2018年10月14日

おでん「花くじら」@福島


https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/27001230/

 友人たちと楽しい寄り集まりがあり、友人の奥様に連れて行ってもらいました。4時オープンで5時前にはすでに長蛇の列。奇跡的に本店2階小座敷に入れました。

 うまい。やすい。はやい。

 おだしが甘くて濃厚、しかししつこくなく、ちょうどいいバランスでネタがどんどん食べられます。必食は名物「ねぎ袋」でしょうか。巾着の中身がネギと生姜の刻み。これがあったまるわ、香り高いは口の中さっぱりしてくれるわ。もちろんおなじみのネタどれも旨い。
 正直個人的におでんは最高到達点がそんなに高くない料理だと思いますので──というと失礼ならおでん鍋を囲んで盃いやコップを傾ける者同士のコミュニケーション・ツール……てのも失礼かな、つまり値が張ったりシャレオツすぎる店構えやサーブだったりすると、若干アンバランスな気がして落ち着かない。
 こういう感じのを、こういうお値段で。
 ……と思う人が多いのか、上述どおりの超人気店。常連の奥様によると
「狙い目は7月です」
とのことです(笑)
 6人以上でお座敷予約もいいですね。

 持ち帰り1人前おまかせは大根・玉子・蒟蒻・平天・UFO(UFOっぽい形のはんぺんみたいな練り物)で500円。翌日温め直すと奥様が喜んでおりました。

posted by 犀角 at 20:46|

2018年10月12日

メカ最適解


 F-4EJ(改)まだ現役。

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1147141.html

「ファントムII」初飛行1958年、実に60年選手。(もちろんこの個体が60年飛んでるわけではないですが)そういえば、と調べてみると

・F-5 タイガーII 1959年
・A-4 スカイホーク 1956年
・MiG-21 ”フィッシュベッド” 1955年
・B-52 ストラトフォートレス 1955年
・C-130 ハーキュリーズ 1956年
(参考・CH-47 チヌーク 1962年)

 このへんでジェット軍用機はメカ的にサチュレート(飽和)してしまって、以降改良してるのはつまり素材と加工技術と電子機器。だからおそらく、腕利きの駆るF-4で格闘戦限定であれば最新の新兵さんの乗るF-22を墜とせる。
 もちろんミサイルが使えればF-22がおそらく100戦100勝なので、そんな比較は無意味といえば無意味なのですが、「ジェット軍用機」というメカが実用化されたのはメッサーシュミットMe262、初飛行1942年で、わずか20年にも立たないうちに飽和するというのは凄いなあ、と思った次第。
 いや、「ああいう形」で言うと1909年に初めて「軍用飛行機」が現れたそうなので、それでも50年でライト兄弟からファントムか、と思うと凄いですね。コンピュータの発展よりスピーディなんとちゃうか。

 航空機みたいな大きなものでも50年もやれば最適解へ到達してしまうもので、スマホぐらいならむしろ10年もよくまだ変化させられてるもんだ……

 なんて思ってたら光岡自動車がロードスター・ベースの新型を出す

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1147360.html

 シボレー・コルベットの2代目いわゆるC2ルックがなかなかいい感じですね。僕光岡のクルマで初めて「ちょっと欲しいかも」思っちゃった。
 ロードスターはこれ以外にすでにフィアットに「124スパイダー」のベース車として提供されており(エンジンがフィアット、メイクはマツダ)、この調子でMGや果てはロータスが「エラン」て名前で……などと妄想は膨らむばかり。両者現在は中国資本なので、「ガンガンやりなよ」と一言言ってくたらおもしろいんですが。

 それはいいんですがこのロードスターてのもほぼ「最適解」で、人間が人間である以上、その身体に「きもちいい走り」を感じさせるならこのサイズ、4000ちょいの1700ちょいの、重さは1t前後でエンジンは1600cc前後、パワーは120馬力程度……が「ベスト」なんですわつまり。
 で、ここ狙って作るとつまりロードスターみたいなものにしかならず、差の付けようがない。あるとするなら唯一デザインですが、初代NAがあまりに完璧だったのでそこもつけ入る隙が無い。
 ここで高馬力エンジンなんか載せたら終わり。そのために各部を補強しまくる必要が生じて重く高価になり、それを多少なりともカヴァーしようと既存FRセダンのプラットフォームとか使っちゃうと分厚くブサイクになって死ぬ。
 もちろん操舵の気持ちよさで落ちるFFやどうやったってピーキーかドアンダーの二択のMRは論外、4座にして後輪をドライヴァーから遠ざけるのもナッシング。
 1989年にデビュー以来、幾多のメーカーから幾多の「ああいうの」が出てきたのですがまだ残ってるのはもはやスポーツカーとはカウントしにくいラグジュアリーなSLK(SLC)とダイハツ・コペンぐらい。あとはS660……はビートの後継とはメカ的にもコンセプト的にも認めづらいので(なにせホンダ自身がそう見られたくないっぽい)、まあ次期型が出てから話をしましょう。
 1発やったら出せるんですよバルケッタだってMR-Sだって。
 継続して、つまりビジネスにしてる、てのがエライ。

 まあつまりなにが言いたいかと言うと、メカてのはわりと最適化が早いし、最適化されたものはえらい長持ちするな、ということです。
 物理法則がモノを言うからでしょうね。

posted by 犀角 at 00:01| 雑記

2018年10月07日

F1グランプリ in Japan


 未だにこの言い方すると小林克也さんの声が聞こえてくる昭和メンです。聞こえてますか、『TRUTH』。

 エンジン・サプライヤーとしてホンダ復帰4年め、今年からトロロッソ(昔のミナルディです)と組んでます。今季のF1はメルセデス、フェラーリ、レッドブルというチームが頭抜けた「3強」なのですが、その1つレッドブルのジュニアチーム。ただしいろいろ規制あってシャシーは別物で、まあ中団の真ん中かちょい下ぐらいかなあ、という立ち位置です。
 中断はハース、フォース・インディアが競ってて、ルノーがコースによってはそれに迫る。ザウバーも当たれば速い。でトロロッソが居て、下にマクラーレンとウィリアムズ。

 わたし03と04に親友のしんちゃんと一緒にF1鈴鹿行きまして、ミハエルが7つめ勝つところ観たわけですが、その頃、といってもたった15年前、のわたしに
「ミナルディ・ホンダがマクラーレン・ルノーとウィリアムズ・メルセデスの上におるで」
言うたら
「うそだぁ」
と爆笑されるに違いない。
 そのぐらいミナルディのクルマはポンコツでした。
 スポーツはなんでも現地行かないとわかりません。
 逆に現地行くと本当にいろいろわかる。
 もフェラーリとかBMWのクルマの美しさ、迫力、キレ、そんなの何もない。見てくれはF1マシンですがあきらかにメカノイズとか多くてガタガタ揺れながらスプーンに飛び込んでくるんです。むしろ
「こんなもんであんなもんとよう戦おうと思うな!」
と下位チームのドライヴァーたちに敬意が芽生えました。

 まそんな感じのチームが出自ですんで、ストラテジーがどうのこうのとか言うも愚か。ここんとこ毎回のようにおんなじ失敗、スタートタイヤ引っ張りすぎて予選で先行したチーム(今回ならインディア)にアンダーカットを許し、トラックポジションアホほど失ってからピットインしてドベ付近まで落ち、もちろんそこから抜きにくいトラックで挽回できない、というのを今回もやらかしてたんですが、まあ、しょうがないッス。
 予選のP6、P7で夢が見れただけでも。
 その立役者、今回初めて実戦投入されたパワーユニット・スペック3はなかなかいいようで、「ルノー越え確実」とか。まだ2強には届きませんが、来年レッドブル・ホンダになればこれは楽しみです。

