたしそのミッション報酬見た時に「へ?」と二度見して、「あこれは何かの間違いだわ」と直感したので、だらだら先へ進めてたんです。すると突然落とされてメンテ。
 確かイベント開始から緊急メンテまで1時間ぐらいだったはず。
 その緊急メンテが2時間ぐらい。
 明けて、報酬は別の普通のものに変えられている。お知らせ見に行って、軽くメンテ詫び宝石24ほど配りつつ「また補償は検討します」。
 さて週末挟んでまたメンテして、明けて、結局補償は宝石1200。

 はい終わりー。
 閉店ガラガラ〜。

 ひさびさにきもちよく心をポッキリ折られたので、スッキリ止めることができました。

 ──で、最近自分でも「丸山桂里奈さんはW杯優勝メンバー」ぐらいスッカリ忘れてるんですがぼく昔ゲーム開発者だったんで、ぐちゃぐちゃ考えたんです、どうすべきだったかを。まずロールバック、それができなきゃ報酬そのままクリスタル200がある世界としてバランス再構築、etcetc.
 でもそれ考えてくと、このゲーム、ビジネスとしてたぶん小規模なので、「手が足りない」に行き着く。プログラマが2人か3人かヘタをすれば1人。それでは何もできません。物理的に上記対応しかムリ。

 そう考えると、怒りとか憤りとかは消えて、
「まあ、止められてよかったか」
と思ったりもします。

「戦争とソシャゲ・ネトゲは、
 始めるのは簡単だが終えるのは難しい」

などとチャーチルも申しておりますが(ウソ)、えらいメタでえらい突然とはいえ、エンディングが迎えられたのは幸せだったのかも。FF11(ネトゲ)は止めた今でも「秘(片手刀のエンピリアンWS)は撃てるようになりたかったなぁ」とか思っちゃいますもん(笑)あれカッコイイんですよ、黄金の龍がバーッと駆け上がって。
 でもさすがスマホゲーというか、止めても思ったより暇でしょうがない、なんてことにはならなかったです。隙間時間うまく使ってたみたい。

 楽しかったッス。
 運営さん身体に気を付けてね。開発の仕事はどうしてものめり込んで身体を壊しがちです。

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2019年02月02日

「鵜舞屋」のちりめん山椒昆布


https://www.umaiya.co.jp/

 これもまたg石アナからいただいたものです。
 屋号、岐阜ならではのいい語呂合わせ。
 お味も「東海地方だから!」と構えなくていい優しいお味で、ちりめんの風味も昆布の風味も残したまま、山椒も効かせすぎず。
 塩昆布系のいただきものって辛くて量食べられないままいつのまにかカビさせる、という悲しい事例がよく起きるものですが、こちら大丈夫。2日ぐらいで無くなります。
 日持ちも最高にするし(1年以上)上記webでご覧の通りお値段もリーズナブル。
 名店は日本中にありますな。

posted by 犀角 at 00:00|

2019年02月01日

なんてことだ!ちょっとジャンクな味の濃さが癖になって止まらない!下呂温泉名物は東海版ジンギスカンその名も!「OK, CHANCE」略して「鶏ちゃん」!


 こんな感じ?

http://www.suginoko.net/

 なにかしらを贈った返礼に東海レイディオのスター・アナウンサー、g石さん夫妻からいただいたのは、昔ご夫婦と一緒に遊びに行った下呂温泉の名店「杉の子」の鶏ちゃん焼きセット。
「鶏ちゃん」というのは鶏肉を甘辛いタレで炒め焼きにしつつ、キャベツなどのお野菜もそのタレで炒めて食べる、まあ言わば鶏モモジンギスカン。
 当然タレは濃い目ちょい甘。東海圏おなじみの黒に近い濃い色に大蒜・生姜がたっぷり入り、このタレだけでご飯がすすむ、ましてや鶏の肉汁が加わったらもうあなた。
 正味の話、一回食べ終わって残ったタレを保存して翌日もう一回できます。味は薄くなっちゃうけどそこは醤油と塩胡椒で補って。

 上記オフィシャルショップ、「旨味ダレだけで680円は高いだろう」とお思いかもしれませんがイヤイヤ。むしろこのぐらい美味いタレを真面目に作るには、そのぐらいのコストが掛かって当然。お肉の方ももちろんいいのですが、タレの方でお好みの地鶏で仕上げるのもまた佳。

 このタレ、手元の調味料で簡単に再現できそうなのですが、そうはいかないのが料理の奥深さ、名店の秘伝。たぶんタレの方にも鶏のおだし使ってるんだと思うのですが真相はいかに。
 醤油ダレまみれの鶏と野菜で白メシをたらふくカッ込む快感、成長期のあの腹ぺこの日々を思い出します。

 g石夫妻ありがとう。

posted by 犀角 at 16:20|

2019年01月31日

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 タイトルはこれでいいの?

 本日は最近買ってよかったキッチン用品をご紹介。

●サラダスピナー(パール金属)




 IKEAで¥299で買った全面プラッチックのサラダスピナーが、使用と経年で劣化、蓋が閉まらなくなってきたので一つ所望。
 参考にしたのは↓
 最近なんでもまとまっててありがたい。

https://the360.life/U1301.doit?id=93

 使ってみると猛烈に水が切れて野菜がミイラみたいになります。いままでのは何だったんだと。道具はエエの使わなあきませんね。
 お値段もお手頃、これはおすすめです。
 パール金属は庶民の味方。

●セラミック包丁(京セラ)



 包丁も結婚した時に母から貰った小型包丁(関孫六=貝印)を使っていて、もうちょい大きいの欲しいなと思ってたら『家電Watch』で藤山哲人さんの以下の記事。

https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/yajlong/1081518.html

 85年つくば万博に友人たちと殴り込んだ経験のある科学の子にとっては「セラミック」の響きは未来と魔法の混濁した天界からの預言(おおげさ)たまたま近所のスーパーでピーラーと薄いまな板とセットで3500円程度の大バーゲンだったので(たぶんピンク色が売れなくて在庫処分)購入です。
 上記事に大変詳しいですが、利点は

・とても軽い
・ほぼメンテフリー
・カネ気が食材に移らない
・スパッと切れる(切れ味そのものもまあまあ)

 トータルでたいへん良好で、無事主戦の座を射止めております。
 もちろんプロが使う「いい包丁をちゃんと研いだもの」には敵いませんが、素人さんならこれで十二分。一人暮らしや料理を始めるにあたって超オススメの一本です。
 コスト的にも、1000数百円のステンレス包丁は1000数百円するシャープナーが必須なので、あまり変わらない。
 サイズ的にもう一つ大きいのもありますが、この140mmでたいがい大丈夫だと思います。というか我が家は大丈夫です。

 メリットでもありデメリットでもある点として、
「刃物を扱っているプレッシャーが小さい」。
安全を考えると危ないものは危なく見えている方がいいわけですが、といって作業中は「怖いものに触れている」という余計なストレスは無い方がよく。
 まあここは好みですな。

 記事中にもあったピーラーの方ですが↓



 確かにカネ気移りがないのはいいのですが、セラミック刃はシナリがないので円筒状・球状が多い対象物に対して「しなって張り付く」ことをしてくれず、1回あたりの削り面積が小さくなります。とどのつまりは削り回数が大幅に増える。(この特性が包丁になると「まっつぐ切れる」という美点になる)。
 ので、これは好みの分かれる品かもしれません。
 ただピーラーも刃の形状が複雑で隅っこの方とかけっこう錆び・汚れやすく、錆や汚れのあるピーラーで生食する果物とか剥くのになんとなくイヤーな感じをお持ちだったら、その弱点を上回るメリットがあるでしょう。

●目盛りが見やすい計量カップ 200ml(マーナ)

 最後は計量カップ。



 これもプラが劣化してひび割れが走っていた品をずっと使ってたのですが奥さんに怒られてアリオ八尾で買いました。
 売りのメモリ見やすい、100℃対応、も使いやすいのですが、実は200ccよりちょっと大きめなのが200cc(1カップ)を計りやすくてとてもよいです。
 計量カップなんて100円200円で「なんでもいいや」と思いがちですが、やっぱりそこには小さくない差があって、それが積もり積もれば大きなロスやストレスになるんだなあ、と思いました。
 人生でいままで
「……200ぴったり……で」
とか言いながら注ぎ角度とか蛇口開度とか調節してた時間と手間を考え、それをもしTOEICの勉強に使ってたら僕いまごろ1200点ぐらい取れてる。