 ハミルトン完璧、流れの悪すぎるベッさんも最後の最後にファステスト出して意地を張り、まあここは本当にドライヴァーズ・コースです。
 今年は長期低落傾向だった観客動員も上回ったようで、盛り上がりも若干。やっぱりドライヴァーでもチームでも、地元日本勢が頑張ると客足も増えますね。あたりまえですけど。
 というか来年ちょっと観に行きたい気もするなあ。

 まあ面白かったです。

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2018年10月05日

デミオ SKY-E(仮)


 マツダの技術説明会があって

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1146003.html

 ロータリーエンジンを発電用に使う、という話はもうずいぶん前からあるのですが、こう大きく取り扱ってるところを見ると、そろそろ実車が出るんじゃないか。ならば載るのは前回(2013年)その名も「Mazda2(デミオ)REレンジエクステンダー」を発表したデミオじゃないかね、ということで実現するとデミオe-Power、では無くて仮称デミオSKY-E。

 難しいですね、REであることも言いたいし、E(電動)であることも言いたいし。きっといい名前付けてくれるんでしょう。

 新技術とお商売の関係というのは事前にはわからないもので、本家日産e-Powerも実際使ってみると燃費の面では標準車に対し「ちょい増し」程度、モデルライフ全体で本体差額取り返せるかどうか微妙、という意味ではプリウスなど各THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)搭載車と大差なし。その差約40万円、でも忠誠心の高い日産党たちはスムーズでトルクフルな「電気の走り」にそれだけの価値を見出して買った。
 それもめちゃくちゃに買った。
 何十年かぶりの月販1位の座を日産に与えるほどめちゃくちゃに。不正検査問題がなきゃ年度1位も確実に獲れてた。

 あれを見ると日産社内だけではなくどの社も「すわe-Power」という話になりますわな。
 顧客の満足というのは事前にはわからないので、なにかが当たってから、「顧客はあれに満足してるからあれを作ってくれ」と営業が技術をつつくのです。
「ウチにはSKY-Xもあるしそれで粘れば次はHV系飛ばしてピュアEVで……だってアクセラのHVだってあんなに苦労したのにクッソ売れなかったじゃん」
とマツダ技術陣は考えていたのかもしれませんが、そこはそれ市場の言うことはある程度は聞かないと立ち遅れる。
 このモデルはモーターで走るので、「EVに発電機の載ったもの」と考えてよく、EV時代に向けてモーター制御やバッテリ周りのノウハウも溜まる。THS系やホンダの2モーター系みたいなヤケに複雑なHV技術をスキップできる。

 デミオには得意のそして世界屈指のディーゼルエンジンもありますが、出来の良し悪しと市場の反応は別。個人的にはマツダ・ディーゼルはとてもとても健闘してると思いますが、それもいつまで持つかわからない。今ものすごい逆風ですからね。

 などとグデグデ言ってますがつまり
「デミオe-Po……電動デミオ出たら欲しい」
って話です(笑)
 デミオ、先代DEにいま気に入って乗ってて、現行DJもとてもいいと思うんですが、ガソリン>ガソリンで乗り換えるにはちょっともったいない。個人的にはDEの方がデザインは好きだし。といって、1.5ディーゼルはアクセラ以上に載ってる2.2Dほどは心惹かれない。
 なんかこう、デミオにもうちょっぴり色ついてたらいいんだけどなあ、まあSKY-Xがこのサイズに降りてくるのを待つかね……
 と思ってたら今回、忘れてた伏兵が飛び出したわけです。
 でちょっと「おっ」とか思っちゃった。

 先日日産リーフに乗りまして
http://rakken.sblo.jp/article/183250339.html
「ああ、まあ、こうなっていきますわなどうしてもな」
と。電動車両のアクセルへの正確な「ツキ」、踏んだ瞬間フルトルクを叩き出して大地を蹴ってくれる、これは大変きもちよく、ノートe-Powerオーナー達が40万出したのも納得です。

 日産のe-Powerは結局セレナにも載ったし、セレナで行けるってことはエクストレイルなんかでも多少工夫すれば行けるはずで、つまり中型車まで全部行ける。
 同じようにマツダ版e-Powerもある程度スケーラビリティがあるはずで(というよりそうしなければ新しくREを起こすコストが高すぎる)、デミオで成功すれば当然アクセラにも……
 あれ、SKY-Xの立場は。
 実は実験車両ではSKY-XとREエクステンダーが燃費も加速フィーリングもあんまり変わらなかったりして真っ青になってるかも(笑)
 さすがにそんなことないか。

 REはリアに置くそうで、そうすると前後重量バランスが改善してFF車らしからぬ軽やかなハンドリングになるかもしれません。FF車の場合前荷重はあればあった方がいいと頑なに信じることもできますが(アウディやホンダはそれ)僕個人的にはFFでもノーズは軽いに越したことないと思います。

 まあ楽しみです。SKY-Xもね。

posted by 犀角 at 00:11| クルマ

2018年10月04日

本「大坂堂島米市場」高槻泰郎





 ジュンク堂大阪本店つまりまさにその「堂島」アバンザ店で猛プッシュされておりましたので思わず購入。

「世界初の商品先物市場」と讃えられることも多い大坂米市場について詳説。仕組み、取引の様子、コントロールしようとする江戸幕府&大坂奉行所と、それに対応する米商人たちが活写されており、たいへんおもしろいです。経済系のジョブや学生の人はマスト・リード。

 世は仮想通貨で沸き立ってますが、大坂商人たちも「立物米」という「指数」の売り買いを行ってました。これ現物との交換関係が無いんです(途中まで)。
 ここが非経済系の方には理解に苦しむところで、「現物」の市場はわかる、「現物の先物」もリスクヘッジなどと考えればまあ理解できる、けどもその「指数」をやりとりって一体何?
 合理的な説明はたぶんつかず、本音としては
「強い者が弱い者を市場に引き込んでさらにかっぱぐシステム」
なんですが、まあそれはそれとしてそこで起こる悲喜こもごもが、第三者としてはおもしろい。
 後半に米相場に取り組んだ地方の商家の話が出てくるのですが、そこは米価の低値安定によって「米だけ商っててももうムリだ」と思い立って米相場を始めるのです。
 低年収に追い詰められて仮想通貨に手を出す今の人とそっくり。ただし長い間取引の記録が残っているので、そこそこセンスがあって「勝ち続けた」のでしょうが、それもつまり長年米を扱ってきたおかげではないかと思ったり。

 江戸幕府も手をこまねいて見てたわけではなく、あの手この手で市場に介入しようとするのですが、彼らの視点は米価(をできれば高値)安定で、そうであるならば別に良い、と。
 僕らが日本史習った頃ですと、江戸幕府も諸大名も「市場経済」に対応できず四苦八苦する、というイメージでしたが、人間はそんな甘いものではなく、むしろ大名は支配下の農民に「土地と品種の相性などどうでもいいから、とにかく見栄えのいい米を出せ」と命ずるあたりは過剰適応とさえ言える。
 サンプル米出荷の時は180人からで一粒一粒選り分けたらしいですよ二俵分ほど。
 幕府もちゃんと学習回路が働いていて、前回の施策で上手く行かなかったり反発を受けたところは調整する。固陋な頭で「ならんものはならん」と言うだけではない。もっと現実的&合理的です。

 すごく江戸時代の商人たちや幕府のお役人たちが身近に感じられ、お米ってものは昔から複雑なシステムをくぐって届けられる、極めて大切な物品なんだなあ、と改めて思えます。
 よい本です。おすすめ。

posted by 犀角 at 15:29|

2018年10月03日

「組織か個か」(懐かしい CLグループステージ ナーゲルスマン 1-2 グアルディオラ


 ホ軍のナーゲルスマン監督は弱冠31歳で弱小地方チームをウルトラ強化した、マンガの主人公みたいないま話題の人。対するシティはもちろん昨年度プレミア王者、監督は言わずと知れたペップ・グアルディオラ、「いま世界最高の監督」と讃えてもおそらく97%ぐらいのサッカー・ファンが苦々しく首を縦に振る名将です。

 試合は開始早々1分、CBの間に行ってまえスルーパスが綺麗に通ってホ軍先制。しかしシティもすぐの8分、左ペナエリア角にスルーパス出してサネを走らせ、抉ってセンターへ折り返してアグエロ。
 その後ワラワラと攻守とも寄せの早いホ軍と、老獪なシティがその圧力をうまーく外しながらチャンスを伺う時間が過ぎて終盤86分。なんでもないロブ・クロスをホ軍CBが胸トラップして脚で処理しようとしたその、胸>脚の隙間をダヴィド・シルヴァが掻っ攫ってゴール。で決まり。

 名前聞いても知らん人ばかりのホッフェンハイムが、どの人の名前も知ってるシティを、かなり追い詰めた、と見れば大善戦、なんですが、結局未熟なCBの小さなミスを百戦錬磨のヴェテランFWが突いて勝利、と見れば順当。
 観てても、時間の過ぎるのは確かに早かったですが、あんまりワクワクはしなかったかなあ。どちらかというと判官贔屓で観る方なので、ホ軍側で観てたんですけどね。

 で、タイトルのような懐かしいことを思い出す。
 ホ軍、というか現在のホ軍を組み上げたのは今RBライプツィヒに居るラングニックという人で(ちなみに来年ナーゲルスマンもライプツィヒに行きます)、この人の考え方が大枠でいうと「群れで戦う」というもの。ボールの取り方をシステム化して、それがこなせる若いハードワーカーを揃えて走る。
 ……でもそれは仮にもビッグ・クラブと言われるようなチームならいまやどこでもやってることで、シティだってそうだしRマドリーだってユヴェントスだって、いまはFWからマックス走ります。世界で2人だけ走らないのが許されてるのはメッシとクリロナ……まああとイブラヒモビッチもそうかもしれん。
 セイバーメトリクスで一世を風靡したアスレチックスが、結局は「それだけでは」ワールドチャンピオンには手が届かなかったように、システムで作り込むのは90点のところまではいけますが、そこから先の10点を稼ぎ出すのは特別な個、つまりアグエロやシルヴァで、それはたいへんお高い。

 また別の言い方をすると、膠着状態を打開したり、あるいは逆に大ピンチを間一髪しのいだり、できるのは「ひらめき」で、これを持つ(発生頻度が高い)選手が「違いの作れる選手」。そういう選手抜きでそういうことをしようとすると大変負荷が高い。
 むしろそんな複雑で精度と密度の高いことができる選手は、ひらめかないんじゃないか。
 以前バルセロナが強かった時、メッシ・チャビ・イニエスタを生んだその育成システムが讃えられましたが、「でもバルサ出って他で伸びないじゃん」という批判もあった。ボージャンとかドス・サントスとか。

 まあでも逆に言うと、ペップ・シティをここまで追い詰められるなら他のチームになら強豪といえどわりと通用しそうで、それは観てみたくもある。

 ということで、先日「リバポおすすめ」と言いましたが、ホッフェンハイム、というかナーゲルスマンもチェックしておくと、通っぽく見えますよ。言い方はこう。
「いやぁ、ナーゲルスマン来年ラングニックと組むんでしょ? 楽しみだねぇ」
目を輝かせた相手がべらべら喋りだしたら全部聞き流す。

 余談ながら、金にあかせてありとあらゆるスポーツに赤ベコを露出させていいかげん食傷気味のRBグループですが、先日人が居なくて困ってたトロロッソ・ホンダの来季ドライヴァーに一度「捨てた」クビアトを再雇用するという英断を下し、まあ「間違ったら正す」ができるっていうのが強い組織の証拠かなあ、と思いました。
 しかし僕ならあんな扱い方されたらもう一生レッドブルは飲まない、というぐらい酷い扱い方されて、それでも「乗るか」と言われれば「乗る」と答えるクビアトはタフと言うか、F1というのはそんなに魅力があるもんなんかなあ、と感心。
 そう思うとニコ(・ロズベルグ)はホントにもう走りたくなかったんだなあ、ともはや懐かしく思ったり。

 お金が無くて困ってるスポーツは、RBグループとDAZNに相談するといいと思うよ。
 お相撲とかまるごと買ってもらった方がいいんじゃないですかね。
posted by 犀角 at 00:25| コンテンツ

2018年10月02日

風邪



「今年の夏は風邪引かなくて元気!」
と威張っていたのに、みごと秋本番、ひいちゃいました。
 まあ冬に向けての準備と考えましょう。
 風邪を引く度に野口晴哉先生の『風邪の効用』を思い出し↓



「熱を出してウィルスをやっつけるついでにガン細胞なんかもやっつけてくれてるんだ」等々、ええように解釈してジッとしてます。
 兵糧攻め(断食)もおすすめ。食欲があったら食べればいいと思いますが、無いのに押し込んだら身体に負担がかかって治りが遅くなる(気がします)。

 個人の感想です。

 せっかく奥さんに教わった「朝起きて1時間以内に朝食特に味噌汁を飲む」を実行して早寝早起きが実現されつつあったのに、また睡眠タイミングがグチャッとなりましたが、またやります。

 風邪は、ひかないように注意するのも大事ですが、ひいてからどのように自分の身体のケアをしようか考えたり感じたりする、その都度ごとに、これが大事ですね。

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2018年10月01日

台風24号


 21の爪痕が生涯初めてというぐらい酷いものですから、「同じクラス」と言う24が来るというので半泣きになりながら準備しました。

・夫婦でスーパーへ出かけてレトルトカレーやカップラーメンなどお湯だけで食べられるものを買ったり
(ごはんは母が備蓄)
・カセットボンベを補充したり
(品薄)
・乾電池を補充したり
(単一はもうない)
・雨戸のない小窓に窓割れ時飛散防止用に養生テープを「米」に貼ったり
 (家中ユニオンジャックがあって、ロックバーみたい)
・クルマのフロントガラスに気休めでダンボールを貼ったり
・バイク乗りだった頃持ってたコンパクト・ガスバーナーを久しぶりに点けてみたり
(ちゃんと点いた)

 21号被害で気づいたんですが、台風も停電を引き起こすと何日も日常生活に支障が出るもんで、準備は地震とあんまり変わらない。たいへんなもんです。これ終わったらLEDランタン買っておこう(と大阪地震の時に思ってAmazon行ったらめぼしい品が1〜2ヶ月お取り寄せででして……)

 ──幸い、ウチの近辺(大阪市南部)はすり抜けるように台風の北西側が通過して、ほとんど被害なしでした。

 翌日つまり今朝、台風一過のきもちよい風に吹かれながらカバー・ダンボールを片付けたりテープを剥がしたりして、ほっと一息。例の車庫のブルーシートも、なんとかもってくれた。

 こういう肌感覚をちゃんと後世に伝えていけるのだろうか。自分も体験しないと全然わからないですね。「50年ぶり」とかだと2世代前が居ないと甘く構えてしまう。

 さて25号も発達中。
 備えあれば憂いなし、みなさんもお気をつけください。
 風怖い怖い。

posted by 犀角 at 16:50| 雑記

2018年09月30日

焼きリンゴ


「日に1個の林檎は医者殺し」
と物騒に語られる果物ですが、最近我が家では焼きリンゴがブーム。
 いやなに、

・皮剥いて16分割して
・鉄板にクッキングシート敷いて並べて
・オーブントースターで焼く

だけです。温度と時間は「端っこがちょっと色づくぐらい」でお試しあれ。(ウチのオーブンには「グリル野菜」って便利なボタンがある)
 甘みがぐーんと増し、水分もほどよく抜けて量も食べやすい。
 林檎一個まるまる食べるのって結構たいへんですが、これならあっという間です。