 道具はエエの使わなあきません。
 スタンダードなキッチン用品も地味に進化してますね。
posted by 犀角 at 11:21| 雑記

2019年01月30日

「ディパック エスケープ25L 7421632」 Foxfire




 ということで我が家的にFoxfire祭りが起きてしまい、ついでに買ったのはリュック。
 15年4月から私のエースはOUTDOORのド定番のこれ↓



 色バーガンディ(ワインレッド)の退色が酷くて、「もういいかげんにしなさい」と我が家の女性陣に叱られてましたんで新しいのを物色してはいたんです。
(でもさすがアメリカン・メーカーらしくロバストで、退色以外は過酷な使用に耐えに耐えてくれていました)

 ただもうリュック何個も買ってると自分なりの好みも固まってくるもので、今までのだとTHE NORTH FACEのRECONの、旧モデル。
 モデルチェンジしやがってですね!
 なんかカメムシみたいなシルエットで!
 旧モデル流通在庫残ってるうちに買っておけば良かったんですが、HOTSHOT/BIGSHOTが同様にモデルチェンジするも市場からの総スカンを喰らって(そりゃ何個も買い継いでる人がたくさん居るモデルだから……)慌てて旧モデルを再生産、という失態を見せつけており、RECONも戻すやろ、とのんきに構えてたら戻らなかった。

 タウンユースなんで、素材は薄くてもいいんですが、重量物(ノートパソコンとか本とか)を入れる可能性が高いので、担ぎ機能の部分はヘビーユースであって欲しいんです。
 これがなかなか満たされない。
 一眼レフだってぶっ込めるようなヘビーなヤツは頑丈すぎて鞄本体が重くて固くて捌きにくいし、じゃライトなヤツはもう背負い紐が付け方からしておざなり。もちろん重いもの入れると肩つらい。

 で、ジャケット買ってゴキゲンになって、別の日にまたハルカス行く用事あったもんでFoxfire覗くと、「あ、良さそうなのある」。
 長年探してると目が利いてくるもんス。
 出してもらうとなるほど本体重量700gと軽く、防水は同梱のレインカバーにおまかせ、でも担ぎは紐・背中とも十分。ポケットの付き方も手頃で、上記OUTDOORの使ってて不満だった両サイドボトル入れもある。
「こ、これください」「まいどあり♪」
ということで色は(また)赤。
 わたし黒っぽい上半身のことが多いので、差し色入れないとなんか黒い物体になってしまうんです。

 まったく問題なく、気に入って使ってます。
 いまとなってはあたりまえですが、背中側にノートPC用のポケットがあって、これがフツーに入れれば底までいかず途中で止まる、つまりリュックをポンと床や机に置いても衝撃が伝わらない作りで、これ便利。
 使い勝手のとてもいいジャケットもそうなのですが、Foxfireの商品企画屋はユーザーの実使用シーンをしっかり考えてモノを作ってくれている感じがあって、たいへん素晴らしいです。
 Foxfireは元来が釣具屋さんだったので、そういう立ち帰れるフィールド、「ここで使えなきゃ意味ない」みたいな原点があるのが、いいのかもしれませんね。

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2019年01月29日

エスカーダウン フーディ(ダウンジャケット) Foxfire




 長年着た「にいちゃん、これ着たらV6の岡田くんみたいになれるで」ジャケット(トップバリュ、16000円ぐらい)が経年でヨレヨレになってきて、しまいにはその弟に「捨てるから」と貰ったM寸のジャンパーを丈が足りないのも物ともせずシャツを裾からはみ出させながら着ていた着・無頓着なわたくし。

 先日、いつものとおりあべのハルカスで7Fジュンク堂に行かむと欲しエスカレーターを上っていたところ、「AIGLE」だったブースが「Foxfire」に変わってる。
 そこで買ったフランス直輸入の真っ赤なリュックがお気に入りだった奥さんが「ギャー」とひっくり返るも、いや待つんだFoxfireもいいブランドだと宥める。

 むかし、今は亡き御大が、なんだったかのお祝いだと、これもまた今は亡き八尾西武にてFoxfireのコートを買ってくれたのです。それが軽くて着心地よくて暖かくて。20年ぐらい前かなあ。

 ……というような話をしつつ、1月になるとセール。
「もういいかげん買いなはれ上着を」
と背中を押されて勢いで買いました。軽くて着心地よくて暖かいやつを。
 ヘビーデューティ・モデルではないので表地はゴアまでいかず、なのでダウンにしてはお求めやすい。またしなやかなので圧縮も効いて(収納袋がついてくるほど)、お店などでの捌きやすさも抜群。ついその日まで着てた貰い物が、ゴツくて暖かいのはいいんだけど通気性が悪く、気温のスイートスポットを外すととたんに汗ダラダラになるのとダンチです。