 もちろん、焼いたあとバターを落としたり蜂蜜を垂らしたりしてもOK。でもそのままが酸味と甘味を両方感じられて一番、かなあ。

posted by 犀角 at 00:00| ごはん

2018年09月29日

読書記録

 ブログあんまり書かない時期に読んで、感想文書かないままきちゃった本がいくらかあります。
 感想文を書く書かないは、モノの良し悪しや好き嫌いにあんまり関係ありません。「なんとなく書きにくい」とか「感じたことの言語化の必要を感じない」とか。ムリに書くのも変な話だし。

 ともあれ書名は記録しているので、何の気なしに分類してみると、6種類ぐらいに分けられた。
 ハード思想、ソフト思想、カジュアル経済、歴史(特に日本史)、日本語、食。
 興味対象すくなっ(笑)
 ほとんどなんにも興味ないんですね僕……おかしいな、もうちょっといろんなことに興味あるはずなんだけどな。ま、サッカー、クルマ、ガジェット、マ/ア/ゲなんかはほとんどwebから仕入れる、というのもあると思いますけど……あとは人から得るしかないものとか。実践あるのみとか。
 それにしても読む本偏ってるな、と思いつつ以下に記録だけしておきます。

■ハード思想
・本「マッハとニーチェ 世紀転換期思想史」木田元



 西洋人にも「力学的世界観」に違和感を抱いた人がいる。そりゃそうですよね。

・本「精神分析の危機」 エーリッヒ・フロム(岡部慶三 訳)



 フロイトとユング(それからアドラー)を巧いこと斬っており、「だからフロムは無視されるんだな!」とよくわかる本です。

・本「表徴の帝国」ロラン・バルト



 フランス人はなぜ日本の社会の猥雑さを好意的に見てくれるんでしょうね。

・本「人間の建設」小林秀雄・岡潔



 文・理の巨人がベクトル行き違いのようなシナジーの起きない対談をする。

・本「魂深き人びと──西欧中世からの反骨精神」香田芳樹



「反骨」とか簡単に言いますけどホンマ大変だ、というのを歴史上の反骨マンを挙げて詳説。ツッパリたい若者に「やるならこのぐらい」と読ませて可愛い子羊に舞い戻らせたいですね。

・本「創造的進化」アンリ・ベルクソン



 ベルクソン難しいですね。でもこの本よく言われるように「人=作る動物」というのがテーマかなあ?

■ソフト思想
・本「科学するブッダ 犀の角たち」 佐々木閑



 僕の雅号を知った方からいただいた本です。内容は僕が昔よく言ってたようなA対Bみたいな話です。もっとちゃんとしてます。

・本「人間にとって寿命とはなにか」 本川達雄



 本川先生おもしろいですね。本人がおもしろすぎてテーマが頭に入らない。

・本「物理数学の直観的方法」長沼伸一郎
・本「現代経済学の直観的方法」長沼伸一郎



 数学の概念は腑に落ちないと使いこなせないですねえ。僕には難しすぎました。

・本「今までにない職業をつくる」甲野善紀



 久しぶりに甲野先生の本を読みました。相変わらずお元気でよかった。

・本「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」マイケル・ピュエット



 なんかうまいこと説明してくれてる気がするんですが、翌日には忘れてる。「説明」を拒否するのが東洋哲学ではないか、などとわかったふりをして今日を生きる。

・本「勉強の哲学」千葉雅也



「勉強すればするほどバカになる」というのは比喩でも何でもなく本当にそうです。世界が広がってしまうので、自分の得物で切れる範囲は(割合的に)どんどん小さくなる。

・本「逆説の法則」西成活裕



 渋滞学でお馴染み西成さんが、長期的視野を持つことの重要性をロジカルに説く。でも人間それができない。

・本「どうして高校生が数学を学ばなければならないの?」大竹真一:編



 高校といわず中学から「いまやってる概念の習熟は、これに必要で、それはこれに必要で、ゆくゆくは月へ行ける」とかちゃんと「どこをやってるか」説明してほしいですよね。

■カジュアル経済
・本「知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ」神樹兵輔



 小耳に挟む各業界のビジネスモデルをまとめてあります。

・本「私の財産告白」本多静六



 まあ高度経済成長期はなにをやっても儲かりますからなあ……

■歴史(特に日本史)
・本「没後20年 司馬遼太郎の言葉2 「この国のかたち」」週間朝日MOOK



・本「歴史のなかの邂逅 8 ある明治の庶民」司馬遼太郎



・本「歴史の読み解き方」磯田道史



・本「天災から日本史を読みなおす」磯田道史



・本「日本文化の歴史」尾藤正英



・本「日本海軍の戦略発想」千早正隆



■日本語
・本「日本語を動的にとらえる」小松英雄



・本「はじめてであう日本の古典 雨月物語 菊のやくそくほか」古田足日 編 市川禎男 画



・本「煩悩の文法」増補版 定延利之



・本「日本語教師のための入門言語学 ー演習と解説ー」原沢伊都夫



・マンガ「日本人の知らない日本語」蛇蔵&海野凪子



■食
・本「日本酒の科学」和田美代子(監修:高橋俊成)



・ムック「自宅で淹れる珈琲 for Beginners」晋遊舎



・マンガ「築地魚河岸三代目」1-42(完) はしもとみつお・九和かずと



・マンガ「めしにしましょう」1-5 小林銅蟲




……と、ダラダラ記録させてもらいました。
どれも「読み終えて」「記録に値する」良書だと思います。

posted by 犀角 at 23:39|

2018年09月28日

人つながり



 ちょっとお話しましたがちょっとした車庫の見守りをちょっとした縁でしてまして、それの屋根がこないだの台風21号でちょっと飛んで、ちょっとお付き合いのある工務店さんに泣きついてちょっとブルーシートだけ張ってもらったんですが、それがまた隙間ちょっと開いて漏れてですね。

 店子のおじさんが怒鳴り込んできたので現地行って、どないしたもんかと思っていたら別の店子のおじさんがちょうどお帰りになったので、3人であれやこれやして応急処置しました。

 家帰ると友人と友人をつなぐ話が2系統あって、両方に進展が見られたのでメールを送ったりなんやかや。

 AIの時代と言いますが、たぶん人間はこういうところで残っていくんだろうなあ、とボンヤリ思います。
「品質保証」
というとちょっとニュアンスが違ってて、もし何か失敗があっても、
「……事情諸々考えるとしゃあないな」
と思えるようなつながり。
 これがたぶん金だけでつながると、その「事情諸々」を考えられないので、「金払ってんねんからなんとかせぇや」になる。
 これが進むとエキストラサービスにはエキストラコスト、信頼性やアフターを上げていきたいならどうぞ2倍でも3倍でもお金払ってください、ってことになる。
 最近、キレたヤマト運輸さんが「降りる」言い出して実際Amazonの配送品質が2割減なわけですが、「我慢が美徳」と間違ったことを刷り込まれてきた日本のサービス業・製造業もそろそろ限界、MVNOでスマホ買えばキャリアの1/3ぐらい。もちろんその代りキャリアの手厚いサービスは受けられない。

 顔を合わせて付き合いがあって、属人的な要素があると簡単にはキレられず、「関係の継続」を前提として妥協点を探り合うことになる。
 それが結局いろんな話を前に進めて、生活が営まれていく、んじゃないかなあ。
 昨日「この居酒屋の料理が美味いのは、顔を見せてる料理人が作っているからだ」などと言いましたが、たいせつなのはそこで、企業としてのビッグ・ネームではない。
「東京五輪のボランティア応募フォームがすごい」↓
https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20180927-00098411/
と話題になってましたが、これもちろん世界の電通が子会社の外注先の子会社の外注先の……みたいな8次下請けの20代のwebデザイナー、専門学校出たて、みたいな人が作ってて、この有様ですわ。
 これ組織委員会は何千万も出してるよこれに。
 これに。
 いや冗談抜きで。
 ぜひ「僕がやりました」と名乗り出て労働条件とか明かして欲しいですね。一夜にして有名人ですよ。

 だからこういうのはもう駄目で、ちょっとでも品質を保証せねばならん場合、人間が顔出してやるしかないんじゃないかなあ。
 そうすると、出す方も、そんなリスク背負うならお金で購ってくださいよ、ということになって、まあ、労働賃金が押し上がる。
 で、どうでもいいものは機械やロボットやAIがやってくれるようになって、どうでもよくないものほど人間が扱わなきゃならなくなって、扱う以上は顔出さなきゃならなくなって、労賃上がる……
 ではないかな。
 で、その労働そのものの性質は、実は頭脳労働であるとか高度な専門性がどうこう、ということとは関係なくて、つまり
「なにかとなにか(主に人と人)をつなぐときに、そこに居る」
というところにある、のではないかな、と。「品質をある程度保証する」すらも実は要らなくて。

 葬儀屋さんがイメージに近くて、たぶん時代が進めば病院からお墓までノンストップ全自動化って簡単にできるんですけど、そこで1人、ずっと付き従っていろいろと世話を焼いてる(フリをする)。
 それだけで価値が生じて、賃金が発生する。
 んじゃないかなあ。
 でその賃金がどの程度なのか、っていうのは最低賃金のレベルによるだけなので、食えるレベルに設定しておけばいいわけです。
 そんだけのことやと思うんですけどね。
 極端に言うと「公園おじさん/おばさん」という仕事を作って、公園に配備する。おじさんなので暴漢がやってきても止める能力はない。でもそこで「居る」っていう効能が重要で、「居ない」よりいいから、そのコストはみんなで出そう。

 なんかボンヤリしたこと言ってますけど、つまりこういう困った時とか大事な話、とかになればなるほど、お金でもwebでもなく、
「昔からの馴染み」
とかそういうのが頼りになるのは今でもそうで、でしばらくは無くなりそうもないどころかこれからますますそうなっていくんではないかな、と思ったり思わなかったりする。

posted by 犀角 at 17:39| 雑記

2018年09月27日

居酒屋「ひゃくばん」なんば


https://nanba100ban.owst.jp/

 で、「もちょい呑むか」と二軒目。
 と言ってもあては無し、「肉美味かったからいっすよチェーンとかでも」とO君は気を遣ってくれるも旅先でいつでも行けるところに入るのもちょっとなぁ……と道頓堀方面へ向かう鼻先に、
「ひゃくばん」
のひらがな看板。
 あれ? ……「百番」?
 大阪のサラリーマンならおそらく一度は行ったことがおありでしょう、ロケ抜群でリーズナブル、もちろん飯酒まずくない。使いやすさ抜群のあの「百番」です。

 いまちょっとなんか時代にしがみつく感じで(失礼な表現だなおい)アップ・トゥ・デート、上記webなんか見ますと昨日今日開店したみたいなノリですが、あの激戦地なんばの一等地で何十年も営業続ける老舗居酒屋です。
 僕大学生の頃から行ってる。
 webご覧になるとわかりますがリーズナブル・プライスで懐かしい惣菜からもちろん舟盛りまで、お酒もお馴染みの面々から「獺祭・島耕作」まで、幅の広さとテライの無さがウリ。
 呑み屋と言えばコダワリと効率化の二極化、そんな腐れマーケター共の診断などどこ吹く風。「ジャポンのイザカヤなんでもあるね!」とパリジャン・パリジェンヌを驚かせた30年前のあの輝きがいまもここに生きている。
 わたしたちゃ本当にこの30年なにをやってきたんでしょうね。

 ということで階段降りて入り込むと小ブースみたいな居心地いい席で、造里七種盛りを前に焼酎ロックとプレモルで再乾杯。
「……美味いっすね」
とだし巻きを頬張るO君。肉が詰まる胃袋にも、美味い肴はまた別腹。
 値段的に素材のコストは高くできずとも美味いのは、おそらく客から見える板場で、白い調理服を着込んだ板さんが作ってくれるから。よしんば実はバイトだったとしても、立ち位置・服装だけでも気が引き締まるものです。
 むしろ記憶の中にある「百番」より美味い気がする、と言ったら失礼かなあ。

 30年一世代、この30年を生き延びた例えば本屋さんなんかが閉まり、地元商店街でも僕が子供の頃から知ってる文房具屋・傘屋・花屋・和菓子屋・ミシン屋などが次々に閉まるのですが、そのサイクルを乗り越えることができたということは、いい後継者にバトンタッチできた、ってことでしょうかね。
 なんだかちょっと嬉しくなりました。

posted by 犀角 at 21:44|

2018年09月26日

焼肉「多平」なんば


https://tabelog.com/osaka/A2701/A270202/27005087/

 ポルシェマイスターO君が箸休めのBMWを受け取りに名古屋に来るってんで途中大阪に寄ってくれました。
 どうこのセレブ移動。ついでに月まで行っちゃう?

 前回海鮮だったので今回も海鮮の店いくつか調べて会った瞬間
「今日はランチが築地でしたんで肉で」
「お、おう」
 築地もオーラスで名残を惜しむ江戸っ子達でいっぱいだそうです。馬鹿なことしたもんですね。

 肉といえば「とらちゃん」ばかりというのも芸がないので慌てて秘密の会員制サイト「ふぁふぇふぉく」を検索すると、Rettyとかに追い上げられてるからかいまGoogleに上から人気順で並ぶんですね。
 関所に火が着いて燃え始めてるのを眺める旅人ほど楽しいもんはないですなあ。

 当然肉ですから上位には予算15,000円とかってジャック・マーしか行けないような店が並ぶわけで、リーズナブルなお店で一番上位は鶴橋ファンにはお馴染み「空」さんに道頓堀店がある。で行ってみると定休日。君の手のひらにある四角い板はなんだ? メンコか?

 ということでつぎのこちら、「多平」さんに行ってみる。R25と阪神高速がXになる交差点にダイコクドラッグあるでしょう。あの裏手。
「ストロングスターイル!」
 着くなりO君絶叫。そう平成も終わろうというこの18年秋に昭和そのものの店構え。そういえば昔はこういうお店が街に一つはあったものよ。

 わずかに待って入るカウンター、狭いがそこがいい。店内は白煙で満たされており目に染みる勢い。無煙などとは無縁なシンプル・ロースターいやガスコンロで焼くお肉は、大将がいまそこ眼の前で手引き。冷蔵ショーケースから注文を受けて引く。女将さんは必要なことだけしか言わない聞かない、でも確実にオーダーは通る。
 もうこの一連の体験そのものがなにもかも懐かしい。
 味ももちろんナイス。
 タン一枚目口に放り込んだ瞬間、目が覚めました。
 美味いもの食うと覚醒しますね。
 厚め切り、絡めダレもしっかり香ばしく、付けダレは醤油の効いたもの。脂が強すぎずにどんどんイケます。
 上タン(塩で)、上カルビ、カルビ、キムチ、ナムル、上ミノ、ハラミ、カルビ、キムチ盛り、飲み物5杯で、納得の10000円。