 もうね。
 日本のメーカーがええよ。日本で着るんだから。
 モンベルとか。アシックスとか。うん。

 自身も山ガールなお姉さんの口車に乗せられて、めっちゃぬくいパンツも買いました。WSゲイルパンツ。
 こちらは表がゴア、裏地も厚くてほとんどスキーウェア。超あったかいんだけど少なくとも室内ではオーバースペックなので、野外活動の時に履いてます。股間のマチが工夫してあって、ゴツイのに動きやすいです。



 事のついでに奥さんも帽子買ったりしたのですが、彼女が気に入ったのはこれ↓



 レッグウォーマー。
 一日中着けてます。
 くるぶしの上、ツボで言うと三陰交をあっためないといけませんよ。

 ということで、セールを言い訳にアホみたいに買ってしまいました。
 でもどれもいい品で、大満足。
 服はエエの買わなあきませんね(笑)

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2019年01月28日

母校のゼミへ行ってきました。



 わたくし中高(一貫校でござる)では何の因果か地理歴史研究部、略して地歴部に在籍しておりました。
 早い話がブラタモリ部。
 そこの4期後輩で、僕らが高2の時かわいらしい中1だったSさんがいまや母校の立派な教諭。彼が土曜にゼミをやっています。外部から講師を招き、それもサイエンス、プログラム、アートの3系統同時進行。
 今の子はホント贅沢ですねぇ。
 僕らだってそんなの受けたかったですよ。

 でそのS先生から、
「ながた先輩、講師にどなたかいい方いませんか」
とまるで婚活のように相談されたので、手元の電話帳をめくりめくり候補を上げたら2人採用されて、それが当ブログでもおなじみのサイバー黒魔術師・F先生と、同期卒業生のHさん。
 F先生には去年の10月27日にご登板いただいて、この1月26日にHさんにご登壇いただきました。どちらも紹介した私がいかんわけにもいきませんので聴講させていただきました、とまあこういう流れ。

 Hさんは歴史家、専門は近世史。
 当日のテーマは緒方洪庵と適塾。
 カッコイイですね、洪庵は。
 人生すべてを教育に捧げたような人です。
 卒業生が医師に限らないのがまた適塾の素晴らしいところ。政治家(橋本左内)、軍人(大村益次郎)、教育者(福沢諭吉)と多分野にわたる。
 でもやってることは医師の教育(オランダ医学書の読解)だ、というところに、なにやら「若者の教育」における普遍的な秘訣みたいなものが隠れてるような気がしたりしなかったり。

 しかしHさんという人は史家になるべくしてなったような人で、なんとなれば先年卒業25周年同窓会をやったときに、35期の「中1の時の時間割」などというもう世界のここにしか残ってない資料を持ってきて幹事団誰しもの度肝を抜きました。
 なるべくしてなる。

「でも日本史いま人気があるからいいじゃん」
「でも必修になってるのは世界史やで」
 えっ。
 それは順番が逆では……

 あとは「幕末・維新(を専門に研究する研究者)の熱さには他の時代(が専門)の人間には触れない」という話がおもしろかった。近世史も「嘉永まで」(〜1855年)なんですって。それ以上踏み込む場合は「洪庵」とか幅決めて乗り込まないと火だるまになるそうです。
 怖い(笑)
 まあ気迫があるのはいいことですが。

 楽しかったです。

posted by 犀角 at 22:08| 日記

2019年01月03日

あけましておめでとうございます。


 あけましておめでとうございます。
 ながたです。

 どうですか2019年。
 ことし年号が変わるらしいですからね、ついに僕らも、昭和生まれが明治生まれを見る目線で見られる時代になってしまいましたよ。
 つまりおじいちゃん、おばあちゃんです。

 うわあ。

 今年48とか全然自覚が無いんですが、人生50年らしいですからもう片足冥界です。そういう視点で見ると、「がんばる」のもあんまり効果がないし、「ありのまま」というのもなんだかちょっと違う。
 努力より工夫。
 ありのままより相手が楽しい。
 方がいいかな。

 だからといって春の海を眺めるようにボンヤリ暮らすわけにもいきませんので、ことしもチャレンジしていきたいと思います。
 いろいろ。
 特にあんまり効率とかヒット率とか考えずに、どんどんやっていきたい。どうしても歳取ると「高を括る」のばかり上手になって、蛮勇みたいなのが減ります。でも何がフィットするかなんて、事前にはわかんないもんですよ。非線形現象ですからね。

 ということで今年ものたうち回っていきたいと思います。
 さあ貴方もご一緒に。

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2018年12月24日

『超越』『芸術と力』アップロードしました。


 メリー・クリスマス!