 もうもうたる店内はデートやファミリーではキツいかも、ですが、酒は二軒目に回してとにかく肉を放り込んでガッツ上げていきたい人には最適。
 プリミティブ・イズ・ビューティフル。
 焼肉屋はこれが基本。
 プリミティブな料理ですからね。

 O君も喜んで「また来ます」言ってる。
 観光で来た人にも「大阪」を納得してもらえるお店だと思います。

posted by 犀角 at 21:38|

2018年09月25日

洋食「グリル開花亭」心斎橋


http://www.grill-kaikatei.co.jp/osaka_01.html

 大丸心斎橋北館13階。
 台風の影響で若干観光客が減ったとはいえまだまだ元気な心斎橋、賑わいはいいのですがガチャガチャしててしんどい、お昼ぐらいゆったり食べたい……という時に。
 しっとり照明の元、三つ揃えのギャルソンにフルサーブしてもらうだけで贅沢気分。いや気分じゃなくてふつうに贅沢。
 もちろんお料理もいわゆる定番洋食、ハンバーグエビフライビフカツカニクリームコロッケ、うれしい、おいしい、たのしい。
 時間が(多少は)ゆったり流れます。
 お値段そんな高くねっすよ。

 繁忙時でもお店の中は行きつけ常連らしいおじさまおばさまで埋まり、いや知ってる人は知ってるんだなあ、と。
 世はおしなべてシンプル志向ですが、引き出しは多い方がいいですよ。使う使わないは別にして。

posted by 犀角 at 02:29|

2018年09月24日

リヴァプールおもしろいッスよ


 DAZN今年からCL観れるんですぜ旦那。
 もう時間泥棒が酷い。
 そらルミ子も年間2000試合観るわ。

 CLこそ全試合観たいところですが絞って観んと各国リーグもあるし……ということでクロップ・ファンのあたしはリヴァプール。
 昨年CL準優勝チームに補強はGKアリソン・ブラジル代表、流れ変える攻撃カードにシャキリ、中盤走り屋にケイタ、とバッチリ。あいかわらずの強力3トップ(サラー、フィルミーノ、マネ)も健在で、トランジション(攻守の切り替え)が超早い、いわゆる「ゲーゲンプレス」お馴染みクロップ節が堪能できます。
 端的に言えば観てておもろい。
 W杯ご覧になった方は「最近のサッカーは走るなぁ」とお思いになったかと思いますが、それ、つまりアスリート化・スピード化は最近の潮流、エースFWもバリバリプレスバックしてボール追いますし、ボール獲ったら5人ぐらいペナルティエリアに雪崩れ込む。
 これが元々のプレミアリーグ、つまりイングランド風キック&ラッシュの伝統との相性もよくて、熱いのです。

 さてリバポ、うまく回ってる時はいいとして、停滞する時は3トップ系の常で、
・ウィングをワイドに張り付けられすぎて届かない
 (相手SBの駆け引きが巧い)
・3トップと3MFの間が遠すぎて届かない
 (相手のボランチやOMFの、3MFへのプレスが巧い)
のだいたい2点なんですけど、今年はそういう匂いがしてきた時でもわりと修正が効く。3MFは3人とも労働者タイプなので(ミルナーはパスも上手いけど)CBのファン・ダイクが上下したりフィード散らしたりして、調整巧いんだと思う。

 ただし、クロップのチームは走らされるのでシーズン進んでくると怪我人が多くなりがち。特に無敵の3トップに欠員が出ると(スタリッジが控えるとはいえ)攻撃力に翳りが見られて、相手が勇気を持って前に出てくるので、そうなった時どうなるか。
 中盤外側の制圧力がただでさえ低いので(もう半ば捨ててる)、古典的な4-2-3-1系でサイドがふがふ突いてくるチームとかに苦戦しそう……なんですけど最近それ流行らないのでちょっと無いかな。
 まったく妄想ですけどW杯日本代表とかと戦うとおもしろいと思いますよ。殴り合いになって。

 ということでリヴァプール注目。もちろん、
・あいかわらず何やらせても鬼強い王者ペップ・シティ
・ようやく本領発揮かガチムチの伝統復活モウ・ユナイテッド
・補強がなんだ仲良しチームでがんばるポチェ・スパーズ
・銀行員が来たぞサッリ・チェルシー
・メチャハマるか大外しか、期待と不安のエメリ・アーセナル
と、どこのチームもキャラ立ちすぎです。
 下位ですらサウサンプトンのコーチがペジェグリーニ、ニューカッスルのコーチはベニテス、両方マドリーの元監督ですぜ。
 濃いわ……

 リヴァプールにしろアトレチコにしろ、チームカラーに合ったコーチを得るというのは幸せですな。

posted by 犀角 at 00:00| 雑記

2018年09月23日

ミンチ&パンプキン・BBQソース


 お子様・若者の好きそうな濃い味付け。かぼちゃの甘み・たまねぎの甘味・鳥/豚ミンチの甘みが三重奏、にんにくがスパイスになってごはんがやたら進みます。
 秋っぽい色合いもgoodですね。

【材料 2人分】
鳥(豚)ひき肉……200g
かぼちゃ……200g
たまねぎ……1/2個

バーベキューソース
 ケチャップ……大2
 ウスターソース……大1
 しょうゆ……大1/2
 にんにくすりおろし……小1/3
 胡椒……少々

レモン……1/4個
オリーブオイル(炒め用)……大1/2

【つくりかた】
・かぼちゃは種とワタを取り、食べやすい大きさに切る
・ラップしてレンジで2分(柔らかくなるまで)
・たまねぎは縦に薄切り
・バーベキューソースの材料を混ぜる
・フライパンでオリーブオイルを熱し、ひき肉を薄く広げて2分焼く(中火)
・焼き色がついてきたら、裏返してまた2分
・かぼちゃ、たまねぎを加え、炒め合わせる
・たまねぎがしんなりしたらバーベキューソースを加え、全体が馴染むまで炒め合わせる
・器に盛ったらレモンを絞る

【参考】
『オレンジページ Cooking 秋 2018』(付録の素材別レシピブックの方)



posted by 犀角 at 20:23|

2018年09月22日

鍋炊飯と野菜スープのコンビで



 食卓がシンプルになって、いいですよー。
 炊きたてツヤピカのごはんはそれだけでごちそう、野菜たっぷりのスープはそれだけでメインディッシュ。
 以前以下のような御本を読んだのですが↓

『一汁一菜でよいという提案』土井善晴先生
http://rakken.sblo.jp/article/177913078.html

『もうレシピ本はいらない』稲垣えみ子さん
http://rakken.sblo.jp/article/181244910.html



 稲垣さん曰く
「旅館の朝食、あれだ。あれが飽きのこない食事」
 まさにそれで、ごはんとよい汁があれば、あとはほとんど何も要らないのです。
 両作に出てくる重要バイプレイヤーお漬物、つまり発酵食品は、作らんでも買えばいい。ご存知の通りバリエーションすごくあります。
 私の近所ですと大阪という土地柄かキムチも多種多様。ウチは高麗食品の(「黃さんの」シリーズ)が好きです。あとは成城石井オリジナルもなかなか。
 あとは納豆とか、お取り寄せも効くごはんの友、たとえばちりめん山椒に、韓国海苔味付け海苔。
 イナフ!
 鮭や卵を焼けば、もはや王侯貴族と言えましょう。

 ……というのには実はカラクリがあります。
 都市生活者は外食という手段とチャンスが豊富にあるんです。凝ったモノはそこでなんだって食べられる。買って持ち帰れる。
 唐揚げだって定番ですけど、あれ一から作ると結構めんどくさい。もう買うかどっかで食べりゃいいんですそんなもの。ハンバーグとかポテトサラダとかフライ物とか。
 で、日々は、ごはんと野菜スープ。
 どっちも引き立つ。
 ハレもケも大事。農作業の日々があって、祭りの日があるのです。たぶん。

 ほぼ3年掛けてたどり着いた境地がこれでした。
 いまから自炊する方、せねばならん方の参考に。
 まあ、一通り頑張って毎食作りまくる日々を送らないと、良くも悪くも達観というのは得られないかもしれませんが。

posted by 犀角 at 00:06| 雑記

2018年09月21日

鍋炊飯



 最近、ずっとお鍋でお米炊いてるんです。

 というと「出た!意識高い炊事!」と回れ右されそうですが、さにあらず。いやホントに、いろいろやってみると、
「……鍋炊飯の方がええんちゃうかな」
ぐらいの感じで。

 これ何度もお伝えしてますが、僕がおすすめする「買うべきもの」(家電など)の見分け方は、
「買った人が帰ってこないもの」
つまり一度使い始めるとそれが壊れたらまた買っちゃうもの。それは「持続可能性が成立している」すなわち「生活が変わった」ものであり、遅かれ早かれその変化した生活に誰しもが巻き込まれるので、それなら逆にできるだけ早く食いついて、その便益を享受した方がいい。
 最近の一番わかりやすい例はスマホ。

 同様に、鍋炊飯行った人はだいたい炊飯器に帰ってこない。それはトータルで「……こっちのほうがいいな」と思うからです。メリットはいろいろあるのですが、

・米の味の差がわかりにくい
「それメリットか!?」というツッコミが飛びそうですが、つまり高価な米でなくても十分美味い。
 確かに差はわかるんですけど、炊飯器で炊いた時みたいに「ゆめぴりかかミルキークイーンじゃなきゃヤダー」みたいなことにはならないんです。
 これは単に想像ですが、最近の人気品種って炊飯器で炊いた時にインパクトある味に設計されてるんじゃないですかね。だから炊飯器で炊くと違いが開く。
 逆に鍋で炊くと、そこまで差が開かない。

・実は炊飯器って時間喰う
 ウチのマシンの場合1hぐらいで炊いてくれるのですが、ということは「1h前までには」炊飯作業を始める必要がある。
 たとえば7時に夕食なら、6時には洗米してセット。
 ということは、6時には「あーご飯作らなきゃ」という気分になる。
 これが鍋炊飯なら15分あればできるので、たとえばメインの料理が20分ぐらいで作れそうなら、6時40分ごろ「ご飯つくろ」と思えばいい。
 これ地味に大きいんです。
 みんな炊飯器の「撃ちっぱなし性能」にばかり目を奪われて便利便利と思ってますけど、時間はむしろ食ってる。
(この先冷蔵ユニットかなんか組んであって、前日夜にセットすればOK、みたいな炊飯器が出てくれば話は違いますけども)

・炊飯器動いてる時、レンジやオーブントースターを使いづらい
 これはお家によりますが、古い家や小さめのマンション・アパートですと炊飯器が爆走してる時、電気喰っててブレーカー落ちが怖いので、レンジみたいな大物は使いづらい。
 これ鍋で炊けば、レンジ・トースター使い放題です。

・実は炊飯器って洗うの大変
 最近はパーツも減りましたが、それでもウチので内釜、内蓋2枚の3パーツを丁寧に水洗う必要があります。
 あと乾かす時も嵩張るんですよね炊飯器のパーツって。
 鍋なら、確かにこびりつきもしますがそれは所詮米なので、水張って一晩置けば綺麗に取れます。
 楽ちん。

 などなど。
 どのぐらい気軽かというと、鍋炊飯なら朝昼晩3回炊けと言われれば炊けるぐらい。炊飯器でそれしろって言われるとイヤでしょう?
 思うに、鍋炊飯は一応「技能の発揮」なので、やりがいがあるんです。
 炊飯器炊飯は「単純作業」なので、ただの苦行。
 この差が大きい。

 ダイソンの掃除機の一番のイノベーションは、サイクロン・システムでも高性能モーターでも色華やかなデザインでもなく、
「ゴミが見える」
あのクリアビンではないかと思います(もちろんそれは紙パック型ではできないのですが)。あれがあるから、掃除という労働に多少やりがいが出てくる。で、ダイソンの掃除機も好きになる。

 もちろん得意不得意はあって、家庭のガスの火力だと鍋では3合ぐらいまでが適切な量なので、それ以上を一発で炊かないと間に合わない大家族な方とか、食べ盛り男子高校生体育会系が3人とか、あと炊き込みご飯とか、そういう場合は炊飯器。
 僕も冷凍保存用のを5合まとめ炊きするときは、炊飯器先生にお出ましいただきます。適材適所。

 はいさて、その方法ですが、流儀はいろいろあるので、ググってください(笑)
 僕は「柾式炊飯」です。
 以前ご本人(真崎庸さん @doroyoimasaki)に直接講義を受けまして↓
http://rakken.sblo.jp/article/101791854.html

いただきました、あのツルツヤすべすべの逆アルデンテ、これが慣れればご家庭でも。詳しいやり方は御本人のFacebookで↓
https://www.facebook.com/masakigohan/posts/294972247328432

 ざっくりいまの僕のやり方をいいますと、

・事前に洗米して水に漬けて冷蔵庫へ。
 (2h以上。その状態で3日ぐらいは平気です)
・水を切った米100gあたり水120gで、鍋に入れる。
 2人なら米300g+水360gという感じ。
 (水加減は様々な要因で変わるので、お好きな具合を見つけてください)
・火全開。
・沸騰したら、かき混ぜる。
・ぶくぶく立ってた泡が、少し落ち着いて、水位が下がってきたら、蓋(できればガラス部分のある中の見えるもの)。
・鍋肌で焦げるチリチリパチパチという音が聞こえてきたら、水はほぼ無くなってて大きな泡が立ってる状態であることを確認して、最小の火へ。
・3分タイマーセット。
・3分後、中身を見てカニ穴からもう泡が立たないぐらい、表面の水分は十分飛んだぐらい、でできあがり。
・蓋開けて、ボウルやお櫃に取る。キッチンペーパーで蓋しておくと適度に湯気吸ってくれていいですよ。
・お米が張り付いてる鍋は、最小の火のまま20分ぐらい掛けておくと、おこげができて、パリッと剥がれてくれます。おこげは塩掛けて食べるととても美味。

 たいへんなようですが、意識使うのは3ヶ所、
 ・あ、沸騰したな、かき混ぜよ
 ・あ、泡下がってきた、蓋しよ
 ・あ、チリチリ言い始めた、火力最小
 の3ヶ所だけです。最後の蒸らしはタイマーなので。
 慣れれば他の料理や下ごしらえしながらでも余裕で炊けます。

 要は炊飯で怖いのは非常に食べにくい「芯が残る」状態で、それってフル浸水させてしまえばたぶんなかなか起きない。
 だから事前にマックスまで浸水させて、あとはもうゴチャゴチャ言わんでも多少タイミングや水量が変でも、炊けるのは炊けるし、ちょっと柔らかかったりちょっと固かったりしても、食べられます。
 真崎さんに、
「どうしてこのやり方が一般化しなかったんですか?」
と問えば、
「昔は冷蔵庫が無かったからですかね」
と。ガッツリ浸水させておく手段が無かったから、高度な技術や勘が必要だったのではないでしょうか。