 ごぶさたしています。
 人生で一番忙しくて、お愛想なしですいません。

 あれですね、「忙しい」というのは「心を亡くす」と描く、とはよく言ったものでして、つまり「心の余裕ゼロ=忙しい」でございます。物理的に時間足りんことなど屁でもないわ!

 ブログおおサボりの代わりと言ってはなんですが、前との前の前の夏コミ(C94、C92)の出品物をアップロードしました(ようやく)。わたくしからのささやかなクリスマスプレゼンツじゃーい。

・『超越』
http://rakken.net/wod/wod.html

・『芸術と力』
http://rakken.net/freetalks/freetalk.html

 前者はいつのもん、後者はデキが悪い、ということでホンマすいません。特に後者は書いてるうちにあっちこっち行き過ぎて、削ったり直したりしてるうちに「あたりまえやなこれ」という結論に達していやホントに……あ、いつもですか、すいません。
 このシリーズね、毎回一行で済むことをコネコネコネコネ同じところループして同じような例示をして帰ってきて「ウン」とか言ってますね。アップロード用に自分で見返してても「だいじょうぶかこの人」って感じです。
 どうなんでしょうね?
 でも自分で「大丈夫」って言ってる人ほど怪しいですしね。

 もし年末年始、体壊しそうに寒い拘置所で古い雑誌を何度も読み返すCEOな気分になったら、めくってみてください。
 来年は、もちっとがんばりたいと思います。
 では。

posted by 犀角 at 20:14| 雑記

2018年10月19日

機材「BUFFALO Giga対応 金属筺体 電源内蔵 8ポート ブラック スイッチングハブ LSW5-GT-8NS/BK」




 ある日唐突につい先程まで元気に通ってたインターネットが通じない。
 ルータ、通ってる、他の部屋のPC、通ってる、ではこのマシンかあるいは……とスイッチングハブを電源抜いて挿して再起動すると通る。
 ああ、と調べるとちょうど10年。

http://hoenaga.sblo.jp/article/22927500.html

 これ買ってもう10年!?
 ついこないだ……

 ということで後継機っぽい型番のこれを買いました。Amazonでもトップに出てくる。
 台風の時も思いましたが、インフラ、縁の下の力持ち、こそ速攻でメンテせなあきません。
 この上のスピードのは立ち上がったばかりでまだ到底民生用ではない↓

【井上繁樹の最新通信機器事情】ついに1万円切った10Gigabit Ethernetカード「LR-LINK LREC6860BT」を試す - PC Watch https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/inoue/1142579.html

 すぐ来てすぐ繋ぎ替えて元気に動いてます。
 極太&アース付きだった電源ケーブルが普通の細身の2ピンになっているのが進化なのかなんなのか。
 あと筐体にゴム足設置用凹みがある。そのぐらい。
posted by 犀角 at 16:30| ガジェット

2018年10月15日

洋菓子「プティ・サレ・アペリティーフ」代官山シェ・リュイ


http://www.imp-shop.jp/shopdetail/002001000017/002/X/page1/recommend/

 M澤先輩が実家の修繕に帰省してきて会ったのですが、このオサレな小缶をくれる。日々ポンプや元自衛隊員やAIと格闘するエンジニアとは思えぬこのチョイス。
「一体どういう風の吹き回しか」
「俺にだって小菓子を愉しみたい刻があるのさ」

 甘くない洋菓子最高ですね。
 おかきありますでしょうこの手の。あれをの味をバターベースにして、米じゃなくて小麦粉使ってる感じ。てかそう。説明ヘタクソだな!
 つまりポリポリいけて止まらない。
 美味いものしか食わない・そして美味いものは全部食うウチの奥様がパリポリパリポリ食べ続けて開封後あっという間に無くなりました。

 缶もオシャレですし甘味苦手なお相手にも贈れるし、老若男女誰もが好きな味だと思いますし、たいへんいい手土産だと思います。
 店舗が東京中心なのでそれ以外の地方からはお取り寄せになりますが、消費期限の長めですし構いませんでしょう。

 先輩ありがとうまた我が家でも買うよ。

posted by 犀角 at 20:57|