 キャンプなどで飯盒で炊かれたこともあるかと思いますが、以上の原理を考えると自ら失敗しに行ってるようなものです。
 浸水の少ない米、温度ムラの出やすい縦に深い容器、温度調節の困難な焚き火などの火力、経過が見えない蓋、経験ゼロ・多くの人に取って追試ゼロの技術、を主に小さい子にさせる……
「米は炊飯器!」と思ってしまうのもむべなるかな。
 あれ止めた方がいいですね。

 真崎先生曰く熱の大小がすぐ反映されるので、土鍋やル・クルーゼみたいな保温性高い分厚い鍋より、ふつうの鍋の方がいいそうです。
 僕はあんまりいろんな鍋使ってないのでなんとも言えませんが、ふつうのステンレス鍋で美味しく炊けてます。
 ティファールのテフロン加工した片手鍋もあって、それでも美味しくできるのですが、おこげではなく硬めの塊みたいなものが全周にできてしまい、結局それは炊き主任である僕が食べなければならないので(もちろんちゃんと食べられます、おこわみたいな感じ)、時々。
 確かにテフロン加工物の方が、洗う手間は劇的に減ります。

 心理的ハードルが高いのは、僕もずっと炊飯器炊飯だったのでよーくわかります。
 でもやってみると、意外と簡単、というか、こっちのほうがいいや、という感じです。だから多くの人がするんです。毎日のことだから、やせ我慢やカッコつけでは続きません。
 いいですよ、鍋炊飯。


 おひつも安いです↓ こちらセラミック、木製より断然手入れが楽で、冷蔵>レンチンのコンボも使えます。なぜか別の容器で冷蔵するより全然美味しさがキープされます。なんででしょうね。
 なによりおひつからよそうと、なんか嬉しいですよね。



posted by 犀角 at 00:19| 雑記

2018年09月20日

糸井の年齢



 いつも行くドトールで、最近行く時間帯ではおじさま方の一団とお近くになります。
 おそらくリタイアされてて悠々自適、いつも野球、特に阪神の話で盛りあがっておられます。
 今日の論点は「糸井の年齢」。

「あれ36やで」
「アホ言いな、36の時にFAで来たんや。ほんで2年めやろ。38や」
「えー? 36ぐらいやで。38言うたらワシらよりおじいちゃんや。もう野球なんかできへん!」
「ちゃうて。38や。あいつ8月誕生日やから、こないだ38になったばかりやて」
「いや36やて。ワシ知ってるもん。よう知っとる」
「ちゃうて! 家帰って調べたるわ。家に取ったあんねん、家に(訳注:おそらく選手年鑑かなにかを)」
「そやったかなぁ……」
「そや。38や」
「せやけどあの山田はよう打つな。ヤクルトの山田。FAで獲るならあれ獲らなあかん」
「「獲れるかいな!!」」

 手元のスーパーコンピュータで調べますと、糸井嘉男さん81年7月31日生まれ、現在37歳でした。
 もうなにからなにまで可笑しくて。

 僕もああいうリタイア後を送りたい。
 もうほとんどそうではない?

posted by 犀角 at 22:59| 雑記

2018年09月19日

野菜スープ



・本「最強の野菜スープ」前田浩




 結婚パーティでDr.ハマーに
「健康法いろいろやったけど、結局残ったのはこれ」
と薦められたのがミキサーで作る野菜ジュース(スムージー)でした。
 でも、ジュースも大変いいのですが(祖母の晩年、毎日ニンジンジュース作ってました)、食事の合間に飲むタイミングが難しかったり、なにより痛む・味/香りが落ちるのが早くて日持ちがせず、ということはつまり飲もうと思う度に作らねばならず、なかなか大変です。

 そこで!
 野菜スープ!

 書店で何の気なしに手に取った本ですが、著者前田先生はDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)の権威で、トムソン・ロイター引用名誉賞(ノーベル賞の前駆賞とも言われる)も貰っちゃってたりする方。その人が「いいよ」って言うんだから……と始めてみました。

 いいです。
 もう長いこと続けてます。

 1番め、なにより栄養と食物繊維。
 不足しがちなお野菜、特に根菜や緑黄色野菜がたくさん採れます。サラダでは量・種類ともこうはいかない。
 2番め、献立が楽。
 サラダとスープが同時に冷蔵庫から一瞬で出てくるようなものですから、あとは米を炊き主菜を1品作るだけ。楽ちーん。
 3番め、時短省力化。
 一度鍋一杯作れば、2人暮らしで4日ぐらいはいけます。密封すれば1週間でも。なんなら冷凍。便利です。
 4番め、美味しい。
 慣れるとどんなスープ(特に既成品)よりも美味しいです。
 野菜のお味だけで。冷やしても温めても。そして飽きない。

「最強」は(本を)売るための煽り言葉ではなく、本当です。
 わたしこれになんぼ助けられてるかわからない。
 これを量産するためだけにホットクック(SHARP)を買おうかと思いつめるぐらいです。

 詳しくはご本を……と言うほどもなく、つまり
「適当な野菜を切り刻んで、ひたひたの水で20分ぐらい煮る」
というだけです。
 簡単でしょ。

 味付けは要りません。僕も最初はコンソメ入れたり塩コショウ振ったりしましたが、最終的に「何もしないのがベスト」という結論に夫婦で達しました。また、味付けしないと保存性がいいようです。

 お野菜はなんでもいいのですが、タマネギ・ニンジン・キャベツ・カボチャの「甘みカルテット」をベースにすると良いです。
 誰でも飲みやすいものに仕上がります。
 ここに、大根、トマト、ジャガイモ、セロリ、ズッキーニ、ブロッコリーなどを適宜加えます。ゴボウやサツマイモ、レンコンも可、白菜、ほうれん草、小松菜、クレソン、水菜、べか菜などの葉物は、小さく切った方がベロベロせずにいいと思います。
 キノコ類ももちろんいいですが、味がそれの味になりますので、量は注意かな。あとネギ系は(ニラとかも)控えたほうが安心。

 思わずベーコンやソーセージを小さく切って……と思っちゃうんですけど、それはあとでその食事分だけアレンジする方がいいと思います。
 もちろんお味噌を入れて具だくさん味噌汁、カレー粉を入れてカレースープにもすぐできます。牛乳や生クリーム、それに旨味(粉末コンソメとか)をちょいと入れてシチュー風とか。
 でも、僕もいろいろやりましたが、素のままが一番。

 さらに極めたい方には、上記前田先生の本にも登場する高橋先生の監修した以下の本がありまして↓


・ムック「ハーバード大学式 最強!命の野菜スープ」高橋弘



 こちらでは「皮やヘタにファイトケミカルがあるんだ、捨てずに出汁パックなど使って一緒に煮ろ」とあります。
 タマネギの茶色い外皮、(よく洗って)やってみますと、確かにスープがキレーイな黄金色に染まります。
 まあでもぶっちゃけちょっとだけ手間なので、無理してやんなくていいです。

 とにかく何がいいってこれを飲むようになってから、胃腸の調子がいいです。ちょっと宴会で飲み過ぎ食べ過ぎして崩れても、すぐ戻る。
 腸内細菌が元気なようです。
 ですから風邪もひきません。
 僕は鼻炎持ちで、鼻炎持ちにとっては夏は冷房による寒暖差がキツイ季節です。以前はよくグシュグシュやってましたが、今年の夏は、あの激暑にしてただの一度も無し!
 すごいでしょ。
 重い持病を持ってるわけではないので、「病気を治す」とまではもちろん言えませんが、自分比で言ってもたいへん好調です。

 効果があって、炊事を楽にしてくれて、そして美味しい。
 言うことなしです。
 もうこれはホントおすすめ。どのぐらいオススメかというと本でいうと『失敗の本質』ぐらい。つまりマストに近い。
 まあいっぺん、やってみなはれ。

posted by 犀角 at 16:31| 雑記